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【敦賀延伸】北陸新幹線が障害者に与える影響

こんにちは。

2024年3月16日、北陸新幹線が敦賀まで延伸されます。敦賀延伸の是非はありますが、障害者、特に精神障害者にとってはかなり影響が大きいです。具体的には以下の2つが挙げられます。

  • 羽田ー小松空港便に対する競合の激化
  • 在来線の3セク化と精神障害者割引導入

今回は、精神障害者を活用してオトクに移動したい精神障害者(特に福井まで/福井からの移動需要)にとって、北陸新幹線敦賀延伸が及ぼす影響を解説します。

東京ー福井間

現在(敦賀延伸前)は東京ー福井間の移動といえば、米原経由の南周りルートがメインです。ただ、一応空路でのアクセスも想定されており、飛行機の羽田ー小松便(1日10往復)の一部は福井駅に直行するバスに接続しています。

北陸新幹線は敦賀まで延伸されると、東京駅ー福井駅間は乗り換え不要で移動できます。新幹線に乗客が流れると、精神障害者割引が使える羽田ー小松空港便にも影響がありそうです。

そこで今回は精神障害者割引の適用を前提に、この区間の交通手段を比較します。JAL/ANAは精神障害者も障害者割引対象なので、障害者割引適用後の運賃(と空港まで/からの交通費も反映)。なお、直前(基本的には利用日の3日前以降に買えるもの)に予約できる運賃(通常期)に絞りました。

運賃はJALが最安ですが、乗換が最低2回は必要で所要時間も新幹線より遅い…実用性としては微妙です。

しかも新幹線には14日前までに購入すれば東京ー福井間10920円(変更可能)な料金も設定されます(座席数制限あり)。

4月のダイヤでも、JAL6往復・ANA4往復の羽田ー小松便計10往復体制が維持されています。ただ、障害者割引適用後ですら新幹線より安くもない・遅い・乗換2回では実用性がありません。

羽田空港での乗継需要もあって羽田ー小松便は残るでしょうが、ANA/JALで東京ー小松間10往復は過剰です。ANA/JALのどちらかは羽田ー小松便から撤退するかもしれません。

ただ、現行のJAL/ANAの精神障害者割引も新幹線に対してそれほど安いわけでもないので、単純な東京ー福井間の移動を考えるとほぼ影響なしと言えそうです。

大阪ー福井間

大阪と福井を結ぶ交通手段として、現在は特急サンダーバードが圧倒的なシェアを握っています。乗換不要・1時間50分程度の移動時間・自由席なら5610円で移動可能*1です。

ただ、各メディアが伝えているように、敦賀延伸後に関西ー北陸アクセスは大きく改悪されることになります。特急・あるいは新幹線を使う場合と在来線普通電車のみで移動する場合に分けて考えましょう。

特急・あるいは新幹線を使う場合

大阪方面からは敦賀での乗換が必須となり、現行のサンダーバードを利用する場合に比べて確実に値上げされます。特に新幹線を使う場合の値上げ幅が大きく、3分の時短に1680円の値上げ!!明らかにぼったくりです。

早割もあります。変更不可ですが、14日前なら5740円・7日前までなら6100円です。

旅行ではなく帰省や出張で大阪ー福井間を使うなら、敦賀まではサンダーバード、敦賀・福井間はハピライン福井を使う方が賢明だと思います。精神障害者割引を加味すれば、35分所要時間は増大しますが、料金は340円の増加に抑えられます。

普通電車のみを利用する場合

敦賀延伸前の現時点で、大阪方面からは新快速が1本/時間運行されています。敦賀駅で乗り換えが必須ですが、大阪→福井への乗り換え時間は概ね20分程度です。運賃は3410円、ほとんどの区間でフカフカな座席に座れることを考えれば、快適な旅といえます。

新幹線の敦賀延伸後は、敦賀駅での乗り換えがJRではなくハピライン福井への乗換となります。精神障害者の場合は運賃が500円以上安くなりますが、敦賀駅での接続は取られていません。日中時間帯はほぼ1時間敦賀で待たされることになります。

合計の運賃が500円値下がりする代わりに所要時間が約1時間伸びることになります。普通電車だけで移動するのはかなり不便になります。

北陸内の第3セクターでの移動

北陸新幹線の敦賀延伸に合わせ、現在のJR北陸本線は第3セクター化されます。金沢ー大聖寺間はIRいしかわ鉄道、大聖寺ー敦賀間はハピライン福井によって運営されます。両社とも現行運賃よりも約15%値上げされますが新たに精神障害者割引が導入。しかも距離制限なしの一律半額です。

ざっくり運賃が現行の4割引は衝撃的です。ここでも比較すると…

福井ー金沢間

敦賀延伸まではJR普通車・在来線特急「サンダーバード・しらさぎ」*2両方が利用可能。特急の本数が合計42本と日本屈指の在来線特急街道として知られていました。

新幹線の敦賀延伸後は在来線は第3セクターの普通電車のみに。新幹線は大幅に高速化するものの、高額化&本数減と利便性低下の印象が拭えません。

障害者にとっては営業キロに関係なく一律半額(JR時代より4割値下げ)となることから、ハピライン福井の方が利便性は高いです。基本的には改善と言えるでしょう。

福井ー敦賀間

ハピライン福井が追加料金不要の快速を9本新設し、普通電車も10分程度の時間短縮を実現しました。障害者目線で考えれば運賃も4割値下げされており、明らかな改善です。

ここには詳しく書きませんが、障害者用回数券も発売されます。障害者向け施設の利用者間で使いまわせるので、おトク度はかなり高いです。

まとめ

北陸新幹線が敦賀まで延伸されることによる、精神障害者への影響を東京ー福井、対関西の移動、北陸内の第三セクターの3つについて検証しました。

東京ー福井間の移動には影響がほぼない一方、関西方面は精神障害者にとっても改悪。

一方で北陸内での移動はかなり安く・速くできるようになりました。

*1:座席を選ばなければ自由席でも座れる可能性が高いですし

*2:実際にはダイナスターやおはよう/おやすみエクスプレスもある