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【まとめ】心理学を活かした就活のための必読記事

こんにちは。

私は心理学部卒後に、民間企業で心理系技術職として研究開発の仕事をしています。

なんだそれ?と思う人もいるでしょう。確かにマイナーな進路です。そのため情報も少ないです。就活当時も、心理学→研究開発に関わる情報が少なく、何から始めればいいの?ととても不安でした。

そこで今回は、同じ立場の人に向けて、ぜひ読んで欲しい記事を紹介していきます。

POINTこの記事は主に心理学を活かして企業に就職したい方向けに、体験者からのアドバイスを行うまとめ記事です。

 


入学時から心理学を活かした就職を希望していましたが、選択肢は何か?を調べるところから始まりました。

心理学を活かした就職先には大きく3つあります。

  • 公務員心理職
  • 大学教員
  • 企業(研究開発/人事・教育など)

どれも一長一短ですから、自分の興味に合った進路を選ぶといいでしょう。ここではメジャーな進路である公務員心理職について解説します。あまり知られていない警察における心理職に関する記載もありますよ。

 

 

なお、私自身は臨床に興味がなかったです。そこで大学か企業で研究ができればと考えましたが、特に企業就職に関する情報はほぼ皆無でした。

例えば次のような情報が必要そうなのに、調べてもなかったのです。

  • そもそも企業の研究開発職で心理学の需要はあるか?
  • 求人の見つけ方は?

  • 学部生・修士・博士で採用基準は違うのか?

  • 内定を獲得するためにすべきことは?

  • 学生時代の研究テーマって重要?

 

この記事ではそんな「心理学専攻の人が企業就職する」ためにしてよかったことを書いていきます。

 

ちなみに,私のスペックはこんな感じ

  • 早慶クラスの大学学部卒

  • 実験心理学(基礎心理学)専攻

  • スキルとしてEEG,fMRIの使用経験,JINS MEMEの使用経験あり

  • 内定は3社(うち心理学を活かした技術職1社)

  • 学校推薦を活用

  • 業績は国内学会1件のみ(査読なし)

業績がほぼなしの時点で院生さんには勝てる要素がありません。そんな私でも企業に入れたので、きちんと対策すれば院生の皆さんなら比較的容易に就職できると思います。 

心理学を活かせる企業探し

そもそも心理学の研究をしているのはどんな企業なのでしょうか?

そこで、実際に私が就活で検討した・応募した企業を基に、どんな企業なら心理学専攻の人を「専門性を評価して」採用してくれるのかを社名入りで書いてみました。


上の記事で書いてない企業も、急に心理系出身者を採用することがあります。そこで、心理学が生かせる求人の探し方をこの記事で解説しました。リクナビよりもいい方法、あります。

 

院試・大学院進学との両立

本サイトを見ている方の中には、学部卒で就職するか院進するか迷っている人もいるはず。そんな人に向けて、実際に就活と院試対策を並行で進めた私の目線で、やり方を解説しました。


体験したから言えますが、両立はかなり大変です。迷っている人は今すぐ対策をスタートするといいと思います。

推薦・自由応募の選び方

メーカーやインフラの採用では、多くの場合事務系(文理不問)と技術系(主に理系)に分けて採用しています。

文系では自由応募(大学とは無関係に企業に応募)が中心ですが、理系では推薦(大学を経由して企業に応募する)を活用する人がまだまだ多いです。

心理学部生でも専門を生かして就職したい!という場合は推薦は外せない選択。

下の記事では心理系の学部生だった私が、推薦応募を使ったメリット・デメリットを解説しています。

 

 

研究室選び

心理学で企業に行きたい。これが優先なら研究室もそれに合った研究室を選ぶべき。

そこでこの記事では研究室選びにおいて、知っておくべきことを解説しました。

 
行きたい研究室はある、でも人気で入れるか不安…ということもあるかもしれません。そこで、希望の研究室に入るためににやるべきことをまとめました。

ガクチカ

就活において学生時代に力をいれたこと、いわゆる「ガクチカ」は重要だと社員側になっても改めて思います。
 
そこで私自身の経験から「心理系の就職でやってorやればよかった」ことを、書いていきます。アルバイトなどもこの記事を参考に、計画的に選ぶのがおススメです。

面接対策

就活をして気づきましたが、企業の人は想像以上に心理学を知りません。そこで、研究テーマをわかりやすく伝えるために工夫が必要です。

この記事では「わかりやすく/かつ優秀そうに」見せる方法を解説しました。

 

就職後のこと

今は「とにかく就職しないと!!」と考えてしまいがち。しかし、企業就職後のメリット/デメリットも知っておくことは大事です。そこで下記2つの記事で メリット/デメリットを詳しく解説しました。きっと役立つはず。

【カネカ騒動】就活と推薦の関係を考える

こんにちは。

インターネットを見ていたらこんな記事が出てきました。

 

 

時間のない方の為にまとめると,育休から復帰した男性社員を即座に転勤させ,断って退職した社員には有休を使わせなかった!と元社員の妻が主張しているというものです。
 
この記事に対してはtwitter上でも大炎上していますし,
HPから育休に関する項目を削除するなどの対応のまずさもあり6/3現在炎上しています。

詳細は他のサイトの方を見て頂くと個人的に気になったのは,
炎上した企業に応募した就活生,特に学校推薦で応募した就活生はどうなるのか?といううこと。

実際みん就のカネカ社のページを見てみると...
  • 基本的な管理職教育が出来てない、法律守る意識がない会社
  • まぁ実際、学校推薦枠で受けて内定もらった人、承諾書出してる人、あたりまえに辞退できる
  • 推薦辞退で辞退したい

とまあ批判的な言葉が並んでいました。

今回は就活に大きなメリットのある推薦の負の側面について考えてみたいと思います。

私はカネカ社には応募していませんでした。その前提でお読みください。

学校推薦とは?

学校から推薦枠がある企業への推薦状をもらい、エントリーする方法。就活用語集(就活大百科 キーワード1000)

推薦枠がある企業ということは,全ての学校から応募できる,というわけではありません。大学入試でいう指定校推薦に近い制度となっています。

とはいっても学校推薦だから内定確実!というわけではないのも特徴。*1
そしてもう一つ重要なのが,原則として辞退できないということ。
大学の後ろ盾がある以上,裏切るとメンツがつぶれる...ということを意味します。
 

私の大学では辞退例がないため詳しくは知らないですが,翌年以降推薦枠が削減される...などのペナルティが課されたというお話を聞いたことがあります。

推薦の実際

私は学校推薦で内定を取得したのですが,上のような注意書きを全く言われませんでした。具体的には,

  • 第一志望であること
  • 内定したら必ず入社すること
  • 誓約書を書くこと

といった指導は一切なされず...私はインターネットでいろいろ調べてから応募したので問題ないのですが。

 

いくつかの制限はあるものの,メリットの大きい制度だとは思うのでなるべく早く記事化したいとは思います。

今回のケース

近年あった不正で就活生が内定辞退したい!と炎上したケースはいくつかあります。

代表的なケースでは三菱自動車(17卒),神戸製鋼(18卒)などでしょうか...

 

いずれにしても,大赤字を出した!ということよりも法的な意味での不正をきっかけに就活生が反応しているのが気になるところ。

 

 

こうなってしまうと辞退できない推薦のデメリットを痛感させられます...
カネカ社のみん就を見ている限り,「技術系採用者の多くは推薦」などの記載がありなおさら焦るんだろうな,と思いました。*2

今後推薦応募を考えるときには,
もし入社までに不祥事が起きてしまったらどうする?まで考えて出願するしかないのかなあ...
と改めて感じました。

多くの場合,不正や不祥事を起こすのは会社の一部の部署。全体的に大きな問題があるわけではないはず。
とはいえどうしても人生がかかっているから過剰反応してしまうのだと思います。

*1:私も就職先も学校推薦でも半分以上落とされるという噂が

*2:みん就を見ている限り,今回の出来事をきっかけに辞退したい!という学生の要求を受け入れた大学もあるようですね

【新卒】発達障害の就活生がクローズ就労を選んだ理由

f:id:husbird:20201206202104p:plainこんにちは。

私は軽度の発達障害の傾向がある新卒としてクローズで就活をしました。現在は民間企業で研究開発の仕事をしています。


発達障害の新卒就活と言えば、障害オープンで就活をした人の情報がほとんど。そもそもオープンで行くかクローズ就労を目指すかで悩んでいた私の場合、情報が少なくとても不安でした。


最終的には一般枠のクローズ就労で就職しましたが、私クローズ就労を選んだ理由を書いておくことで、今後の就活生の参考になればと思い記録を残しておきます。
 

POINT

ADHD/ASDの新卒学生が、クローズでの就労を選んだ理由を解説。どんな人にはクローズ就労がおススメかわかります。

オープン・クローズの制度上の違いについて

オープンとは障害を開示した上で就職すること、クローズは障害を開示せずに就職することを指しています。

 
メリット・デメリットについてはこちらのサイトをご覧ください。

  • 障害者求人に比べて業種や職種が豊富で求人の数が多い
  • 業務内容にもよるが、賃金が障害者雇用の場合より高い傾向がある

もちろんこの就労支援のサイトにも、障害者枠のメリット・デメリットは書いてあるのですが、あまり書かれていないけど働くうえで大事なこともあります*1

クローズ就労を目指した理由

私には発達障害特有の特性のうち、ADHDの衝動性とASDの状況把握能力が低いという傾向があります。そのため、臨機応変な対応や短期間での行動が苦手です。クローズにしたのは、障害特性を考慮した時に新卒から障害者枠を選ぶメリットを感じなかった空です。

そこでここからは、私が重視した発達障害の人が障害者枠で働くとデメリットを紹介していきます。

 注意

障害者枠とクローズのどちらが向いているかは、個人の特性や周りの環境によります。

働きたい職種の求人が少ない

数年前に私が探した時には新卒・障害者枠の大部分が事務の仕事でした。これらの仕事は肉体的な負担は少ないですが、コミュニケーションと同時並行で複数の仕事を進める力が必要です。自分には無理...と思いました。

一方で、自分の大学での専攻を活かしやすいエンジニアの仕事であれば、比較的自分のペースで働けるのではないか....と感じました。

私は今民間企業の研究開発職として働いていますが、「●時間後に〆切」というタスクは比較的少なく、自分の体調に合わせて働くことができています。

「新卒カード」を活用しにくかった

日本の就活には、新卒カード*2があります。しかし、障害者枠では年齢制限が緩い*3ため、新卒カードの恩恵をあまり受けられませんでした。

この状況をみて私は、「新卒では一般枠(クローズ)で働いて、ムリとわかってから中途で障害者枠で転職すればいいのでは?」と感じました。

ただ、2022年度のANAのようにし一般枠の新卒は取らないが障害者枠だけ採用するケースも増えています。

早めの準備で自分の適性を把握していた

私は小学生の段階で診断を受けたので、大学入学直後から一般枠と障害者枠のどちらで働くか悩んでいました。そのため、アルバイトなどで自分の適性を試していました。

その経験を通じて、一般枠で自分が働けそうな業界や自分の強みが生かせる分野をある程度理解することができました。

投薬が不要だった

発達障害特有の症状を抑えるためにコンサータやストラテラなどの薬があります。これらの薬をもらうためには月1位の頻度で病院に通う必要があります。

弊社は違いますが、毎月確実に有休を取得するのは難しいです。そうすると、薬でごまかしていたのに薬が無くなったので支障が出てきた...ということもあります。

一方で私の場合は使わなくても生活できていた*4ので、投薬なしでも行けるのでは?と思っていました。*5

私の知っている方だと、投薬が必要か否か?は障害者枠・一般枠(クローズ就労)を分ける大きな決め手になっていたと思います。

精神疾患の有無を聞かれなかった

会社の目線からすると、「社員がうつ病になって休職した!」というのは絶対に避けたいリスクです。特にクローズ就労の場合はなおさら。

そのため企業としては「精神疾患やその予備軍である社員はなるべく採用したくない。なんとか面接で見抜きたい」という本音があります。

実際にネットには次のような記事がありました。

こういった形で「メンタル疾患の前歴がある社員を掴まされた!」というのは人事部が頭を抱える問題なのです。そのため、中途ではかなりのケースで聞かれる用です*6にも拘わらず私が就活をしていた当時,1社からもメンタルヘルスに関する質問はされませんでした。またADHDやASDの人を見抜きやすそうな適性検査*7も課されませんでした。

理由はわかりませんが,「短期間で大量に採用する新卒には、メンタルヘルスを聞く時間はない」のかもしれません。いずれにせよ、発達障害やメンタルヘルスの問題を聞かれにくいのは新卒就活の特権だと思います。

まとめ

発達障害を持つ学生にとっても、新卒就活が特別であるというのは健常者と同じ。本人の特性によって障害者枠かクローズ就労(一般枠)かを考えるべきで、最初からクローズ就労の可能性を捨てるのはもったいないです。

では、発達障害の私が就活に向けて何をしたのか?という疑問についてはこちらの記事で答えています。就活の前にこういう準備しておくとなんとかなるんだな...とわかるはずです。

また、やっぱり障害者枠と一般枠で迷う人も多いはず。そんな方のために障害者枠と一般枠の就活を並行で進める方法を書いてみました。

*1:例えば昇格しやすさとか、高校や大学での勉強を活かせるかとか

*2:新卒であれば実績に関係なくいろいろな仕事に応募できる

*3:実際に大学の職員などに話を聞いてみても「障害者枠の求人は年齢制限が緩い、30代も多い」とのことでした。

*4:子供のころ投薬していましたが,効果がない・むしろ副作用があった

*5:カウンセリングは使っています

*6:私の身の回りでも、健常者である方複数人が聞かれています

*7:例えば内田クレペリン検査や不適性検査スカウター

【体験記】法務省・人間科学系インターンのメリットとは?

こんにちは。

以前この記事で、心理系公務員の仕事と待遇、そして採用について解説しました。


この記事の中で、インターンで少年院に行ったことがあると書いたところ、「少年院ってどんな感じですか?」と聞かれたことがあります。

そこで今回は、少年院のインターンで感じた、職場としての少年院のメリット・デメリットを書いていきたいと思います。

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POINT

この記事を読めば、法務省・人間科学系インターンのポイントがわかります!

 

少年院の話に入る前に、まずは法務省人間科学系インターンシップの全体像から解説します。 

法務省・人間科学系インターンとは?

毎年夏休み・春休みに行われる,法務省矯正局主催のインターンシップのこと。人間科学系の場合、鑑別所で心理鑑定の体験ができる法務技官のインターンシップと少年院の施設見学をしたり、矯正教育について学べる法務教官のインターンに分かれています。


公務員心理職のインターン自体少ないので、少しでも公務員心理職に興味があるなら必ず行っておきたいおすすめインターンの一つです。

詳しくは公式サイトをご覧ください。

www.moj.go.jp

 

注意

鑑別所でのインターンは、心理学専攻の人しか参加できません!社会学や教育学専攻の場合、少年院のインターンに応募することになります。


 

少年院とは?

少年院(しょうねんいん)は、保護処分の執行を受ける者及び少年院において懲役又は禁錮の刑の執行を受けることとされた者を収容するための施設。法務省矯正局が管轄する。 (Wikipedia「少年院」より引用)

のことです。

ざっくりと言ってしまえば、刑務所の少年版になります。犯罪を犯した少年のうち、特に犯罪傾向が進んだ少年を収容するのが特徴です。

矯正施設ではあるものの教育(職業教育だけではなく5教科の授業も含む)を重視したカリキュラムになっているのが特徴です。成人の刑事施設(ex.刑務所)とは全く異なる仕組みで運営されています。

参加に向けた選考課題について

基本的に応募のためには次の条件を満たすことが必要です。心理学専攻でないと鑑別所(法務技官)に応募できないことを除けば、鑑別所・少年院ともに条件は同じです。

  • 心理学 or 教育学等を学んでいること
  • 学部3年生以上であること(一部の施設は2年生以下でも可)
  • 800字程度のESを提出すること
  • 大学から推薦されること(推薦自体は誰でももらえます)

ESを提出することが応募条件になっていますが、興味を持った理由と学生自体の活動をしっかり書けば落とされることはないはず。

応募の単位は管区ごとではなく、少年院・鑑別所ごとになっています。また矯正管区を超えた応募、例えば第一志望を福岡管区の施設にして第二志望を大阪管区の施設にすることはできません。

私の場合、低学年でも応募できる施設*1に応募しましたが、3年生以上しか受け入れないはずの少年院に回されたので、あまり応募者は多くないと思います。

民間のインターンと異なり、交通費・食費全て自己負担です*2

注意

大学推薦が必要なので、受け入れ決定後に辞退できません。また夏休みのインターンは5月下旬、春休みのインターンは10月末に〆切*3とかなり早いです。

インターンでの講義内容

大きくわけると次のような内容が行われます。基本的に講義主体で実習はありません

  • 司法矯正の精度
  • 少年院で行われる矯正教育・処遇の仕組み
  • 少年院内の施設見学
  • 各種職員との座談会

少年と直接話すことはありませんが、普段は絶対に見られないものをたくさん見ることができます。


特に印象的だったのは、覚せい剤や性犯罪予防に関する教育を熱心に行っていたことです。自助サークルに似た、少年自身の経験を話す指導も行われています。

また刑務所と同じ行進を始めとした集団行動をかなり徹底しており、基本的にルールを守らず身勝手だった少年たちも、最初の数週間で集団行動を徹底的に叩き込まれてからはルールを守るようになるそうです。
 
 

職員目線で見た少年院

ここまでは、収容されている少年にどんな指導が行われているかを書いてきました。ここではインターンの際に聞いた、働く側から見た少年院について書いていきます。ポイントは次の通りですが、1つ1つ説明します。

  • 夜勤あり
  • 転勤範囲が広い
  • かなり体育会系
  • 「矯正失敗」もしばしば

公務員心理職では珍しくありませんが、夜勤があります。日勤(8時から17時など)の日もあれば夜勤の日もあり勤務日程はかなり不規則です。そして、基本的に法務教官としてキャリアを積み重ねることが前提*4なので、退職するまでこの生活が続きます。もちろんその分給料が跳ね上がるのですが、しんどいらしいです。

地方公務員と異なり引っ越しを伴う転勤がかなり多く、勤務地である少年院もかなり田舎にあります。つまり、数年おきに転勤を続けるが基本的に田舎勤務ということです。ワークライフバランス的にはなかなか厳しいとのこと。


少年たちに集団行動をさせると書きましたが、それを指導する法務教官も結構体育会系だと感じました。指導する以上、職員も徹底的に集団行動を叩き込まれますし護身術などの訓練も課されます。

そして、一番つらいのが少年院を出た子供たちの再犯率が残念ながら高いこと。もちろん出院後に社会に復帰できる人もいるのですが、残念ながら再び犯罪行為をする人もいます。「今度こそ一般社会で頑張ります!」と言っていた少年が捕まった話を何度も聞くと、法務教官でもなかなか堪えるそうです。
 

ここまで悪いことばかり書いてきましたが、少年たちの育てなおしを全力で行い、無事に社会に定着できた時にはやりがいもひとしおなのだとか。好き嫌いは選びますが、定着率はそれほど悪くないように思いました。

よくある質問とその回答

Q1.インターンにいかないと採用されない?

そもそも少年院の場合選考が緩いこともあり、インターンと採用はあまり関係がないように思います。 ただし、施設によってはインターン参加者が採用されていることもあります。

Q2.法務省専門職じゃなくて、総合職(人間科学)志望なんだけどどの施設に応募すべき?

職員さんが、「総合職(人間科学)志望なら東京管区内の勤務が多いよ」と言っていたので東京管区内の施設に応募するといいでしょう。場合によっては採用の時にメリットがあるかも。

Q3.応募するなら何年生のタイミングがいい?

学部卒での就職を考えるなら学部2年、大学院卒での就職を考えるなら学部3年がいいでしょう。

Q1で書いたように、インターン参加と採用に関係性はあまりないと思います。そのため、自分の名前を売るためにわざわざ就活直前に行く必要性はありません。

公務員心理職だと大学院卒で就職することが多いですが、大学院生になると就活の面でかなり後がなくなります*5。そのようなタイミングで、第一志望にするかわからない職場に夏休みの3日間を、しかもその予定を数か月前に決めないといけないのは辛いのではないでしょうか。

最後に

個人の好き嫌いは別として、貴重な公務員心理職のインターンシップです。どちらかと言えば法務教官大変らしいよ!!という内容の記事になってしまいましたが、心理学の知見が活かせる職場であることを踏まえれば悪いところばかりではありません。

すこしでも興味があるなら、応募してみるといいのではないでしょうか。 

 

*1:この当時は女子施設しかなかったのでそこに応募した

*2:民間だと出してくる企業が多いのですが...

*3:大学ごとに取りまとめて応募します

*4:もちろん矯正管区の職員として事務作業をすることもありますが、専門職で採用されると少ない

*5:学部卒の就活でうまくいかずに院進学してもなんとかなりますが、同じノリで院生が博士課程に進学すると大変なことになるらしいです

【工学・情報系】心理学を活かせる他分野大学院とは?

 

こんにちは。

 

就職することになったものの,
ギリギリまで大学院進学か就職かを悩んでいた私。

 

その理由として心理学から他分野への大学院進学によって,学部卒で就職するより有利に就活できると考えていたからです。

 

今回は心理学を活かして受験ができる大学院について考えたいと思います。

 

POINT

工学系・情報系を中心に心理学が活かせる大学はたくさんあります!

心理学で得られるスキル

統計学と実験的なモノの見方,認知やUXデザインに関する知識,脳波実験や動物実験のスキルなどがあります。

 

どんな大学院があるの?

ここからは実際に私が受験を本気で検討した大学院について,できる限り実名で書いていきたいと思います。

 

モノのデザインを考えるような分野

海外に工場を置くことで安く作るだけなら以前よりも簡単にできるようになってきました。そのこともあり(),現在いろんなメーカーさんが使いやすい・魅力的なデザインについていろいろ考えています。

それに呼応するかのように,工学系や情報系大学院の一部に,心理学のスキルがある人を求めている大学院がありました。

 

私が実際に見に行った研究室の中には,ARやVRを提示するメガネ*1を開発しているところがありました。

あとは最近はやりのデザイン思考について研究しているような研究室。

 

脳波・生理反応を扱う分野

いわゆるバイオ系・医療系の大学院を想定しています。私の大学にはラットを用いた動物実験を行う研究室があり,そこからは数年に一度そういう大学院に進学している方がいるようです。

 

集団行動を扱うような分野

主に社会心理学の研究が生かされる領域です。例えばエージェントベースのシミュレーションを行うような研究室で,どのような変数を入れたらよいのか?を考えたり,行動経済学の研究室で集団向けの戦略を考えるようなこともできたりします。

 

どんな大学院を選べばいいのか?

ここまでは,どんな大学院があるのかを書いていきました。しかし心理学を勉強している私達にとって,物理や数学などの専門科目の勉強をして,受験をして合格するのは容易ではありません。

 

そこで,ここからは具体的にどういう大学院なら心理学出身で受験できるのか,実際に研究室訪問をしてマッチングを成立させた私の体験をもとに,実名で回答したいと思います。

 

大学院大学

学部のない大学院のことです。NAISTやJAISTなどが挙げられます。

院試で必要な専門科目が数学のみ,あるいは専門科目なしで面接のみで選考するケースもあります。NAIST・JAISTいずれも情報系の研究室では心理学出身者の受け入れ実績が多いのも魅力の一つ。

 

NAISTのスプリングセミナーに行って確かめてきました!

 

学際系大学院

東大の新領域・学際情報学府・総合文化研究科など,いろんな学問を一つの大学院で研究できる!というのがウリの大学院。近年増加傾向にあります。

いろんな分野の学生が受験するため,生物学・物理学・数学・心理学・化学・情報科学…などなど多様な科目の中から自分の得意な科目で受験することが可能です。

最近できた大学院が多いため,就職のための推薦はあまり充実していないかも...

 

情報系の大学院

情報学は学際的な学問の一つ!と考えられているようで,名大や京大の情報学研究科には心理学で受験できるコースがあります。*2

 

以下では具体的に表にしてみました。すべて実際に私が調べたり研究室訪問をした大学です。

大学名 研究科・専攻 試験種別 科目
東大 教育・教育心理 一般 心理・統計・英語筆記・書類・面接
東大 学際情報・生物統計 一般 統計・TOEIC・書類・面接
東工大 MOT B日程 TOEIC・数的処理・小論文・書類・面接
東工大 融合理工 B日程 TOEIC・数的処理・小論文・書類・面接
東工大 社会人間科学 B日程 TOEIC・小論文・書類・面接
阪大 情報科学 特別推薦 TOEIC・書類・面接
早大 基幹理工・表現工学 一般 TOEIC・心理・芸術・書類・面接
九大 芸術工学 一般 英語筆記・心理を含む専門科目・書類・面接
受験科目については過去問を見たり,研究室の方に聞いたうえで判断しました。詳細については必ず自分で確認してください。

 

意外といろいろあるなあ,と思いませんでしたか?実際に研究室訪問をして,想像以上に大学では心理学の知見が求められていると感じました。

 

では研究室訪問はどうすればよいのか?は近々書いてみたいと思います。


良い記事だな!と思われた方,よろしければ私のtwitterアカウントもフォローしていってくださいませ。@MarathonUniv

そしてこの記事が参考になったよ!という方は下のamazonの欲しいものリストから何か恵んで頂けるともの凄く喜びます。よろしければどうぞ!

欲しいモノリスト私の欲しいものリスト

*1:正式にはヘッドマウントディスプレイという

*2:京大の情報学研究科の場合,必須科目が多いこともあり心理学だけで受験できるわけではありません。

(警察も解説)公務員心理職の仕事・待遇・採用のポイントを解説します。

こんにちは。

 
このブログでは、心理学を活かして働くということをテーマに扱っています。今回は就職のうち、心理学を活かす!という意味で最もメジャーな公務員心理職について解説していきますね。

その前に心理学を活かした就職全般の話が聞きたい!という方はこちらの記事をどうぞ。


自分学部卒なんだけど、学部卒でも採用されるにはどうしたらいい?という悩みがある方はこの記事をどうぞ。

 

公務員心理職とは?

心理学(特に臨床心理学)の専門的なスキルを活かして働く公務員のこと。例えば心理判定員や児童福祉士、法務省専門職員(法務技官・法務教官・保護観察官)などいろいろあります。

 

例外はありますが、事務系の公務員と異なり現場(少年院や児童相談所)での勤務が多いのが特徴です。技術系と同じように「専門職」として採用されます。

待遇面では、非正規雇用が常態化しているカウンセラーに比べ、心理職の中で公務員心理職は非常に恵まれています。

 

高校生向けですが、それ以外の方にも参考になるところが多いはず。正直なところゾッとしました... 

国家公務員の場合

主に3つの選択肢があります。本省(霞が関)で働く国家公務員総合職(人間科学)と法務省専門職員,裁判所職員総合職(家庭裁判所調査官)があります。


国家公務員総合職や家裁調査官、法務省専門職については毎年採用が行われており、大学時代の専攻は一切不問です。また公認心理師や臨床心理士の資格を持っていなくとも受験できます。 

 

国家公務員総合職(人間科学)

国総などと略されます。いわゆる官僚にあたる人のことです。

 

心理学・教育学・社会学・社会福祉学などの専門的なスキルを活かして、主に政策立案や他の職員のマネジメントを行う職員です。少年院や鑑別所と本省を行ったり来たりする法務省のような例外もありますが、基本的には現場を離れた事務職です。

採用試験についてみていきましょう。院卒・大卒で明確に試験区分が分かれており、近年は採用者の6割程度が院卒
になっています。

大卒と院卒で内定先の省庁に差があるのが実情です。大卒の場合はほぼ法務省のみ。院卒の場合は採用者が多い省から法務省・厚生労働省・文部科学省となっています。これ以外の省庁は毎年0~1名ですが、会計検査院で採用された人もいます。

 

心理学専攻の人は、心理学のみで受験できるため院試との両立がしやすいのも大きなメリットです。しかも,国家公務員総合職の合格者名簿には3年間掲載されるため,学部4年生の時に公務員試験に合格し、大学院修士2年の時に官庁訪問することも可能ですし、私自身もこの方法で採用された方を直接見たことがあります。

 

裁判所職員総合職(家庭裁判所調査官)

裁判所の職員として主に家裁調査官の仕事をします。すでに犯罪を犯した少年のもとに行き、なぜその少年が犯罪をしてしまったのか?といったことを調べたり、離婚などの家庭内トラブルがあったとき、子供の親権を父母のどちらに与えるのか?といったことを調査するのが主な仕事です。

心理的知見を活かした仕事ではありますが、裁判所の総合職であるためいわゆる事務職になることもあります。

職員の方の話では,めちゃくちゃ転勤が多く、しかも総合職扱いなので転勤の範囲は全国のようです。なお採用後2年間は埼玉県で研修が行われるほか、その後も数回にわたって埼玉県の研修所で長期研修があります。

令和2年度(2020年実施)の試験から試験制度が大幅に変更されました。詳細は公式サイトを確認いただきたいのですが,
  • 1次試験が教養試験のみになった
  • 2次試験で今までは不可能だった組み合わせを含め,全ての組み合わせで受験可能に

このことによって,今までは不可能だった「法律科目だけ(人間科学系の科目ナシ)での受験」が可能になりました。

 

法務省専門職員

主に現場(少年鑑別所・少年院)で働く職員です。法務技官、法務教官の場合は実際に少年の心理状態を検査したり、少年の矯正を行います。一方で保護観察官は刑期を終えた成人の社会復帰を支援する仕事です。

 

 注意

採用パンフレットにはあまり書かれていませんが、法務技官・法務教官のいずれも刑務所のような成人向けの施設での勤務もあります。


国家公務員総合職と異なり本省で働くことはほとんどなく、地方の矯正管区や少年院等で働きます。なお管区内における引っ越しを伴う転勤があります。

 

保護観察官を除き警察官などと同じ公安職扱いになっており,一般職の公務員に比べて給料は10%程度高いです*1。また夜勤があるため実際にもらえる給料は募集要項よりもかなり多くなります。

ちなみに私は学生時代に少年院のインターンに参加したことがあります。その時の感想をこちらの記事に残しておきました。実際の仕事も面白さや大変さが分かるはずです。

  

地方公務員

自治体ごとに実際の仕事の内容が異なります。基本的には現場(児童相談所とか)でのカウンセリングや児童の指導、障害者福祉に関する業務を現場で行うケースが多いです。ただし、自治体によっては福祉政策の立案業務に携わることもあります。

つまり、民間のカウンセラーと異なり現場を離れる可能性が結構高いです。

市・県職員の場合

障害を持った子供/成人に対する心理判定や、虐待などを受けて児童相談所に連れてこられた子供の心理検査を行ったりするのが主な仕事です。自治体によって、就労支援のような福祉職に近い仕事をすることもあります。

 注意

児相勤務を希望する場合、原則として都道府県か政令市に就職する必要があります*2


日勤のみの施設が多く、特に障害者向けの施設は日勤のみです。しかし実際に子供と寝食を共にするタイプの施設では、夜勤があったりすることもあります。そして配属先は採用されるまでわかりません。特に都道府県職員で採用された場合、引っ越しを伴う転勤があります。

 

採用試験について

東京都や大阪府などの大規模自治体では毎年採用しており、10名以上の大量採用を行うケースもあります。しかし、それ以外の自治体では採用0の年も珍しくありません。

 注意

公務員試験の日程上、政令市と都道府県*3は基本的に併願できません。そのため、出願の段階でどちらの自治体を狙うかきちんと決める必要があります。

国家公務員総合職と異なり大卒・院卒で試験区分が分かれていません。しかし、大学時代の専攻が心理学であることが必須の自治体がほとんどで、一部の自治体では新卒にも公認心理師か臨床心理士の資格を求めるケースも。

そんなこともあってか合格者の過半数は院卒者になっており、学部卒がほとんど合格できない状況になっています。

筆記試験の問題も自治体によって大きく異なります。国家公務員の試験では心理学だけで受験できるような職種でも、地方だと社会福祉の問題も解かないといけない...という自治体も。

警察の場合は?

一部の都道府県では、心理学の専門性を活かして少年や警察官に対するカウンセリングを行ったり、学校との連携を実施する職員を採用しています。

例えば大阪府の場合はこんな感じ。


あくまでも警察官ではなく警察職員なので、夜勤等は原則ありません。また国家公務員と異なり基本的には転勤リスクも小さめ。ただし、採用時に警察学校での研修があることに注意が必要です。

心理学専攻であれば応募できるケースもありますが、自治体によっては公認心理師の資格を既に持っていることを要求するケースも。

なお、これは県や市の心理職とは別の扱いとなっており、人事システムも異なっています。また、大阪府のような大規模な県警でも採用者は年1~3名程度と採用者も少なめです。

研究職

警察(警察庁であれば科警研/都道府県警察であれば科捜研)で捜査方法の研究を行ったり、自衛隊職員として心理学的研究を行います。

テーマはあまりオープンになっていませんが、警察ではウソ発見器の研究をしたり、自衛隊では潜水時の心理状況の研究をしている話を聞いたことがあります。犯罪捜査法の改善といった業務だけではなく、普通の研究者同様に学会発表や論文執筆も行います。

採用の母体が警察/自衛隊であり、採用試験はいわゆる警察官や自衛官とは全く別の内容です。いずれも心理学に関する大学レベルの知識が求められています。

採用されたら退職時まで研究職として働くことになります。また警察官として交番に勤務したりすることはありません。

採用は原則若干名であり国家公務員総合職(人間科学区分)から採用される科警研は2~3年に1名程度の採用です。科捜研も各都道府県ごとに1~2年に1名程度の採用とかなり少なくなっています。 

 

まとめ

公務員心理職とひとくちにいっても,事務系・公安系・研究系と非常に幅広いのが実情。転勤の有無の各求人に依存しています。とはいえ「心理学を生かしつつ任期なしで働ける*4」魅力はとても大きいもの。

少しでも参考になれば幸いです。

*1:それだけ危険な仕事でもあるということなんですが...

*2:政令市以外で児相を設置しているのは横須賀市・明石市・金沢市の3市のみです

*3:東京都を除く

*4:任期付き公務員の場合もありますが...

なぜ文系院卒は就職できないのか?

こんにちは。

先日ネットサーフィンをしていたところ、こんな記事を見つけました。

1. 文系院生の就職の現状 - 大学院生(修士/博士)ポスドクの就職・転職情報サイト「アカリクWEB」

 

内容を簡単に言えば、理系であれば大学院(特に修士)卒でも普通に就職できるけど、文系の場合、就職も進学もできない人が博士なら5割以上いるよ。というもの。

 

また,文系院卒の女子はいらない!という感じの厳しい記事も。

www.businessinsider.jp

頭では理解しているものの、実際にデータを見せられると辛いもの。進学をやめようかな...とも思ったり。

 

husbird.hatenablog.com

 

私自身は学部生ですが、なぜこんなことになるのか。以前文系の研究所で仕事をしている経験から書いてみました。(細かいことは書けませんが上司の6~7割くらいが博士号を持つ,かなり研究色が強い半官半民の研究所です)

 

POINT

実際に進学を目指しつつ就活した体験から文系院卒が不利な理由を考察しました。

 

最終的に私は学部卒での就職を選択しました。主に障害学生向けですが,よろしければ見て行ってくださいませ。

 

参考【新卒】発達障害の私がクローズ就活を選択した理由

 

文系院卒が就活で不利になりがちな理由 

こういった傾向は文系院卒の社会人からはあまり感じません。
就職するとこういう傾向はなくなるのだと思います。
生存バイアスかもしれませんが...

専門が仕事で生かしにくいように思われる

少なくてもプログラミングや実験技術など理系であれば当たり前に持つものを持たないのが文系(心理学はそうでもないですが)。そのため、学部生と同じ能力のある高齢者を雇うことはしないというもの。*1

 

実際に就活していても,日本の事務系採用の場合,大学院卒の知識が生きることはほぼないなあ...と感じました。文系院卒に寛容な業界といえばシンクタンク・コンサルくらいでしょうか。

 

専門外の人とのコミュニケーションができない

これは理系、文系の人どちらにも言えるのですが、大学院生、研究者は専門用語をたくさん使います。専門用語を使ったほうが誤解が生じないからですね。

専門用語がわかる研究者と院生の間では。

 

ただし専門外の方には専門用語はわからないものです。
理系の場合は産学連携などで他分野の技術者と話すことが比較的多くあるので、多少は専門外の人にもわかるように説明するようになります。
しかし文系の場合産学連携などの機会も少なく,専門用語ばかり使っていても問題なく研究できる,という状態になりがち。*2
こういう文化で育った学生が就活で研究のことを話しても面接官は「?」となりがち。

 

このことを改めて感じることが仕事中にありました。

私「ここは因子分析を用います。推定法は最尤法で回転は無相関が仮定できないのでプロマックスで...」*3

 

ボス「因子分析の細かい説明をされてもお客さんはわからないから、そこは「分析の結果」でまとめるよ。」

 

このとき、専門外の人にもわかるように説明するのが企業での研究なんだな...と感じました。学会論文ではなんの前提もなくプロマックス回転してきますし...

 

実際に就活をしていた際にも,ざっくりでいいからわかりやすく説明して!と言われたことが何度もありました。

 

対策

上に書いてきたようなことを対策するのはもちろんです。
ただ,そもそも業界選びの時点で文系院卒を歓迎する企業を選ぶのが大事だと感じました。


大学職員

私も複数の大学に応募しました。
多くの大学(特に進学率の低い傾向にある私大)では「ある程度研究経験のある院生が欲しい」というケースがあります。

実際に四季報を見ていても,近畿大学のように文系院生を毎年複数名採用している大学も多くあります。

学歴別の採用数を公表していない大学でも,文系院生も採用しています!と説明会で出てくるケースは多いです。私が参加した範囲では慶應義塾がそうでした。*4 

大学職員に理系院卒で応募する人は少ない(メーカー等に抜ける)傾向があり,文系院卒が優遇される数少ない業界の一つです。

 

公務員

面接はあるものの,民間企業に比べて筆記試験がかなり重視されています。 筆記試験には強い傾向にある院生にはとても相性がいい業界です。

民間企業と併願しやすい特別枠(SPIだけで受験可)の自治体は楽ではないですが。 また国家公務員総合職・東京都・京都市などでは院卒者を学部卒者とは別の枠で採用しています。こういう枠は結果として学部卒よりも倍率が低く,院生にはチャンスが多いそうです。 私の先輩でも複数名が文系院卒→公務員になっています。

 

特定の文系院卒採用が多い企業を狙う

主にコンサル・シンクタンクを中心に,文系院卒を毎年10名以上採用している企業があります*5

 

詳しくはこちらのサイトを確認してほしいですが,私が知っている範囲ではNRI(野村総合研究所),日本IBM,ニトリは文系院卒を毎年採用しています。


この年はNECソリューションイノベータが2桁採用していますね。

 

特にニトリは私の大学院からも毎年複数名が入社しています。*6

 

なおコンサル・シンクタンクのは少数精鋭型の採用を行うケースが多いです。
そのため採用数は少ないものの,文系院卒の割合が30%以上というケースも多々あります

 

いずれにしても院生が好きな企業,嫌いな企業にはっきり分かれていると思いました。 私の場合,院進学を前提に「院生に寛容な企業」のインターンを中心に参加しました。

あまりまとまりがよくないですが,何らかのヒントになれば幸いです。

*1:理系の場合はメーカーを中心に院卒,そして博士卒でも積極的に採用されています

*2:こういう問題を克服するためにサイエンスコミュニケーションがあるのだと思います

*3:因子分析では因子を見やすくするために「回転」という行為を行います。バリマックス回転・プロマックス回転というのはその回転の種類のことです

*4:慶応義塾は大学ではなく学校法人一括での採用です。

*5:文系院卒を毎年2桁採用しているというのは極めて貴重

*6:内定だけでいえば院生の3人に1人が内定していたとの噂も