こんにちは。
10か月間(教習は終わっていたのですが卒検に受からなかった)修了検定1回,卒検に4回落ちながらも無事に(?)教習所を卒業できました!←長い*1
一方でADHD,ASD当事者でもある私は運転への適性のなさを何度も痛感させられることにもなりました。(辛い...)
というわけでこれから3回にわたって「発達障害と普通自動車免許」の関係について書いていきたいと思います。
これから免許取得を目指す発達障害当事者の方,その支援者の方は必見です。心理学界隈の人にとっても何らかのヒントにはなるはず。
第1回の今日は「発達障害者が運転に苦労する心理学的な理由」を書いていきます。
(発達障害は幅広い概念ですが,今回はADHDとASDに絞っています。)
かつて精神障害者は免許が取得できなかった
まずはこの資料を見てください。
https://www.npa.go.jp/koutsuu/menkyo4/siryo.pdf(第1回 一定の病気等に係る運転免許制度の在り方に関する有識者検討会資料,警察庁 )
見てわかる通り、精神障害者の免許取得は禁止されていました。
現在発達障害者が取得する障害者手帳は療育手帳(知的障害のもの)または精神障害者保険福祉手帳となっており,当時は発達障害者の免許取得はとても難しかったことが想像できます。
なおこの規定は2002年の法改正で以下のように改正されました。
要するに、幻覚を伴わなければ精神障害者でも問題なく免許が取得できるように制度上は変更されました。
しかしこの変更を経た今でも、障害者が車を運転する、ということに社会から厳しい目が向けられているように感じます。実際交通事故の際に責任能力や障害関係が指摘されると,当事者の私たちにはなかなかストレスが大きいです...。
ADHD,ASD当事者が苦手な状況がいっぱい!
教習中に運転していて感じましたが、ADHD,ASD当事者にとっては、これほどか!というほど苦手なことのオンパレード!マルチタスクだから無理、というのは簡単ですが、いくつか例をあげてみました。
ちなみに,ADHDの人がどんな時に危ない運転をしてしまうのか?逆に言えばどんなときに運転に苦労するのか?については学術的にもいろいろと検討されています。そのなかの一つの研究を日本語で解説したのでぜひ読んでみてください。
①ルールを守らない車がなんと多いことか!
私はそれほどこだわりが多い人ではないのです。それでも他のクルマのルール違反には何度もイライラさせられました。
例えば一方通行の道を逆走する、直進左折優先のルールを守らず無理に右折しようとする...ルールに従うことへのこだわりが強い人が多いASDの場合、著しいストレスがたまるでしょう。
私の場合,制限速度50km/hを制限速度ピッタリで運転していたところ,後ろの車が自分よりも明らかに速いスピードで自分の車を追い抜いていくということがありすごくドキドキしてしまったことがあります。
②状況が一瞬で変わる
私が一番苦しめられたのがこれ。右車線への車線変更をしたいときにすべきこととして、「ルームミラー→方向指示器→サイドミラー→目視」と教本には書かれています。
しかし実際の道路状況では「安全確認をして車線変更をしようとしたら後ろから車が突っ込んできた!」(つまり確認中に状況が変わった)ということが何度もありました。
私に言わせれば、「確認をした後予想外の車に対応するなんて無理!後続車〇ね!」という感じです。
③注意を妨害するもののオンパレード!
教習の場合は事故を起こさず教習所に戻ってくることが目的ですが、実際の運転では「目的地に向かうこと」が目的です。(当たり前)
そうすると目的地まであとどれくらいかを把握したりするために、少し視線を外したりする必要があります。その典型例がこれ。
例えば高知城に行きたいとすれば、「斜め右に曲がればいいんだなあ」と思うのが普通の人。
しかし私の場合「高知城は斜め右、あ!斜め左の桂浜は坂本龍馬像があるところだ!坂本龍馬と言えば...あー!(ガッシャ―ン)」←さすがにガッシャ―ンはウソですが、こんな感じで注意が別の方向に向いてしまい高速教習で教官にハンドルを取られたのは事実です...
そんなこんなで発達障害者に運転は向かないなあ...というのが当事者としての意見です。
「そんなこと言っても免許とらなきゃいけないんだよ!」という人が実際に免許を取るためにやればよかったなあ...ということを記事にしてみました!
2つ目の記事は,免許取得後のお話です。よろしければ見て行ってくださいませ。
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*1:教習所には追加で10万円以上支払っています