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【文系向け】独学での基本情報技術者試験対策

こんにちは。

先日、基本情報技術者試験に合格しました。

ネット上の合格体験記がかなり参考になったので、私も書きます。

私のスペック

合格体験記の前提となるので、主なスペックも書きます

  • 早慶クラスの心理学部卒
  • 当時の受験科目は文系数学+公民
  • 心理系研究職からデータサイエンティストに最近転職
  • ITパスポート未取得
コンピュータに関する専門知識は0ですが、下積み知識0ではありません。完全初学者であれば、ITパスポートから入った方が良いかも。

受験のきっかけは、転職直後に初めてLinuxに触った際に、SSH(Secure Shell)の意味がわからなかったこと。これはヤバいと思い大急ぎで学習を取得を決めました。

試験の概要

基本情報技術者試験(以下、FEと書きます)にはITに関する基礎知識を問う科目A、プログラミングとセキュリティの実践的な技能を問う科目Bがあります。

科目A(旧:午前試験)

  • 試験時間:90分
  • 出題形式:四肢択一
  • 問題数:60問(全問必答)
  • 出題分野
    • テクノロジ系(約41問):基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、セキュリティ、開発技術など
    • マネジメント系(約7問):プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査など
    • ストラテジ系(約12問):システム戦略、経営戦略、企業と法務など
  • 合格基準:1000点満点中600点以上(IRT方式で採点)

  • 概要:幅広いITの基礎知識が問われる試験です。テクノロジ系が大部分を占めており、コンピュータの仕組みからネットワーク、データベース、セキュリティ、システム開発など、多くの分野から出題。マネジメント系やストラテジ系では、ITを取り巻く管理や経営に関する知識も問われます。
  • 科目B(旧:午後試験)

    • 試験時間:100分<
    • 出題形式:多肢選択式(長文読解形式)
    • 問題数:20問(全問必答)
    • 出題分野:
      • セキュリティ(4問):情報セキュリティの基礎知識、対策技術など
      • データ構造及びアルゴリズムを含むプログラミング(16問):プログラムの基本要素、データ構造、アルゴリズム、プログラミングの諸分野への適用(数理・データサイエンス・AIなどを題材としたプログラムを含む)
    • 合格基準:** 1000点満点中600点以上(IRT方式で採点)

  • 概要:より実践的な能力が問われる。特に、アルゴリズムとプログラミングが全体の8割を占めており、擬似言語を用いた問題が出題されます。典型的なアルゴリズムに対する知識を前提にそれをプログラムに置き換える思考力が必須。情報セキュリティは長文の事例問題。
  • 科目A/Bともに同日受験し、同時に科目A/Bに合格する必要があります。

    対策

    よくネットには、2週間で受かる簡単な試験!!と書いてありますが、そこまで簡単な試験ではありません。受験日を直前まで変更できる試験なのに、合格率が5割を割っている事実からも明らかです。

    FEが最終目標の方はまだしも、将来的な応用情報(AP)を目指す場合、2ヶ月くらいは対策期間とした方が良いでしょう。今回は2ヶ月程度勉強することを前提に解説します。

    科目A 過去問を丸暗記せよ

    一夜漬け感が強いですが、過去問はかなり大事。FEはかなり過去問を使い回すことで知られています。そして超重要情報ですが、科目Aでは選択肢の順番も過去問と一致しています。

    合格だけを目標にするのであれば、過去問だけやれば科目AだけやればOK。その方法ですが、過去問はこちらの過去問道場(なんと無料!解説つき)をやりこむだけ。私も、通勤時間に毎日15分程度過去問道場をやっていました。

    会員登録をすれば、間違えた問題の記録、正答率の管理などができます。会員登録必須です。

    www.fe-siken.com

    過去問道場には模試機能がありますが、安定して正答率75%以上を取れるようになったら科目Aの対策は完了で良いでしょう。

    注意
    過去問道場は出題範囲をざっと確認するには適していません。辞書として使う参考書が一冊あった方が良いですね。私はこの本を使っていました。

    セキュリティを重視

    他の体験記にはあまり書かれていませんが、セキュリティを徹底的に仕上げることが合格への近道です。理由は3つあります。

    • 科目Aの1割を占める
    • 科目Bの貴重な特典源
    • 計算問題がほぼない

    まず、科目A/Bともに出題され配点も高いです。そして、アルゴリズムとプログラミングが苦手な人にとって、科目Bで確保できる貴重な得点源になります。

    基本情報の参考書を見ても、重要性の割にセキュリティに割かれているページが少ないので、一冊は専門書を読むことをおすすめします。

    私が読んだ「情報セキュリティの教科書」は、初心者向け(IP/TCPなどの最低限の知識は前提ですが)にマンガ込みで解説、しかも具体的な攻撃方法をコードや画像使って詳しく説明している良書です。

    科目B「有名アルゴリズム」を深く理解し、実際に書いてみる!

    科目Bで多くの文系出身者が苦手意識を持つのがプログラミングです。私は何だかんだで現役データサイエンティストなので「一夜漬けでいけるっしょ!!」と甘く見ていたのですが、そんなことは全くありません。

    科目Bの予想問題を試験前日に初めて見たのですが、対策しておけばよかったと後悔しました。

    やっておくべき対策は以下の2つです。

    • どのアルゴリズムか予測する
    • アルゴリズムを実装する

    100分の制限時間の中で、純粋なプログラミングの問題として解くには時間が足りません。逆に、どのアルゴリズムがを予測できれば、ほとんどの問題は瞬殺できます。

    そのため、何度か過去問を解いてどのアルゴリズムかを予測する練習をしましょう。

    また、アルゴリズムを実装してみるのもお勧めします。手を動かすことで、アルゴリズムの処理の流れや変数の動きがより具体的にイメージできるようになります。

    最後に

    基本情報技術者試験は、しっかりと対策をすれば、文系出身者でも十分に合格可能です。

    基本情報の勉強をきっかけに、サーバー周りの初歩的な知識も身につき、職場の先輩エンジニアともかなり話をしやすくなったのでかなりおすすめ。合格を掴まれることを願っています。