Web
Analytics

【国総】人間科学区分の倍率変化を解説ー院卒は急激に受かりやすくー

こんにちは。

 

心理系の就職と言えば公務員心理職。その中で最高峰とされるのが国家総合職の人間科学区分です。有名大学の学生さんであれば、院試対策の一環でとりあえず人もいるとか。

そんな国家総合職は学歴によって受けられる試験に差があります。具体的には院卒と大卒で異なる試験を受けます。人間科学区分の場合はどちらが受かりやすいのでしょうか。今回は国家総合職の試験概要から倍率、採用される官庁までの情報を、人間科学区分に絞って深く解説していきます。

試験のポイントと採用まで

いわゆるキャリア官僚である国家総合職ですが、心理系の人を専門に採用するための試験区分が人間科学区分です。

ここでは、そもそも人間科学区分ってなんだ?という人のために、人間科学区分のポイントと採用までの流れを1枚の画像にまとめました。の採用試験から内定までの流れを図にまとめました。

 

f:id:husbird:20210626195356p:plain

画像の中でも書きましたが、大学生にとっては院試対策として丁度いい一方、申込から採用に至るのは大卒でわずか2%という難易度です。院試ではありえませんね....。

人事院公表データ-倍率と採用官庁-

さて、ここからが本題です。国家総合職の試験区分は10程度ありますが、人間科学区分は受かりやすいのか?どの官庁に採用されやすいのか?今回は現行の試験制度になって以降の人事院公表データをまとめてみました。

 

大卒と院卒

最初の画像でも書きましたが、国総の人間科学区分は院卒と大卒程度に分かれています。人間科学区分の特徴を知るため、まずはこちらのグラフをご覧ください。 

f:id:husbird:20210626184605p:plain

このグラフは現行の試験制度になった2012年度以降に実施された国家総合職人間科学区分の申込者/最終合格者の変化をまとめています。データが揃っている2014年度を100としたときの申込者/最終合格者の数値です。(以下「指数」とします)

ここ数年は「官僚はブラック」というイメージが有名大学の学生間で共有されたため申込者が毎年減り続けています。その傾向は人間科学区分も同じで、2021年度は院卒で85、大卒で71と大きく減少しました。

一方で合格者は院卒/大卒程度で明暗が分かれています。大卒は申込者減以上に最終合格者も減っています(2021年度は63)。一方院卒はほぼ毎年最終合格者が増え、2021年度は144まで増えました。

これだけでたった8年で急激な院卒優遇に舵を切ったことがわかります。では実際に採用されやすいのはどちらでしょうか。

このことを明らかにするため、データが揃っている2014年以降で「申込→最終合格」、「最終合格→採用」の倍率を院卒/大卒程度で比較しました。院卒の方が有利なら緑、不利なら赤で塗っています。

これを見ると、最終合格までは大卒の方が倍率的には難しいです。しかし、最終合格して実際に採用されるか?は院卒が必ずしも有利ではないようです。

f:id:husbird:20210626192949p:plain

採用する官庁

続いて、どの官庁に採用されやすいのか?ということを調べましょう。建前としては事務系ならどの官庁も採用となっていますが、実際のデータでは法務省と厚労省に採用が集中しています。


おそらく人間科学区分用の枠を持っているのがこの2省しかないからでしょう。では院卒/大卒程度で採用される官庁に差があるのかを見てみます。

ここでは、人間科学区分の枠がある法務省と厚労省に加え、比較的採用者が多い文科省の採用人数を調べました。なお、この3省以外の採用者をその他にしています。

f:id:husbird:20210626194348p:plain

見ると一目瞭然ですが、法務省が圧倒的です。そしてその他に至っては採用0の年もちらほら。このような極端は偏りは人間科学区分特有の現象です。

人間科学区分の場合、「行き先が3省しかないけど、本当にいいのか?」を申込時によく考えておくべきでしょう。志望度の高い3省だけ訪問したら1クール目で全滅したということになりかねません。

まとめ

今回は人間科学区分に絞って倍率や採用される官庁を細かく解説しました。要点は次のようになります。

  • 院卒は受験者数は減少しているのに合格者が増えている。(対数年前)
  • 官庁訪問に進めれば、学位による差別はさほどなさそう。
  • 採用する官庁は法務省に集中している。

全て人事院が公表しているデータですが、それでもここまでわかります。この記事が人間科学区分を受けたい方の参考になれば幸いです。

国総の倍率はわかった、対策をしたいという方はこちらの本を使ってみるといいでしょう。心理系公務員の本としては超珍しいことに数年ごとに更新、しかも選択式中心ですが丁寧な解説付きです。受験される方はぜひ。