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相性はいい?発達障害と在宅勤務

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こんにちは。

 

2020年に働き方改革のワードで最も話題になったであろう「在宅勤務*1」。私の職場でも導入ました。

発達障害(ASD・ADHD)の当事者として在宅勤務をしていますが、その中で在宅勤務に「向いてそうだなあ!」と感じる部分と「向いてないな」と思う部分が見つかりました。

今回は、発達障害の特性にテレワークの相性はいいのか?を書いていきます。

 

メリット

「自分のやり方にこだわる」ASDの人にとっては総じてメリットが大きいでしょう。詳しく書いていきます。

 

服装の制限がない

ほとんどの会社には服装の規定があります。制服だったりスーツだったりオフィスカジュアルだったり…。

昔に比べて服装の制限が緩くなりましたが、それでも「自分が着たい服を着る」というわけにはいきません。

 

そんな中在宅勤務だと、ZoomやMicrosoft Teamsなどの会議サービスを使うのですが基本的に顔しか映りません。また、プライバシーの観点から「顔出しは嫌だ」という人が増えたこともあり「顔出しなしで声だけ」というケースも多くあります。

「どうせ服装見ないんだし」ということで服装の制限が完全になくなりました。

服装が自由になったおかげで、発達障害の人に多い感覚過敏の問題も気にしなくてよくなりますし、より安価な服で仕事ができるようになるため、身だしなみにかかるコストも大きく低下しました。

暗黙知を前提にしなくてよい

特に「顔出しなし」での会議の場合、相手の表情を見て何を考えているか探るという必要性がなくなります。これは私のようにコミュニケーションに支障がある人にはとてもありがたいです。

資料を見る側の立場からすると、テレワーク開始前に比べて提示される資料の質が圧倒的に上がったように見えます。資料に書かれていることに集中すればいいのは本当に楽です。

 

「抜き打ち会議」がほぼ0になり、予定の急な変更は減った

仕事をしていると、上司や同僚から「ちょっといい?」と急に声をかけられることも。せっかく集中していたのに手を止めないといけないのは辛いです。

しかし、テレワークが始まって同僚・上司が目の前にいなくなった以上、アポイントメントを取らないと話ができなくなりました。

そのため、会議の始まる時間がちゃんと明記されるようになりました。決まった時間までは作業ができるので、時間を区切って作業するのは容易です。

また、個人のパソコンに直接テレビ会議用の電話がかかってくるため、電話番をしなくて良いのは電話が苦手な人にとっては大きなメリットです*2

 

デメリット

在宅勤務にはメリットだけではなく、デメリットもあります。特に視覚優位で資料を読むのが得意な人にとってはデメリットの方が大きいかも。

環境を自分で整えないといけない

出社して働く場合、最低限の環境は会社が整えてくれることがほとんど。冷暖房はそこそこいい感じに設定されているし、パソコンも大画面のものが使える、さらにはお掃除をしてくれる業者さんまで...という企業も多いのではないでしょうか。

ASDでこだわり傾向の強い人は、「理想のデスク」を自分で作れるので良いのでしょうが、ADHDで衝動性の強い人の場合は「部屋にある仕事に関係ないものが原因で気が散る」という人も多いはず。

私のように1人暮らしで部屋が狭いと、「1つしかない机の上に仕事用の道具とプライベートなガジェットが置いてある」ということで、仕事がはかどらない…ということもありました。

会議が増える・予定された時間に終わらない

在宅勤務(テレワーク)では、会議室に行くということが不要になります。そして、ちょっと話をするのが難しくなることもあり「定例報告という題目でとりあえず会議を入れる」こともあります。

また、場所移動が不要になったことで会議がだらだら続くことが増えました。*3

その結果、在宅開始前に比べて勤務時間が20%位延びました。

音声でのコミュニケーションが増え、視覚優位な私にはツラい

在宅勤務前は、比較的顔を合わせて仕事をすることが多く、その場で資料を手書きしながら説明をしたり、上司からもその資料にコメントを貰えたりと、視覚優位でもあまり困りませんでした。


しかし、在宅勤務開始後は音声でのコミュニケーションが増えました。視覚優位な私にとっては、他人の話を聞いているだけでもつかれます。そして何より綺麗な資料を作らないといけなくなったので、その分働く時間も増えました。

 

まとめ

ここまで、在宅勤務のメリット・デメリットを説明してきました。これらのことから在宅勤務に向く人/向かない人は概ね次のようになると思います。

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自分の特性によって合う・合わない分かれますが、どちらかと言えばASDの人には在宅勤務は向いている気がしますが、自分の特性を踏まえて考えるのが大事ですね。

面接の際にどの程度在宅勤務が可能かは聞くことができるので、ぜひ確認してみてくださいね。

*1:テレワークとかリモートワークとか呼び方はいろいろあります

*2:私がお客様とは接しない部署にいるからというのもありますが

*3:これには私が実力不足なのも大いに関係していますが...