こんにちは。
最近大人でも「自分って発達障害では?」と考えて病院を受診するケースが増えています。
もちろん自分のことをよく知るという意味ではメリットが大きいです。しかしデメリットも少なくありません。
私も発達障害の確定診断を受けましたが、「こんなつもりじゃなかった…」なポイントも。そこで、私が診断前にやれば良かったと後悔していることを解説します。
フォロワーさんから「発達障害の典型的な特徴」がないと医師によって障害の判定が分かれるとの指摘がありました。便宜上ここでは「しっかりとした検査・生育歴聞き取りなどを経た診断=確定診断」としますがご了承ください。
心理士によるカウンセリング
そもそもメンタル不調=精神疾患とは限りません。カウンセラーによるカウンセリングや支援を受ければ、メンタル不調が改善することもあります。
そこでまずカウンセリングから始めてみましょう。一般的なカウンセリングルームのカウンセリング料は5000円/hです。しかし大学の学生相談室や会社と契約している産業カウンセリングルームなどであれば、無料で使えます。
また、大学院の学生(博士くらいが多い)が臨床経験を積むために大学内で一般の人向けのカウンセリングを受け付けることも。無料~2000円/hと割安です。
カウンセラーは確定診断ができないため、カウンセリングを受ける段階では保険などに影響しません*1*2
デメリットをきちんと理解する
当事者だからこそ書けますが、きちんとした人生設計がない状態で確定診断を受けることは、「メリットに対してダメージが大きすぎる」と思います。
そのため、人生設計をきちんと考えてデメリットもきちんと理解したうえで、「それでも診断を受けたい」と思えるか?をきちんと考えるべき。というわけで確定診断を受けた私が体験したデメリットを書いていきます。
デメリット①保険は原則入れない
一般に、発達障害の診断を受けると民間の保険加入や更新に大きな制限がかかります。損するとはいえ解約も可能なため、確定診断を受ける前に加入してしまうことをおススメします。
見直しておくべき保険の種類は...
- 医療保険
- 生命保険
- 学資保険(生命保険の特約つき)
- 住宅ローン(団信)
など。病気になったり死んだらお金がもらえるもの全てと思っておけばOK*3。保険に入ってからすぐに確定診断をされるとダメですが、早いうちに保険の整理をしておくのが大事だと思います。
特に「発達障害になると住宅ローンが組めなくなる」ことがあるため*4、事前にローンを通してしまうことはとても大事です。
そもそも、発達障害の人に民間の保険って必要なんだっけ…という疑問にはこちらの記事でいろいろ書いてみました。
デメリット②障害受容は簡単じゃない
個人の性格にもよりますが、みんながみんな障害受容を出来る訳ではありません。特に私のように、大学までは制度上の配慮を受けてこなかった人にとってはかなりの負担になります。
発達障害の場合「すぐに死ぬ」ものではないため、障害受容できなそうな気がする場合、わざわざお金を払って診断を受けるメリットは小さいのでは。
障害受容についてはかつてこんな記事を書いているので、宜しければどうぞ。
診断を受ける目的を明確化する
ここまで確定診断を受けるデメリットを書いてきました。想像以上にデメリットってあるんだな...と思った人もいるはず。それでも診断を受けるのであれば、診断を受けてから取りたいメリットを明確にしておくべきでしょう。
制度面でのメリットは自立支援医療制度を使って自己負担を1割に出来ること、障害者手帳を受給できることの2点です。
障害者手帳を受給することによるメリットは…
- 障害者雇用に応募可能になる
- 公共交通を安く利用できる
などです。ただし、比較的軽度の発達障害者に認定される精神障害者手帳の3級の場合、期待していたメリットを享受できないこともあります。
制度面以外でのメリットは、投薬が可能になること。ADHDの治療薬として有名なコンサータをはじめ、精神疾患・障害の薬は大部分が処方箋必須のものが大部分を占めます。薬が効くタイプの人にとっては外せません。
信頼できる精神科を探す
精神科医と患者は長い間付き合うことになります。そのため、医師と患者さんの考え、目指すものが近いことが大切。特に投薬の有無については要チェックポイント。投薬を極端に嫌う医師もいます*5。
患者さん本人にとって信頼できる精神科を探すために、次のことはしておくべきでしょう。
- カウンセリングルームから紹介してもらう
- ネットで評判を調べる
- 一般向け医療雑誌などから、その医師の考えを探る
きちんと調べることで、合わない医師に当たるリスクを下げることができます。
希望する治療の明確化
どのような動機で精神科に来たのか?診断を受けてどうしたいのか?といった自分の意思を明確にしましょう。
「こころの調子がなんとなく悪いので病院に来ました」では、患者さんの状態にきちんとあっていない診断や治療がなされることも。
そのため、できるだけ状況や希望を明確に伝えることが大事。
- いつからその症状があるのか?
- 症状(落ち込みや不眠、過食など)は何か?
- 過去の治療歴
- 投薬を希望するか?
- 確定診断の希望の有無
こういったことを自分の力だけで明確化することは難しいため、心理士とのカウンセリングの中で、こんな症状があったとかは明確化できればいいと思います。
まとめ
今回は診断を受ける前にした方が良いことを書かせていただきました。
デメリットをきちんと考えたり、精神科との付き合い方などいろいろ考える点はありますが、自分なりに「覚悟」を決めて病院に行けばきっと納得して診断を受けることができるはず。
この記事を読んで診断を受ける前の事前準備をしてもらえれば幸いです。