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研究を活かす就活-「大学職員・研究所総合職」という選択肢-

こんにちは。

先日,私の大学にある大学のアウトリーチ(研究成果の社会向け広報)のスタッフが来学し,講演をされていました。

 

講演の内容は別として,気になったのは「研究支援」という仕事のジャンルです。
正直なところ「フツーの人で最初から知っている人いないよな」と思ってしまいました。

ただ,実は私も「何らかの形で研究に関わること」を目標に就活をしていたので意外な穴場だな...と思いつつ応募したりしていました。

というわけで今回は「研究支援」の仕事と就活の関係を考えます。

 

研究支援ってなんだ?

いろいろ定義はあると思いますが,今回は恣意的に決めました。
「研究者が研究を円滑に進めるためのサポートを行う職」全般とします。
例えば,

こんな感じの研究者のお手伝いをする人,とでもしておきます。

 

病院における「コメディカル」をイメージしてもらえればいいのではないでしょうか。

 

どんな働き口があるの?

中途採用や任期付きならば様々なポストがあります。*1

ただ新卒で応募できるポストは限られています。
大きく分ければ「大学職員」と「研究所総合職」の2つでしょうか。
日本のメーカーで研究支援職を専門職として採用している企業は私が頑張って探した限りではありませんでした。

 

ではそれぞれについて解説します。

研究所総合職

○○研究所などと名前がついている研究所の「研究職じゃない人たち」のこと。*2
これらのうちほぼ全てが国立研究開発法人とよばれる独法にあたります。

例えば…

こんな感じです。国内には30くらいあります。

 

純粋な民間の研究所で事務系総合職の採用をしている企業はほとんどありません。 私が見た範囲では豊田中央研究所(TRI)や電力中央研究所,鉄道総合技術研究所の3か所しかありませんでした。

 

大学職員

大学の学生課で私たちの事務をしてくれる人たちのこと。*3

ただ,大学職員のうち実際に学生相手のお仕事をしている人は半分以下です。*4
旧帝大系など有力大学であれば3割以下,地方の私大で5割近くになるかどうか…でしょうか。

何が違うの?

転勤の有無や目的などいろいろ違いはありますが,大きな研究所総合職と大学職員の違いは1つです。

仕事内容

大学職員は学生支援(学事やキャリアセンターとか)に配属されることがあります。よく言えば何でも屋,悪く言えば専門性が身につかないとも言えます。
そして地味に大きいのが大学教員が職員をコントロールしているということ。

学問の自由,教員自治などの観点から大学本部系のオフィスでも代表者が教員になっていることがほとんど。
経営の強い一部私大を除き,理事クラスになれている大学職員はいません。

一方で研究所総合職であれば研究者相手の仕事がメインでジョブローテーションが行われ,ときどき広報や採用などの部署に廻る程度だと説明を受けました。

大学職員との大きな違いとして研究者と職員が対等に近いこと。企業の論理が働くため,ある程度は職員が研究者をコントロールできるそうです。

ただ,国立研究開発法人であれば本省(経産省文科省)相手の仕事も多くなります。

まとめ

大学職員・研究所総合職は違いがあるものの研究成果の最大化のためのサポートという意味では共通点も多いです。

具体的にどうやったらなれるの?についてはこちらの記事を参考にしてください。

 

husbird.hatenablog.com

 

*1:JREC-INあたりを探してみてください

*2:いわゆる総研/シンクタンクのことではありません

*3:最近は非常勤や外部委託が進んだため,学生課の人はほとんどが正規の職員ではありません

*4:大学職員に応募する人でも,大学職員=学事だと思っている人がいて,だめだこりゃと思うこともあります