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【2024最新】心理学を活かせる民間企業の研究開発職

こんにちは。

本ブログでは大学以外の心理系研究職を紹介する記事を以前出しました。ただ、5年前とは傾向に変化が見られるので最新版の求人企業紹介をさせてください。

2020年時点の情報はこちらをどうぞ。

注意

挙げている企業が新卒で心理系人材を採用しているとは限りません。心理系人材の採用は「ポスドク・中途に限定」という状態になっている企業もあります。

POINT本記事では心理学を活かして就職できる民間企業の研究開発職について、2020年以降に求人の見られた具体的な企業名を挙げながら解説します。

 

メーカー

研究開発職を多く採用すること、学会誌で紹介されるキャリアもこのパターンが多いこともあって、心理系研究職といえばメーカーという考えの方も多いのではないでしょうか。

私自身も心理系学部→メーカー(機械系)で心理系研究職についていますが、まあメジャーではあります。


その中でも、学会誌などでよく見るのは食品や化粧品メーカー、そして機械や電機メーカーです。学会誌や公式サイトで見られる情報でも、業界によって研究テーマや採用される層に差があるため、まずはポイントだけ表にまとめてみました。

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食品・化粧品メーカー

食品・消費財

2024年現在でも、特に女性に人気が高い食品・消費財メーカー。原則として職種別採用なので配属リスクが小さく、資生堂のように心理学の採用を明記している企業もあります。このように学生・求職者目線で応募しやすい一方、(心理に限らず)採用枠が圧倒的に少ないのが欠点。
 

研究テーマは食品メーカーであれば香りに関する研究や味覚に関する研究、化粧品メーカーであれば顔認知に関する研究をよく見ます。日用品であれば感性や知覚に関するテーマをよく見ます。

採用される層は博士での採用がメイン。資生堂、花王、味の素に採用されている人を見たことがあります。また新卒ではありませんが、助教→JTというパターンを見たことがあります。

配属先が確約される職種別採用が多いため、研究テーマとの相性は重視されそう。実際に就職した方によれば「生理測定の経験があるといい」のだとか。

 

新卒相当の採用でも公募ではなく研究室のつながりによる採用がメイン。本気で採用を狙うなら学会でコネを作ったり、研究室選びの段階からの対策が必要だと思います。

 
研究室選びのお話はこちらをどうぞ。

 

機械・電機

現職もこのセクターです。重工・家電・自動車・農機…といったハードウェアの開発を行っています。

 注意

ただし、最近はハードウェアとソフトの融合がトレンドです、こういった業界に就職してもソフトウェアの開発が業務になることもあります。

 

研究開発では主にヒューマンファクターやUIといった領域ですが、生理計測から質問紙まで割と何でもやっています。業務では生理測定や行動実験など色々やっていますし、そもそも心理学出身であれば詳細分野は問われていないのが実態です。

本ブログでは一例として、トヨタの研究所である豊田中央研究所での眼球運動に関する研究を紹介しています。

 

採用数が多く初期配属は入社までわからないのが特徴。

心理学出身で技術系採用されても、研究開発以外の部門に配属される可能性もある一方、学生時代の研究分野や手法はあまり問われません。ハードルも低いので興味があればとりあえず応募してみると良いでしょう。

政府系研究所

公共セクターの研究開発職です。公務員型と非公務員のものがあります。

公務員型のものは身分保障がガッチリあり、同僚にも心理学出身者が多いメリットがあります。ただし公務員試験が必須なのでそれなりに準備が必要です。

警察(各都道府県の科捜研・警察庁管轄の科警研)と防衛省自衛隊の心理系研究職ですが採用があるかはその年にならないとわからないのであまり当てにしないように。

非公務員型の研究所だと、産総研や鉄道総研があげられます。どちらも心理学や人間工学のポストがあり、毎年とは言えませんがそれなりに継続的に採用広報はされています。出身校にも毎年インターンの求人が来ていました...。

そのほかNTT研究所も心理学出身者の採用実績があるようで、実際活躍されている方もいます。民間企業としては論文投稿も多いので、博士を取りたい人は良さそうです。

注意

NTT法改正の影響で、今後は研究成果公開が減る可能性あり。応募する場合はきちんと企業に確認しましょう。

人材

2020年段階ではあまり見ませんでしたが、転職市場ではたまにみるようになりました。イメージとしては「就活のWEBテストを作っている会社」が多いです。社名をあげるとこの辺りです。

  • リクルートマネジメントソリューションズ
  • ミイダス
  • ヒューマネージ

職種別採用で入れば会社のコアビジネスに確定で関われること、東京勤務率が高いのは大きなメリット。ただし、この業界は裁量労働制や極端に多い固定残業代で稼ぐようなハードワークも多いようです。この辺りに耐えられるかはよく考えて応募すべき。

その他


ベンチャー企業の中では次の2社が挙げられるでしょう。まずは心理学を活かした研究とそのコンサルティングを行うイデアラボ社です。2019年度の日本心理学会でされていたお仕事紹介も、リモートOKだったりで魅力を感じました。*1

まとめ

心理学を活かした研究開発職の数は、メーカーでは昔よりよく見るようになりました。しかし、人材系の一部企業を中心に心理系の研究開発職の採用がなくなっている企業もちらほら。

もちろんオフィシャルにはなっていない求人も多々あるはずなので、学生の方は大学の就職課や教授に相談していくと良いでしょう。

この記事は、求人状況に大きな変化があればまた更新していきます。

なお、心理学と企業就職全般の話が聞きたい!という方はこちらの記事をどうぞ。

*1:イデアラボ社を挙げていたなかったことをイデアラボ社の方に突っ込まれてしまったのは秘密です