こんにちは。
私は軽度の発達障害の傾向がある新卒としてクローズで就活をしました。現在は民間企業で研究開発の仕事をしています。
発達障害の新卒就活と言えば、障害オープンで就活をした人の情報がほとんど。そもそもオープンで行くかクローズ就労を目指すかで悩んでいた私の場合、情報が少なくとても不安でした。
最終的には一般枠のクローズ就労で就職しましたが、私クローズ就労を選んだ理由を書いておくことで、今後の就活生の参考になればと思い記録を残しておきます。
ADHD/ASDの新卒学生が、クローズでの就労を選んだ理由を解説。どんな人にはクローズ就労がおススメかわかります。
オープン・クローズの制度上の違いについて
オープンとは障害を開示した上で就職すること、クローズは障害を開示せずに就職することを指しています。
メリット・デメリットについてはこちらのサイトをご覧ください。
- 障害者求人に比べて業種や職種が豊富で求人の数が多い
- 業務内容にもよるが、賃金が障害者雇用の場合より高い傾向がある
もちろんこの就労支援のサイトにも、障害者枠のメリット・デメリットは書いてあるのですが、あまり書かれていないけど働くうえで大事なこともあります*1
クローズ就労を目指した理由
私には発達障害特有の特性のうち、ADHDの衝動性とASDの状況把握能力が低いという傾向があります。そのため、臨機応変な対応や短期間での行動が苦手です。クローズにしたのは、障害特性を考慮した時に新卒から障害者枠を選ぶメリットを感じなかった空です。
そこでここからは、私が重視した発達障害の人が障害者枠で働くとデメリットを紹介していきます。
障害者枠とクローズのどちらが向いているかは、個人の特性や周りの環境によります。
働きたい職種の求人が少ない
数年前に私が探した時には新卒・障害者枠の大部分が事務の仕事でした。これらの仕事は肉体的な負担は少ないですが、コミュニケーションと同時並行で複数の仕事を進める力が必要です。自分には無理...と思いました。
一方で、自分の大学での専攻を活かしやすいエンジニアの仕事であれば、比較的自分のペースで働けるのではないか....と感じました。
「新卒カード」を活用しにくかった
日本の就活には、新卒カード*2があります。しかし、障害者枠では年齢制限が緩い*3ため、新卒カードの恩恵をあまり受けられませんでした。
この状況をみて私は、「新卒では一般枠(クローズ)で働いて、ムリとわかってから中途で障害者枠で転職すればいいのでは?」と感じました。
早めの準備で自分の適性を把握していた
私は小学生の段階で診断を受けたので、大学入学直後から一般枠と障害者枠のどちらで働くか悩んでいました。そのため、アルバイトなどで自分の適性を試していました。
その経験を通じて、一般枠で自分が働けそうな業界や自分の強みが生かせる分野をある程度理解することができました。
投薬が不要だった
発達障害特有の症状を抑えるためにコンサータやストラテラなどの薬があります。これらの薬をもらうためには月1位の頻度で病院に通う必要があります。
弊社は違いますが、毎月確実に有休を取得するのは難しいです。そうすると、薬でごまかしていたのに薬が無くなったので支障が出てきた...ということもあります。
一方で私の場合は使わなくても生活できていた*4ので、投薬なしでも行けるのでは?と思っていました。*5
精神疾患の有無を聞かれなかった
会社の目線からすると、「社員がうつ病になって休職した!」というのは絶対に避けたいリスクです。特にクローズ就労の場合はなおさら。そのため企業としては「精神疾患やその予備軍である社員はなるべく採用したくない。なんとか面接で見抜きたい」という本音があります。
実際にネットには次のような記事がありました。
こういった形で「メンタル疾患の前歴がある社員を掴まされた!」というのは人事部が頭を抱える問題なのです。そのため、中途ではかなりのケースで聞かれる用です*6にも拘わらず私が就活をしていた当時,1社からもメンタルヘルスに関する質問はされませんでした。またADHDやASDの人を見抜きやすそうな適性検査*7も課されませんでした。
理由はわかりませんが,「短期間で大量に採用する新卒には、メンタルヘルスを聞く時間はない」のかもしれません。いずれにせよ、発達障害やメンタルヘルスの問題を聞かれにくいのは新卒就活の特権だと思います。
まとめ
発達障害を持つ学生にとっても、新卒就活が特別であるというのは健常者と同じ。本人の特性によって障害者枠かクローズ就労(一般枠)かを考えるべきで、最初からクローズ就労の可能性を捨てるのはもったいないです。
では、発達障害の私が就活に向けて何をしたのか?という疑問についてはこちらの記事で答えています。就活の前にこういう準備しておくとなんとかなるんだな...とわかるはずです。
また、やっぱり障害者枠と一般枠で迷う人も多いはず。そんな方のために障害者枠と一般枠の就活を並行で進める方法を書いてみました。