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【メーカー】体験者が語る!工場実習を乗り切るコツ

こんにちは。

この記事を読む方の中には「発達障害でも理系ならなんとかなる」理論でメーカーに就職する人がいるかもしれません。そんな人にとって最初の関門となるのが工場実習。朝から晩まで工場で働くアレです。

普通の人にもキツイですが、発達障害の人に特にキツイと思われる理由と対策を、実際に実習した当事者目線で説明します。発達障害の人はもちろん、そうでない人にも役立つこと間違いなしの記事です。 工場実習 発達障害 [:contents]

キツイ理由

一口に発達障害と言っても、個々人によって状況は全く違うので、あくまでも私個人の場合です。

休みにくい

そもそも工場はそれ以外の部署に比べて忙しいことが多く、休みにくいです。そして、常時一定の人数を確保するため、1日に休める人数が決まっておりそれを超過すると有休申請が却下されます。*1

それに加えて入社直後の工場実習は次のような問題があります。

  • 試用期間である
  • 有休がない
  • 傷病手当金が使えない

1つずつ説明していきます。

多くの会社で入社直後は試用期間扱いなので、本採用後より多少解雇しやすくなっています。こうなると「問題があっても言いにくい…」となりがち。

さらに、入社後半年経つまでは有休0もありえます。そのため、休むと給料が引かれる、査定に響く…などのリスクがあります。

そして傷病手当金がもらえません。傷病手当金は労災以外で体を壊して休んだ時にお金がもらえる仕組みですが、入社1年たたないと貰えません。

そのため、安全第一!なのに体に異常を感じても報告できないケースも。個人的には、「入社半年以内に工場実習がある」というだけでその会社への就職を避ける理由になると思います。

先が見えずメンタルを病む

工場実習前に実務をしていれば、実習後の仕事がわかるはず。そうすれば「辛いのは今だけ、終われば本来の仕事ができる」と耐えやすくなるはず。

しかし、入社直後に工場実習だと「こんな仕事すると聞いてないのに、一生こんなことするのか」と錯覚する人もいます。それゆえか私の職場でも工場実習中の退職はよく聞きます。

生活リズムが狂う

昼勤だけならまだしも、交代勤務アリだと最悪です。仕事の時間が毎週変化します…精神面だけでなく身体にもかなり来ました。私の場合、実習終盤は眼が虚ろになったり、自炊がほぼできなくなるなどヤバい状態に。

発達障害当事者である私は集中力を維持するためにコンサータを飲んでいたのですが、日勤と夜勤で飲む時間が毎週変わるため本当につらかったです...。

対策

完璧な方法はありませんが、生還率をあげることは以下の工夫でできます。

有休は貯めておく

入社直後に有休がもらえたり、入社から半年以降に工場実習がある人向けのアドバイス。

工場は有休が取りにくいとはいえ、昨今の法規制もありそこそこ使えます。実習前はなるべく有休を貯めておきましょう。

私の場合は入社してしばらくしてから工場実習だったため、実習前に貯めた有休をこれでもかと吐き出しました。週の勤務日が1日減るだけでも体力的な余裕はかなり大きくなります。

日勤⇆夜勤の交代勤務なら、できるだけ日勤の日に休むのがおススメです。夜勤の日に休むと生活サイクルが崩れますし、そもそも労働時間あたりの給料が減ります。

耳栓を着用しよう

工場は、機械の動く音で非常に煩いです。ADHDの人の中には工場の雑音で注意散漫になったり、強いストレスを感じる人も。私も配属当初は耳鳴りに悩まされました。

この騒音は難聴の原因になることが知られており、一定以上の騒音が出る職場では、法令により耳栓着用が義務付けられています。

このことを活用し、「耳鳴りがひどいので、耳栓を着用させてほしい」と言えば、多くの場合耳栓着用可になるはずです。発達障害のことを伏せつつ合理的配慮を受けられるため、非常におススメです。

私自身耳栓着用して集中力が1.3倍増しになり、耳鳴りもなくなりました。

効き目が長い薬に変更する

工場には危険が一杯。注意散漫になると機械に挟まれて最悪死にます。それを避けるために投薬は個人的にはおススメ。注意力の維持などもろに効果を感じました。

ただし、ADHDの治療薬であるコンサータは要注意。飲んでから12時間しか効果が続かないため、残業中/帰宅時に薬効が切れて強烈な疲労感やめまいで動けなくなったことも。個人の状態にもよりますが、24時間持つストラテラなどに変更するのも一考かと。

なお、個人的な経験として薬を変えた直後はめまいなどの副作用を感じやすいため実習のしばらく前から薬を飲んで慣れておくのがおすすめです。

クッション性のある中敷きを使う

工場実習は多くの場合8時間立ちっぱなしです。そうでなくても工場の床は固く、歩いているだけで足裏がすぐに痛くなります。そんな時におすすめしたいのが中敷きの交換です。工場実習で使う靴に元から入っている中敷きは衝撃吸収がイマイチなことが多いため、自分に合うのを買いましょう。

ワークマンの衝撃吸収インソールは800円と安い割に歩行もサポートしてくれるのでおすすめです。

タイマー式の照明を用意する

部屋の照明も、工夫すれば決まった時間に点灯させることができます。照明が点くだけで、本当に起きやすいです!

方法は色々ありますが、おすすめはスマートリモコン。スマホで一回設定すれば、毎日決まった時間に点いてくれます。例えばこんな商品ですね。

実際に使ったレビューも書いてみたので、ぜひこちらの記事からどうぞ。

体調不良は早めに申告する

工場勤務は体力的負荷が大きいことから、労災はよく起こります。その時に上司の口からよく聞かれるのが「報告がなかったので知らなかった」というもの。

トラブルがあった時に、部下の方が無申告だと会社は助けてくれません。体調不良や少しでも作業中に異常を感じたらきちんと申告することが本当に大事。「ちゃんと申告しましたよね?なのに何の配慮もなかったですよね?」と言えるようにしておきましょう。

まとめ~課金と報告で生還率を上げよ

日系メーカーにおける工場実習はしんどいですが、発達障害の人にとってメーカーは、充実した福利厚生の観点からおすすめできる業界だと思います。

薬や各種アイテムへの課金、上司への早め早めの報告で少しでも工場実習を多くの方が乗り越えられますように。

*1:労基法違反では?と言ってはいけない