こんにちは。
以前公務員心理職のデメリットを書きました。
確かに民間企業の心理系技術職からすると、正直理不尽なところも多いです。
ただ、やっぱり公務員は羨ましい…と感じることもあります。そこで今回は、外から見た公務員心理職のメリットを詳しく解説します。
- なり方が完全に確立している
- キャリアパスが読みやすい
- (中期的には)待遇が安定している
- (国家公務員のみ)公認心理師の受験資格が取れる
- 心理に特化した研修を受けられる
- 子持ちに優しい
- まとめ 安定ファーストならあり
なり方が完全に確立している
最大のメリットです。(県や政令市レベルであれば)毎年一定の募集が必ずあり、採用試験の内容が完全に公開されています。何をすれば受かるかが明確です。*1
しかも、問題集や予備校も充実しており、就活のサポートも豊富です。有名大学にいて勉強が得意な学生にはかなりオススメできます。
また、その採用試験もここ数年どんどんハードルが下がっています。例えば地方公務員としては全国トップクラスに待遇がいい大阪市職員では教養試験が廃止され、専門試験だけになりました。
民間企業の心理系技術職、採用枠があるかも受験しないとわかりません。この点は公務員心理職を羨ましいと思います。
キャリアパスが読みやすい
公務員は定数が決まっていることもあり、どの部局に〇歳くらいの心理職を〇人といった形である程度決まっているようです。転職に近いレベルで業務が変わる(児童相談所→児童養護施設とかはよくある)とはいえ、次の見通しが立ちやすいのは大きなメリット。
※児童相談所を市単独で新設するようなケースは例外。
民間企業の心理系技術職の場合、雇用という身分保障はあるものの、社内キャリアパスが読みにくいです。この点公務員を羨ましく思うことも。
ただし、公務員の場合オフィスワークの部署に数年飛ばされるリスクがあります。*2
(中期的には)待遇が安定している
公務員のメリットである、(中期的な)安定を存分に享受できます。多くの企業が新卒採用を中止したコロナ禍でも、4ヶ月以上のボーナスが支給されていることから分かるように、景気変動には圧倒的に強いです。
また、良くも悪くもほぼ完全な年功序列*3ですから、中の上くらいの生活を20代で確定させられます。心理職はどうしてもハイリスクローリターンなので、この安定の価値は相対的に高いです。
もっとも、心理系技術職を比較的積極的にとっている自動車・電機メーカーは
- 赤字でも賞与4ヶ月、良ければ6ヶ月以上
- 年功序列に近く、40歳750万円はほぼ確定
(国家公務員のみ)公認心理師の受験資格が取れる
心理系技術職にせよ、(臨床系の)心理職にせよ将来に向けたリスクヘッジとして、公認心理師資格の有無はかなり重要。一生心理の仕事をしたいなら取得すべきです。
この公認心理師の受験資格ですが、原則として修士卒であることが必須。ただ、家庭裁判所調査官(補)と法務省専門職員のいずれかを2年経験していれば、Bルートとして受験資格を取れます。当然2年間は給与をもらえます。
アカデミック志向のない学生なら、大学院に行く時間・金銭・機会損失なくして公認心理師受験資格を取れるのは大きなメリットです。
家裁・法務省ともに国家公務員なので勤務地は読めませんが、2年間で受験資格を取って公認心理師試験に合格したらサクッと辞める!!と決めて入るなら、これほどオイシイ職場はないと言えます。
心理に特化した研修を受けられる
SCのような非正規の心理職は、原則として研修はプライベートかつ自腹です。民間企業の心理系技術職も業務での研修機会はありますが、心理学に関するものはほぼゼロ。
公務員心理職なら入職後の研修を業務として行えます。内容も(カウンセリングのような臨床系がメインだと思いますが)心理特化です。
そもそも非正規の心理職であれば研修はプライベートかつ自腹です。民間企業の心理系技術職にも研修機会は多くありますが、基本的には心理とは無関係なもの(機械の触り方とかが多いです)です。業務で心理の知見を伸ばせるのは公務員心理職の特権といえます。
子持ちに優しい
すべての自治体がそうとは言えませんが、基本的に出産後の女性の復職率は高いです。また育休や時短勤務も充実しています。また、女性比率が高いので相談できる先輩がいそうなのはメリット。
ただし、子持ちに優しい=子持ちの尻拭いをする人がいることと同義です。結婚・出産しなければ長期的に尻拭いを強いられるる可能性大。自分が子育てをしそうなのか、よく考えるべきです。
まとめ 安定ファーストならあり
残念ながら心理職はそもそもハイリスクローリターンです。また、求人サイトを見てもガッツリ心理ができるお仕事(放デイや障害者福祉とか)で公務員以上の待遇が出る仕事はほぼないです。そう考えると、事務やエンジニアと比較して公務員になる価値はまだまだ高いと言えます。
中の上で安定したい!!なら公務員はおすすめ。ぜひ目指してみてはいかがでしょうか。