こんにちは。
以前この記事の中で、発達障害の人が選ぶべき街の特徴として、福祉の優れた自治体を挙げました。
ではどんな自治体を選ぶべきなのでしょうか?今回は比較的財政的に豊かで、福祉に関する政策を自力で行える政令市*1に絞って分析していきます。
自治体選びの重要性
障害者福祉は、障害年金や自立支援医療の最低限の部分を除き、大部分が自治体の裁量に任されています。そのため隣り合うA市とB市で支援してくれる額や条件に大きな差があります。
だとすれば、発達障害に対する助成の充実した自治体に住むべきです。
医療
精神障害者の医療といえば自立支援医療*2です。自立支援医療に追加助成したり、精神科以外も助成してくれる自治体もあります。それをまとめました。
まず精神科以外の医療費助成です。ほとんどの自治体では1級のみが対象です。しかし相模原市のように2級でも助成対象になる自治体もあります。精神障害に由来する疾患はもちろん、アレルギーなどがある人にとっては移住の意義が大きいです。
一方で自立支援医療は広島市など一部の自治体は市独自の助成をしています。また入院が対象にならない自立支援医療の穴を補うべく、多くの自治体で入院時の支援金が払われています。
精神科の場合入退院を繰り返すこともあるため、入院経験のある場合はこういう入院時の医療費助成がある街を選ぶのも良いでしょう*3。
交通費助成
精神障害者になると、薬の副作用で運転ができなくなる人もいます。
そこで頼りになるのが交通費助成。政令市であれば市内公共交通が昼間でも15分一本くらいはあるもの。
1回あたりの助成額は小さいですが、毎日受け続ければ年あたり10万円近い節約も可能です。
精神障害者の場合JRの割引はありません。ただし、自治体が一部助成してくれるケースもあります
割引の手法は色々あり、
- 市から福祉乗車パスがもらえる(ex.名古屋市)
- 事業者が割引してくれる(ex.広島市)
- 現金での交通費助成(ex.静岡市)
- ガソリン代支給(ex.札幌市)
- タクシー代支給(ex.横浜市)
上記の中から1つ、または複数の中から選べます。
ここでは複雑な自治体ごとの助成の制度について、その市に住む市民に割引が適用されるかを調べました。対象の交通機関は地下鉄と主要な軌道系交通*4、バスです。○は割引あり、△はあるにはあるけど不十分と評価したものです。詳細は自治体サイトをご覧下さい。
助成額は自治体によりますが、福祉乗車券のある横浜や名古屋、福岡市などは公共交通的にオススメできます。逆に県庁所在地ではない政令市の交通費助成はイマイチという感じです。
住居
家がないと生活は始まりません。しかし、日本特有の事情から精神障害を持った状態では収入が少なく家が借りにくい…と言う人も
そこで大事なのが公営住宅への入居。決して優良な住宅とは言えませんが、同価格の民間賃貸物件に比べて1.5倍ほど設備が優れている印象があります
自治体により選考や抽選で入居が決まりますが、市営住宅の主な特徴は以下の通りです。
- 家賃は収入に応じて決まる
- 単身入居は障害者など特別な理由が必要*5
- 原則申し込み時点で市民であることが必要
- 草むしりなど自治会活動への参加が必須
以下に政令市の市営住宅の入居に関する条件をまとめました*6。ほとんどの自治体は入居者決めに抽選を使いますが、障害者であれば抽選くじの数が増えたり抽選とは別枠で応募できたりします。
抽選なので必ず入居できるわけではありません 。
所得制限のゆるい新潟市や大阪市、堺市は市営住宅に入りやすいのかもしれません。
ほとんどの自治体ではその市に住んでいなくても通勤していれば応募できます。ひとまず家賃の安い街に引っ越してから応募するとよいでしょう。
まとめ-欲しい福祉で住む街を選べ-
ここでは、医療・交通・住居の3要素に絞って精神障害者への支援を紹介しました。自治体ごとの格差の大きさが良くわかったと思います。最後に障害者の属性ごとにオススメの自治体を紹介して終わりにします。
- 絶対に車を運転したくない…横浜市
- 会社員で高い薬を飲む…広島市
- とにかく安く家を借りたい…新潟市
働きたい、住みたいまち決めの一助になれば幸いです。
あ、福祉制度は急に変わることもあるので詳しくは自治体公式サイトを調べてくださいね!