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【繁忙期に安い】飛行機の障害者割引を徹底解説!

こんにちは。

まもなく年末年始。帰省や旅行の計画を立てている方も多いでしょう。

帰省や旅行の交通手段の定番といえば新幹線ですが、特に繁忙期は大幅な値上げが進んでいます。主な改悪を挙げると…

  • 最繁忙期料金の導入
  • 「のぞみ」全車指定席化
  • 乗継割引の全廃*1

年末年始などの繁忙期におトクに移動できる切符といえばもはや青春18きっぷくらいです。

そこで障害者手帳ユーザにオススメしたいのが、飛行機の障害者割引。閑散期の早割運賃よりは高いですが、繁忙期になると一気にコスパの良い選択肢になるので、詳しく解説します。

注意
本記事における運賃は、特に記載がなければ障害者割引適用後の運賃です。また、飛行機における障害者割引運賃は国内便限定の制度です。

各社の特徴

会社ごとに例外はありますが、新幹線と比較したおおまかな特徴は以下の通り。

まず、重度障害者でなければ介護者に障害者割引を適用できない新幹線に対し、飛行機の障害者割引は手帳を持っていれば等級・種類不問。「介護者」の条件も緩く、同伴者1名なら誰でも「介護者」になれます。これは新幹線と比べて圧倒的なメリットです。

デメリットは飛行機だと区間変更が原則できないことでしょうか。ただし、「羽田・成田」「伊丹・関空・神戸」など一定の空港グループを同じ空港とみなす「マルチエアポート」という制度があり、 変更可能な航空券であれば搭乗(降機)する空港を自由に変更できます。

区間変更できる/できない具体例はこちらです。

JAL

以前このブログでも紹介しましたが、日本の航空会社で唯一、障害者割引と早割・タイムセールの併用ができます。タイムセールと障害者割引をうまく組み合わせれば、日曜日の女満別→羽田便5500円(介護者も同額!)といった激安運賃も実現可能です。また、障害者割引運賃を1クリックで探せるUIの良さも魅力です。

www.psycheng.com

注意
ただし、障害者運賃の割引率は20%なので、繁忙期など元々値段が高い時期は割高な傾向です。

ANA

障害者割引は導入していますが早割との組み合わせは不可。その代わり正規運賃の約4割引なので、直前予約だったり変更の可能性が高い時にはオススメ。

また、障害者割引後の運賃が年中完全均一運賃なのも大きなメリット。そもそもANAの障害者割引は変更が自由にできます。しかも多数の便(マルチエアポートもある)がある為、当日でもどこかしらには変更できることが多いです。

変更を前提にとりあえず航空券を抑えたい!ならANAはかなりオススメ。

スカイマーク

羽田空港が使えるのに安い!のが魅力。一般的なLCCとは異なり、

  • 預け荷物無料
  • 羽田・神戸空港が使える

と利便性も高いです。計画を立てるのが苦手なADHDの方でも安心して乗れます。

障害者割引後の運賃は年中完全均一で、変更も制度上は自由に(当日でも)できます。

ただしJAL/ANAよりも便数が少なくマルチエアポート制度もありません。そのため変更先の選択肢が少なく、繁忙期に当日の変更は難しいです。当日でも出発時刻までの払戻手数料は500円なので、狙った便に変更できないならさっさとキャンセルして他社便(主にANA)を探しましょう。

LCC

障害者割引はありません。「安さこそ正義」の発想で繁忙期以外は圧倒的に安い(成田ー関空便で3000円とかもあります)が、繁忙期はガッツリ値上げしてきます。さらに以下のようなデメリットも。

  • 意味不明な決済手数料
  • 7kgと厳格な手荷物制限
  • 預け荷物は有料*2
  • 羽田空港便なし
  • 変更は原則不可
手荷物制限に車椅子はカウントされません。また、各種補助犬も持ち込み可能です。

障害者割引を前提にすると、結局JAL/ANA/スカイマークの方が安い!となりがちです。具体例としてLCCの1つPeachで2023/12/30に成田から関空に向かう便で探すと、最安でも13000円近くになります。これに成田空港への交通費を考えると、かなり微妙…。

ちなみに、東京→成田空港間の直通高速バスは障害者割引適用(精神障害者もOK)で650円で移動できます。このバスに乗ったことはありますが、なかなか実用的ですので、興味があればこちらの乗車体験記もご覧ください。

www.psycheng.com

その他(エアドゥなど)

いわゆるLCCではない航空会社たち。社名を挙げるとエアドゥ、スターフライヤー、ソラシドエア、フジドリームエアライン、アイベックスなどです。

各社障害者割引を設定しています。障害者割引であれば変更も自由ですし、運賃も概ね年中均一。新幹線と競合しない路線の設定が多く、繁忙期はコスパの良い選択肢です。

注意
アイベックスは障害者割引のネット予約ができません。また、スターフライヤーは繁忙期に2000円程度の運賃割増が行われます。

繁忙期の具体例で比較

概要を把握したところで、繁忙期における飛行機のコスパを、年末年始の帰省ラッシュを例に確認します。

ここでは2023/12/30(土)の羽田→関西(伊丹・関空・神戸のどれか)に障害者割引で予約できる運賃を2023/11/18に調べました。参考までに東京ー新大阪間を新幹線「のぞみ」で移動した場合の料金(運賃と特急料金の合計)最安値も示しています。*3

新幹線「のぞみ」の料金は入会費・年会費無料のネット予約サービス「スマートEX」での予約が前提。

通常の切符より200円引きなのに変更回数無制限と一見おトクですが、東京までと新大阪駅からの運賃が別途かかるデメリットもあります。

なんとスカイマークに至っては新幹線よりも安く、ANAでも新幹線といい勝負です。ちなみに飛行機と条件を揃えるために東京→新神戸とすると15690円となりさらに飛行機優位になります。

一方で早割ありきのJALは割高です。一応JALには28日前までの予約が必要な早割障害者運賃(こちらは11710円)があるのですが、2023/11/18時点で既に完売していました。

まとめ

今回は「繁忙期こそおトクな飛行機の障害者割引」をご説明しました。今回の議論をまとめると、

  • 閑散期の激安…JALかLCC
  • 変更自由を重視…ANA
  • 繁忙期の最安…スカイマーク
このようになります。

障害者手帳の取得にはそれなりのコストがかかりますが、飛行機での障害者割引は手帳の効果が大きいのも事実。手帳を取得したのであれば、割高な新幹線ではなく飛行機で帰省・旅行してみてはいかがでしょうか。

*1:乗継割引が使える駅は既にかなり減っていますが、全廃は2024年の3月からです

*2:無料のプランもありますが、その分運賃が値上げされています。

*3:先述の通り最繁忙期である12/30はのぞみ全席指定席なので、指定席最繁忙期料金を前提に計算しています。