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発達障害者の就活、勤務地のことちゃんと考えて!

こんにちは。

このブログでは発達障害を持つ学生の新卒就活を一つのテーマとして書いてきました。
今回は就活をする際に考えたほうが良さそうなこととして勤務地について書いてみます。

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給料や会社の知名度に引っ張られて新卒就活時(特にクローズ・一般枠で就活する場合)に忘れがちな内容です。しかし状況の変化等でストレスを感じやすい発達障害の人は特にちゃんと考える必要があります。

ちなみに1口に勤務地といってもいろいろありますよね。
・転勤族(銀行のように数年ごとの転勤が前提になっている)
・首都圏
・大阪・名古屋とその通勤圏内
・政令市(福岡や札幌・仙台・広島などを想定)
・そのほかの地域

転勤の多さは業界ごとにおおむね決まっていますが,同じ業界でも転勤が極端に少ない企業もあったりします。しっかりと調べることが大事です。

転勤族は環境の変化に弱い*1発達障害の人には向かない気がしますね。

障害者枠の場合は転勤ナシという形で考慮してくれるケースもありますが,クローズ就労の場合基本的に勤務地は考慮されません。東京の本社勤務希望だったのに,実際の配属先は電車が1日数本しか走っていないど田舎というケースも多々あります。

 注意

「勤務地は社員の希望を最大限考慮します!」と言っていたにも関わらず、数10人単位の新入社員を全く希望しない勤務地に配属した会社を知っています。なので就活時の先輩社員の甘い言葉に騙されないでください。


特に拠点が複数ある企業の場合,最初の配属地が入社するまでどこになるかわかりません。ですから配属されうるすべての地域・拠点について下の条件を満たしているかをチェックするのが大事です。

 

マイカーレス通勤(公共交通機関での通勤)が可能であること

発達障害による困りごとは個人によって差があります。しかし,注意欠陥やこだわり傾向などがあって困るのが車の運転です。

私も車の運転はとても苦手...自動車教習所の卒業検定で何回も落ちたくらい苦手です。
そういう人がマイカー通勤しないといけない地域で働くと,当然を事故を起こすリスクは高くなります。

また,地域にもよりますがマイカーを持つと,保険料や税金,駐車場やローンなどを含めると月々3~4万円が追加でかかることも(都市部で車を所持するとさらにお金がかかります)あります。精神科やカウンセリングルームにそれなりのお金を割く人にとって,このお金を負担するのは困難です。

ということで,公共交通機関で通勤可能な地域で働くことをおススメします。

では具体的にどの程度公共交通機関が充実してれば公共交通機関で通勤できるのか?ですが就活中の経験から私は次のように考えていました。

特に高校まで地方にいた方,「高校時代なんとかなったから、就職後も1時間に電車が1本でも通勤できる!」と甘く見ていると後悔するかもしれません。
  • 特急を除いて通勤時間帯(行き帰り)で20分に1本以上
  • 特急を除いて日中の時間帯で30分に1本以上

首都圏・近畿圏に住んでいる人なら「こんなの当たり前でしょ!」と思うかもしれませんが,全国レベルで見ると,この条件を満たしていない地域はたくさんあります。

人口50万人を下回るような県庁所在地に向かう電車(例えば鳥取市・松江市)では電車が1時間に1本しかないのは主要路線(鳥取・松江市の場合は山陰本線)でもよくあるという状況です。

またその他の県庁所在地に向かう電車でも、閑散路線であれば通勤時間帯でも2時間に1本というケースもあります。

田舎ならバスもそれなりに使えるしそれでいいじゃん!と思う方も多いでしょう。もちろん鹿島神宮ー東京間のように高速バスが充実している地域もあります。
 

しかしバスの場合,土日は極端に本数が少なかったり,最終のバスが早いことが多いため,あまりあてにしないほうがいいと思います。

しかもバスの本数は電車よりも簡単に減ってしまいます。例えば私は本が好きで図書館によく行くのですが,最近図書館に向かうバスが大幅減便になって困ったことになっています...

安心して通える精神科がある

特に発達障害をクローズにして就職する場合,障害に対するケアは全て自己責任で行う必要があります。会社の産業医にオープンにするのは難しいもの*2。私の場合会社に来ているカウンセラーさんにもとても話せません。

そのためクローズで働く場合,勤務時間外に自分で探した病院に行く必要があります。

それだけでも大変ですが,就職を機に引っ越す場合,安心して通える精神科を就職した地域で新しく探す必要があるということです。

当たり前ですが田舎であればあるほど精神科の数も少ないもの。

自分が勤務する可能性のある地域に,安心して通える病院が本当にあるのか?は就職前に確認しておきましょう。ネットで検索すればある程度はわかるはずです。

最終的には医師・カウンセラーとの相性もありますが,ある程度は病院の評判を調べることも可能です。ここなら信用できそう!という病院があるかないかで安心感は大きく変わってきます。

障害者枠で応募できる企業が多い

これから就活をする人にとっては残酷ですが,就職したはいいけど一般枠では定着できる見込みがなかった...こともありえます。というか私もそういう方を多く見てきました。

そうなると障害者枠での転職を考える必要がありますが,私が調べた限り障害者枠の仕事は地方では極端に少ないです。

あくまで新卒に限定してざっと調べた範囲ですが,東京23区での求人数を100とすると,地方の政令市では10あるかないかという感じでしょうか。そしてその中には薬剤師など特殊な資格が必要なケースも含まれています。

終身雇用がかなり維持されている(正規の)公務員は魅力的ですが、精神は実質お断りというケースもあるらしいので当てにしすぎないようにしましょう!

 

そういう観点から、まず自分が就職したい!と考えている地域に障害者雇用で応募できる企業がどれくらいあるのか?は調べておくのが大事。

いざとなれば転職すれば大丈夫!というのはメンタルを安定させるためにとても役に立ちます。

まとめ

就職する前から「もしものときのこと」を考えないといけないの??と思う方もおおいでしょう。しかし早いうちから就職後の生活をイメージして用意をすることで,こころの健康を守ることができます。

あくまで私個人の考えなので参考程度にしてもらえれば幸いです。大学のカウンセラーさんなどいろいろな方に相談し,決めてもらえればと思います。

*1:もちろん人によります

*2:産業医経由で上司に筒抜けになったケースを聞いたことがあります