こんにちは。
以前発達障害の方が自動車の免許取得に苦労する理由を、当事者の目線で解説しました。
この記事を読めば、「発達障害の人には運転は難しい」ということはわかるはず。でも地方に住んでいたり、私のように「就活時に免許がなしはヤバい」といった理由で免許取得を目指す人もいるはず*1。
今回はどうしても免許が取りたい発達障害の人に向け、実際に免許を取った私の体験を書いていきます。
この記事を読めば、「発達障害でも下準備をすれば免許は取れる」というのがわかります。
医師と相談しよう
前回の記事でも書いたように、発達障害があっても免許は取れます。しかし、障害の特性上適性に問題があることは事実ですので必ず相談しましょう。特に診断が下りていない方は、診断が下りてから免許取得した方がいいと思います。
その中で聞いて欲しいのは、次の2つ。
- 免許を取れる見込みはあるのか?
- 取得に際して何に気を付けるべきか。
私の場合、免許取得にあたって、医師との相談はしていませんでした。してたらもっと早く免許取れただろうな...
合宿より通学の教習所が○
私は通学の教習所を選びましたが、合宿を選ばずに良かったです。と言うのも合宿免許にはこのようなデメリットががあります。
そこまで割安ではない
費用が安く済むことが合宿免許最大のメリットです。しかしそれは「最短(延泊なし)で卒業できた場合の話」。仮免許の試験や卒業検定に落ちた場合、延泊になります。その場合教習費+延泊料金が追加でかかります。
私のように試験で何度も落ちるタイプの人だと、最終的な費用はむしろ割高になるケースも…
共同生活ならではのストレス
合宿と名乗っている以上、ある程度の共同生活になっていきます*2。というより大部屋生活の教習所もあるらしいです。結果として教習期間中に人間関係が生まれます*3
初めて会う人も多いですし、特に2~3月にはオラオラ系の人がいたりすることもあるようです。いつもと違う環境に強いストレスを感じる人には不向きです。
試験に落ちると予定が崩れる
合宿の場合、田舎に泊まり込んで免許取得に励みます。そのため、簡単には途中で帰れません。
免許取得のためには最低2週間かかりますが試験に落ちると帰宅が遅くなります。
社会人/学生ともに帰る日が遅れれば予定が狂ってしまいますが、これも通いの教習所なら避けられます。
実際の教習に向けた準備
通い/合宿を選んだ後は具体的な教習の準備です。
安心パックで費用を確定
免許取得中に教習がうまくいかなかったり、試験に落ちるとストレスを感じがち。私の場合、期限までに本当に免許が取れるのか?と、教習料金がどんどん増えていくはかなりのストレスになりました。
私が通った教習所では、通常プランと教習追加や再試験受け放題の安心プランがありました。その料金差は4万円*4だったため、教習所に入る時の私は「8回分も追加することはない」と通常プランを選択。
しかし教習が思うように進まず、試験で不合格を繰り返し追加で7万円(教習14回分)払いました*5。
教習所に入る前に発達障害の特性を十分理解していれば、私も安心パックにしたはずです。この意味でも医師と相談しておくことが大事です。
もし試験に落ちても追加でお金を払う必要ないとわかっていれば、教習期限だけを考えて教習ができます。そうすればストレスも半分以下だったはず。
学科の勉強は前倒し
学科試験もハードルになります。現実として学科は一夜漬けで受かるほど甘くなかったです。
仮免、卒検前の検定にせよ、数日間の勉強は必要。これを後回しにして試験を受けるのが遅くなると、技能検定の日も遅くなり運転の感覚がなくなる...そうすると卒検でも落ちまくるという悪循環になります。
試験の日程を教習所が決めてくれればそれに合わせて勉強できる...という方もいるでしょう。その点では通いのスケジュールコース(教習所に入る段階で、●日に教習を行う、仮免の学科試験は●日、卒検は●日...といつ受けるかを全て決める)は見通しを持ちにくいADHDにはオススメです。
発達障害者への理解がある教習所を選ぶ
発達障害の特性でどうしても注意力が...という人もいます。残念ながら運転教習を行うときの教官で、本人の特性まで理解して丁寧に教えてくれる人は皆無でした。むしろかなり傲慢な人が多かった印象。
少しでも免許取得率を上げるため、発達障害へのサポートが手厚い教習所を選ぶのも一つの手です。例えばここに紹介した鹿沼自動車教習所は、発達障害を持った人を筆記・運転の実技試験両方の側面でサポートする体制を整えています。
私が以前参加した学会でも、ここの職員が発表していました。発達障害でも免許が取れ理由を丁寧に説明されていたため、個人的にもいい印象を持ちました。
補助金を使おう
自己負担を削るために補助金を使いましょう。特に社会人なら多くの補助金の対象になります。
- 雇用保険の教育給付金
- 所得税に対する特定支出控除
- 障害者向けの免許取得支援*6
自治体や本人の状況によって変わりますが、10万円以上節約できるケースもあります。
まとめ
発達障害の人が免許を取るのは、確かに大変です。それでも、免許を取れば行動範囲や就職先の選択肢が広がるメリットもあります。全員が免許を取るべきとは思いませんが、ここまで書いてきた工夫をしてみればストレスなく免許取得まで到達できるかもしれません。
このブログでこの記事以外にも発達障害向けの記事を書いているので、ぜひ読んでみてくださいね。