この記事で言う「就活の筆記試験」とは、主に理系の採用で行われる数学や物理、化学の筆記試験を指しています。SPIやTR-WEB、玉手箱の対策については書いていません。
こんにちは。
このサイトでは心理学を活かして企業の研究開発に進みたい!という人向けにいろいろな記事を書いてきました。
例えばこの記事では企業の心理系R&Dを選ぶメリットを解説しています。
そんな心理学出身で理系就職したい!!という人にとって壁になるものはなんでしょうか?もちろん書類や面接も大きな壁です。
しかし、就活の最初の方に行われる筆記試験も想像以上の壁になっています。というわけで今回は筆記試験とは何か?どんな対策をすれば合格しやすいのか?を解説します。
筆記試験とは
メーカー技術系の職種採用時に行われる試験のことです。IT系の企業であればコーディングテストを課す企業が多いですが、一般的なメーカーだと理系科目の筆記試験がメインになっています。
企業によって筆記試験の内容は異なりますが、多くの場合は数学・物理・化学です。食品や化粧品であれば物理に代わって生物が要求されるのかもしれません。問題のレベルとしてはおおむねセンター試験レベルに設定されています。
ちなみに、筆記試験は採用の参考にしか見られていないようです。実際私よりも手ごたえが明らかに良かった人でも早い段階で選考から落とされていました。
そして、同じ企業でも合格ラインは就活生個人によって違うことも。合格ラインを一律平等に決定しなければいけない大学入試や公務員試験と異なり、ぜひ採用したい層や専門外から応募している人にはおおむね筆記試験の合格ラインが引き下げられていたように思います。私のように、基本的に文系出身である心理学専攻はかなり甘めに見てもらえていました。
このように最初の足切りとして使われる筆記試験ですが、心理学専攻の人にとって「何も対策しなくても受かる」ほど甘くはありません。そこで今回はまず何から対策すればいいのか?を解説します。
数学に重点を置く
多くの場合、数学・物理・化学が出題範囲である筆記試験ですが、どの科目から対策すべきなのでしょうか。
心理学専攻で技術系就職を狙う場合、最も重点を置くべきは数学です。そもそも高校で勉強していないことの多い物理や化学と異なり、数学であれば出題範囲を履修しているはずだからです。
私は複数の企業を技術系で受けましたが、筆記試験があったほとんどの企業でセンター試験レベルが出題範囲になっていました。
参考までに理系の人が受けるセンター試験の科目を見てみると数学1A&2B、物理、化学となります。つまり、物理化学は学校でやっていなくても、数学については高校時代に履修している*1はず。
企業への応募を決めてから筆記試験当日まで、長く見ても1か月程度でしょう。そんな状況で、一度全範囲を勉強しているというのは非常に大きなアドバンテージ。よほどのことがないとひっくり返せないメリットですし、実際私は数学を武器に今の会社に入っています。
配点面で見ても、物理・化学に比べて問題量的に数学を重視している企業も多くあります。そのため、理系と対等に戦うためにも数学対策は必須です。
では、どこにヤマを張るべきなのでしょうか?就活時の経験からして微積分だと思います。就活でも複数の企業で出ていましたし、時間ごとに区切って考える微分や、面積に落とし込んで考える積分の考え方は就職した今でも使うくらい仕事でも役に立つからです。
物理・化学では「あまり差がつかない」?
きちんと対策すれば文系でも高得点が狙える数学に対して、物理・化学は理系学生でも苦戦することがある科目です。私の同期(もちろん理系出身)に話を聞いても、「全くわからなかった」という人もいます。それだけ差がつきにくいのでしょう。
それでもある程度ヤマを張って対策することは可能です。機械系メーカーを中心に受けえた私の場合、物理では力学、化学では理論化学が重点的に出た企業が多かったように思います。特に化学では暗記がメインになる領域、例えば無機化学などはほとんど出ていませんでした。
そのため、物理では力学、化学では理論化学の領域に絞って、計算をきちんと自分でしながら勉強を進める必要があると思います。理解すれば点数に繋がりやすいこれらの分野に絞り、それがダメなら仕方ないと割り切るくらいがちょうどいいです。
ネットのサイトを使って勉強しよう
高校時代の教科書は捨てている人が多いでしょうし、かといって参考書を新たに買うにもおカネがかかります。おススメはネット上のサイトで勉強することです。
最近はYoutubeをはじめ動画のコンテンツが充実しています。しかし、そもそも面接などで外出が多い*2、就活生にスマホで動画を見ろ!というのは通信容量の観点から厳しいです。というわけで、動画ではなく文章と図で解説してくれているサイトに絞って紹介していきます。
1...完全な初学者。授業でその科目を取っていなかった。
2...習ったけどその科目のことはほとんど覚えていない。受験で使わなかった。
3...センター試験ではその科目を使った。ある程度は内容を覚えている。
4...それ以上。私大や国公立大の2次試験で使った。
レベル...1
特徴...わかりやすい例えや図が多い。微積分を不使用。
高校物理のサイトでは一番わかりやすいサイトです。理論的な解説だけではなく初歩的な問題を実際に解きながら解説してくれています。就活中はもちろん、就職後の今でも読んでいます。内容のわかりやすさもそうですが、なぜ高校ではこういう問題しか出せないのか?ということも説明してあり、それも物理の理解に役立ちます。
また、現行課程になって全員が学習することになった物理の原子分野もきちんと解説されています。まあ、メーカーの筆記試験では問われなそうな内容ですが...
レベル...3~4
特徴...多様な問題の解法を網羅している。問題演習用としてGOOD。
勉強の解説サイトとして長い歴史があるサイト。私も受験生の時から使っていました。各科目のほぼ全範囲をきちんと網羅しており、例題と解説が載っています。改訂が今でも行われているサイトなので信頼性は高いですが、初学者が読むには厳しいかも...。
レベル...2~3
特徴...各単元のポイントを端的に抑えている。センター試験の過去問と解説あり。
数学は「一応は高校でやった」という人が多いはず。そういうわけで簡潔にポイントを解説しつつ、センター試験レベルに繋がっているサイトを紹介します。解説は簡潔丁寧ですが、数学Bのベクトルは解説されていないことに注意。
レベル...1~2
特徴...一般的なウェブサイトとしては高校化学の網羅性がピカイチ。
高校化学をきちんと網羅しているサイトは意外と少なかったです。その中で全範囲をきちんと網羅しており、解説もかなり初歩のレベルから解説してくれています。
また、化学メディアとしての側面も持っているため、化粧品など化学が重視されそうな領域に行きたい人は、「化学ってこういう風に役立つんだなあ」というイメージができるかもしれません。
まとめ
就活における理系科目の筆記試験は、文系出身が多い心理学専攻の人にとって、確かに壁になるものです。しかし、1か月程度の限られた時間でも、それなりの対策をすることは可能です。今回の記事がその例になっていれば幸いです。