こんにちは、前回の記事でiPadはPCとして使えるのか?について解説しました。
就活のWEBテスト受験や心理学実験参加といった、ちょっとした理由でWindows PCを時々使いたくなることがあります。でもそのためだけにiPadとWindows PCを持ち歩くのは面倒です。
そこで活用したいのがVPSサービス(Virtual Private Server)。事前に設定しておくことで、必要な時にiPadからWindowsを手軽に利用することができます。
この記事では、自分でWindows PCを所有してリモートデスクトップ接続をする場合との比較や、オススメVPSであるLightNodeの特長を解説します。
VPSの仕組み
VPS(仮想プライベートサーバー)は、業者が用意した物理サーバーを仮想化し、これを分割して提供するサービスです。各ユーザーはリモートデスクトップ接続により自分専用に最適化した環境を利用できます。
不動産で例えると、区分所有のマンションを買うのと同じです。
ここでリモートデスクトップ接続する際、自己所有のPC(Windows)を使う場合とVPSを使う場合の比較をしてみましょう
比較項目 | 自己所有Win PCに接続 | VPSサービス |
---|---|---|
場所を取るか | 取る(要物理PC) | 不要(物理PC不要) |
コスト | 高い(Pro OS対応PCの購入費用) | 初期費用0円、時間単位での課金で低コスト |
性能の変更しやすさ | 低い(PC購入後の変更不可) | 高い(OSやCPUは使用の都度選択) |
アプリの自由度 | 完全に自由 | 一部制限あり |
上記のように、一時的に(1ヶ月とか)使うならばVPSサービスが有利です。就活でWebテストを多く受ける時期だけVPSを契約するのもいいですね。
オススメのVPS
VPSがPCの短期利用に向いているとして、どのVPSがiPadで使うのに向いているのでしょうか。Windows対応のVPSだけで調べても、例えば以下の選択肢があります。
- さくらのVPS for Windows Server
- ConoHa for Windows Server
日本語サポートが充実しているのは魅力ですが、リモートデスクトップに必要なライセンス(RDS SAL)が別料金で毎月1000円以上かかるのが困るところ。
そこでオススメしたいのが今回紹介するLightNodeです。
LightNodeのオススメポイント
LightNodeは、VPSサービスの中でも特に短時間利用に特化したサービスです。以下の理由でオススメです。
短時間・短期間利用に強い
LightNodeは初期費用がかかりません。また1時間いくらの完全時間課金(月額の上限価格もありで安心)です。例えばWEBテストのために1時間だけWindowsを使う場合でもその価格だけで済みます。
RDS SALが料金に含まれている
通常、Windows向けVPSでリモートデスクトップ接続するためには別途ライセンス費用がかかります(RDS SAL)。LightNodeではそのリモートデスクトップ接続ライセンスが利用料金に含まれています。
Windows 10対応
通常のVPSで使うWindows Server OSはWindows 10や11とは微妙に異なります。完全互換が保証されたものではありません(まあ大体のソフトは動きますが)。
ですがLight NodeのVPSサービスでは、2025年2月現在でWindows 10 OSを選択できます。このため、各種アプリの動作保証がなされた環境で利用可能です。
iPadからLightNodeを使う方法
画像付きで解説していきます。
会員登録して入金
LiightNodeのサイトに移動し、会員登録します。Googleアカウントでの登録が楽なのでオススメ。住所を聞かれますが、適当な住所でも問題なく登録できます。
続いて画面右上にある$マークをクリックし、アカウントに残高をチャージします。
たくさんチャージしても割引はないので、最低限の金額(10ドル)でOK。チャージ額以上にお金を請求されることはありません。
インスタンスをデプロイ
VPSサービスを使うためには「インスタンス」を買ってデプロイします。インスタンスとは仮想サーバーのことで、OS・CPU・メモリ・ストレージ容量がひとまとまりになっているものです。
画面上の「製品」をクリックし、「インスタンスを作成」を選択し。するとこのような画面が出てきます。ここでインスタンスを選択し、送信をクリックして購入します。特に理由がなければ以下のインスタンスを選択してください。
- 場所…東京
- システム…Windows Sever 2022(EN)
- インスタンス…4vCPU 8GB
WEBテストやネットサーフィン目的でVPSを使う場合、普通にPCを使う際の最低限のスペックは満たすようなスペック構成にしましょう。特にインスタンスのメモリ8GBは必須。4GBで動かしたところYoutubeが明らかにカクツキました。
上記の設定のPCの費用ですが、0.04$/1時間なので、クレジットカードの手数料や為替を考慮しても1時間あたり7円で動かせます。ネットカフェよりも圧倒的に安い!!
その他の設定ですが、WEBテストや心理学実験参加目的であれば初期設定のままでOK。一時的にWindowsを使うだけならSSD50GBで問題なく動きます。
なお、セキュリティのこともあるので、パスワードは設定しきちんと覚えておきましょう。あとでリモートデスクトップ接続する際に使います。
iPadからの接続方法
事前にApp StoreからMicrosoft Mobile App(無料)をインストールします。
Microsoft Mobile Appを起動したら、「+」→「PC」と選択してこの画面に進みます。ここでIPアドレスを追加しますが、ここではパブリックIPアドレス(プライベートIPアドレスの上にある)をLightNodeのインスタンスからコピーして入力します。
あとはUIに従って接続するだけです。「資格情報の追加」でadministrator パスワードを追加。先ほど設定したパスワードを聞かれるので設定しましょう。その後Windows PCを使う際のホーム画面が出るので普通に使うだけです。
あとは必要に応じてソフトを一時的にインストールして使えばOK*1
ちなみに、就活で用いる監視型SPIでは「Pearson VUE」というソフトを使いますが必、インスタンス内でシステムテストしたところ問題なく動作しました。
監視型SPIは有線接続推奨かつ下り40Mbpsが通信の推奨要件なので、そもそもテストセンターで受けるべきです。
インスタンスの解放
1番重要なところです。Webテストなどが終わりその日Windowsを使わないとなったら、インスタンスの解放を行いましょう。「停止」では課金され続けます。この画面の中央右の方にあるゴミ箱アイコンを押して指示に従うと解放されます。
解放することでVPSの中で作ったファイル*2や設定、アプリケーションは全て失われますが、以後このインスタンスでは課金されなくなります。

解放すると、VPSの中で作ったファイル*3や設定、アプリケーションは全て失われます。
まとめ
「Windows PCを短時間使いたい」というニーズには、LightNodeのようなVPSサービスが非常に有効です。
iPadからの利用も簡単で、外出先でも快適にWindows OSを使えます。