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「妻に全財産を渡す」を実現するために現役世代も遺言書を書こう!

​「自分が万が一のときは、すべての財産を配偶者に遺したい」 ​そう思っていませんか? 実はこれ、遺言書がないと実現できないという現実をご存じでしょうか。

​例えば、子供がいないご夫婦の場合。

「配偶者が全財産を受け取るのが当たり前」と思われがちですが、法律上のルール(法定相続)では、あなたの親や、あるいは疎遠な兄弟姉妹にも相続権(遺産を分ける権利)が発生してしまうのです。

また、幼い子供がいてひとまず全財産を妻に相続させたい!というのも遺言書がなければできません。特別代理人という第三者を立てるという非常に面倒な手続を伴います。

​遺産分割協議で気まずい話し合いをさせたり、本来渡したいはずのパートナーに全財産がいかなかったりするトラブルは、若い世代でも普通に起こり得ます。

​この「配偶者に全財産を遺したい」というシンプルで当たり前の願いを確実かつ手軽に叶える唯一の方法が、遺言書を書くことです。

​今回は、資産形成を始めた20代〜30代の若年層に向けて、「なぜ今遺言書が必要なのか」と、20代の私が数ある方法の中から費用も手間も最小限で済む「自筆証書遺言書保管制度」を選んだ理由を分かりやすく解説します!

そもそも遺言書って何?

遺言書とは、主に自分の遺産の行き先(相続人)を決める為に生前に本人が書くべき書類のことです。遺言書を書かない場合、死後に残された人が法定相続分を参考に遺産分割協議を行って相続財産が決まります。

遺言書を書くことで、この遺産分割協議をほぼスキップできるのが最大のメリットです。*1

遺言書を書いた理由

若年層が遺言書を書く理由は多様ですが、私は以下の3点がありました。いずれも口頭でのやり取りでは対策できず、遺言書という法的に有効な形式で対策する必要があったのです。

プライバシー保護と円滑な相続の両立

今のところ妻とは仲が良い(と私は思っている)ものの、私の発達障害由来の様々なやらかしの影響で、残念ながら婚姻関係が破綻する可能性があります。

万が一のことを考えて財産はプライバシーとしておきたいものの、ただ伏せておくだけでは「死んだときに財産がわからない!」という別の問題が生じます。これらの問題を解決するためには、遺言書を書いて死亡時に通知されるようにして、そこに財産目録としてきちんと預金や証券口座の場所を明示する必要があったのです。

生命保険代わり

私は発達障害なので保険に入りにくい立場です。そのため、保険には入らず資産のほぼ全てを上場株式・投資信託で保有しています。生命保険と異なりこれらは遺産分割協議対象となるため、全額を確実に妻に渡すためには遺言書が必須でした。

相続税対策

私の純資産をなんだかんだで計算すると1500万円前後です。ここまで増やすのに掛かった年数を考えると、最速でアラフォー前後で相続税課税対象*2になります。そのため、早期に相続税対策を考える必要がありました。

遺言書の種類

相続対策として遺言書は有効ですが、厳格な形式要件を満たさないと、そもそも遺言書は無効だ!ということになりかねません。

確実に有効な遺言書を作る方法として、公証人役場で作成する公正証書遺言と、自分で遺言書を作成した上で形式的妥当性のみを法務局に担保してもらう自筆遺言証書保管制度があります。

ここでは公正証書遺言と自筆遺言証書保管制度について、現役世代向けに比較しました。

私は、費用が安い&死亡時に通知制度がある&財産額を特定しなくて良い、といったメリットが現役世代にピッタリと考え、自筆遺言証書保管制度を選択しました。

作って法務局保管した感想ですが、そもそも遺産に対する争いが少ない現役世代、特に単純に配偶者に全財産を相続させたい場合は手間をかけて公正証書遺言にする意義がないように感じました。それより、自筆遺言証書保管制度を定期的(人生の節目や10年に一度程度)に利用したほうが遥かに有意義です。

作成して感じたこと

現役世代はどう書くべき?

ここについては絶対的な答えはありません。ただし、個人的には「強い理由がないなら配偶者に全て相続させるべき」と思います。幼い子供がいる場合はなおさらです。理由はシンプルで、

  • 相続税の配偶者控除枠(1.6億)がデカい
  • 2次相続の税金対策は時間的猶予も手段も多い*3ためです。
  • 財産管理や金融教育の観点から子に財産を持たせすぎるリスクがある

これら現役世代特有の問題を考えると、ひとまず配偶者に全財産を寄せて、その後時間をかけて子への相続を考えたほうが家族としてのQOLが上がるように感じました。

相続税・争族対策は両立しない

世間では、「相続税対策として不動産を買おう!賃貸オーナーになろう!」と言った広告が多数見られます。これは、相続税計算時の評価額を圧縮できるという点で合理的です。しかし、相続税対策で遺産を不動産ばかりにすると、財産分割がやりにくい、そもそも相続税を払えないと言った争族の原因となる要素が多数出てきます。

逆に資産の大部分を上場株式や投資信託で保有すると、財産価値の計算と売却が容易ですので争族対策には有利です。しかし、これらは評価額圧縮ができずほぼ額面のまま課税されます。このように、相続税対策と争族対策は矛盾するわけです。

個人的には、争族になるリスクを背負ってまで無理な不動産経営をして評価額圧縮を目指すよりは、適切な納税をして争族を回避したほうが結局は家族全体の手残りは増えるように感じます。

要予約なので早めの行動が鍵

法務局のサイトには、「登記は予約必須」とあるところが多いです。私は「遺言書保管は登記じゃないから飛び込みでOK!」と思い飛び込みで行きました。が、「原則予約必須なので後日に」 と言われてしまい、かつ狙った日の予約も予約枠の都合上できなかったので、早期予約必須です。

なお、遺言書保管は遺言書作成時間を除き約1時間ほど掛かります。

本記事が20代から30代の資産形成世代にとって、遺言書を書かねば!というマインドセットのきっかけになれば幸いです。

*1:実際には遺留分の扱いなどの問題が生じますが、ここでは簡略化のため触れません。

*2:基礎控除3000万円+法定相続人の範囲を逸脱

*3:生活費の親負担など