こんにちは。
私は大学で心理学を学び、今は企業で心理学を活かした研究開発をしています。
そんなわけで高校生の方から、「心理学部を考えているんですが実際のところどうなの?」と聞かれることがあります。
「心理学部ってどうなの?」という問いに直接答えるのは難しいですが、ここでは大学受験、心理学部での生活、卒業後の就職の3つの観点から、これを読めば心理学部での生活がわかる記事を集めてみました。
大学受験
一般入試(特に国公立)の受験科目や入試のレベルは、ほかの文系学部とあまり違いはありません。*1
英語や国語、数学をきちんと勉強するという通常の入試対策を行えば心理学部に入学することは十分に可能です。
上智大学のように、一般入試でも面接を課している大学も一部あります。
ただし、推薦・AO入試を見てみると他学部とは少し違った対策が求められています。
こちらの記事では心理学部のAO・推薦入試を受ける前に読んでおくといい本を紹介しました。きっと小論文や面接の役に立つはず。
こちらの記事では、心理学部に入る前に必要な知識や心構えを書きました。私が受けた大学の面接で聞かれたことを踏まえて書いています。
入学後の学生生活
入学前には知らなかった人も多いのですが、入学後には統計学、特に心理統計学のスキルが求められます。この記事では、統計学の基礎知識を学んで、とりあえず大学の授業についていけるようにするために読んで欲しい本を紹介しました。
また、心理学の場合ほぼすべての大学で卒業論文が必須です。そのため必然的に研究室(あるいはゼミ)に入ることになります。そして卒論を書くだけではなく、大学生活後半の2年間(大学院に進学する場合は4年以上)の時間を過ごす場所なのでとても大事です。
大学を卒業した今だから書ける、入学前の段階で知っておけばよかったな...ということを書いてみました。入試合格後でもいいので読んでもらえれば幸いです。
卒業後の仕事について
AO・推薦入試を受けるのであれば「卒業後の希望進路」は確実に聞かれます。私が受けた大学の面接でも、かなり重点的に聞かれました。
そもそも心理学部生の就活は、「心理学とは無関係に就職をする」パターンと「心理職として心理学を生かす」パターンに分けることができます。そして学部卒で就職する場合、ほとんどが心理学とは無関係な就職です。大学院に進んでも心理学とは関係ない仕事に就くことも珍しくありません。
大学の専門とは関係なく普通に就活する!ならばそれを前提とした学生生活を送る必要があります。例えば営業などの文系就職であれば、法学部などと同様に就活前倒しを前提として実績を積んでいかざるを得ないでしょう。
問題は心理学を生かして就職したい!という場合です。実際に就活をした立場から、そして心理学を活かして仕事をしている立場だから言えますが、想像以上に心理学の専門性で就職することは難しいです。
ここでは、心理学の専門性を活かして就職する2つのパターンを簡単に説明します。詳しいことはリンク先を読んでみてくださいね。
カウンセラー・公認心理師・臨床心理士
いわゆる臨床心理学を主に学び、そのスキルを活かして就職するパターンです。*2正直なところ「比較的安全」なキャリア選択です。心理職=カウンセラーだと思っている人も多いくらいこのパターンは多くいます。すでに就職している方も多いのでtwitterあたりで質問してもアドバイスがもらえると思います。
その中でも目指す人の多い公務員心理職について、どんな就職先があるかをこの記事で紹介しています。
研究開発職(技術職を含む)
主に実験心理学を始めとする基礎心理学の人が志望するパターン。もちろん臨床系の人もいます。大学教員がメジャーな進路ですが、東大卒でも最後まで生き残れるのはほんの一握り。
その代わりの進路が企業・国立研究開発法人での研究開発職・技術職を目指すパターンです。私自身のこのパターンで仕事をしています。
大学教員同様に狭き門であることは事実ですが、学会(心理学を研究している人がたくさん集まるイベント)でも取り上げられるなど、以前よりも知名度が上がってきました。働く人も増えつつあります。
実際に就活をして&学会でいろいろな方の話を聞いて初めてわかった「心理学を生かして企業で働くために必要なこと」について書いてみました。働いて初めてわかることも多くあります。
まとめ
国家資格である公認心理師が設定されてから心理学を取り巻く環境は大きく変わりました。そしてその変化について「心理学部に入る前の高校生にも知っておいて欲しい」ことが多くあります。
私は学部卒→企業の心理職なので修士以降のことは伝聞でしかありませんが、厳しい中にもチャンスが生まれつつあるのも事実です。
この記事が、自分で心理学部での勉強や卒業後の仕事について調べるきっかけになれば幸いです。
追加してほしい内容がある方はコメントでもご自由にどうぞ!できる限り回答したいと思います。