【研究室格差】調査の謝礼が自己負担!?お金のない研究室の現状とお金のある研究室の見抜き方

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以前こちらの記事で科研費に採択されているテーマを選ぶメリットについて書きました。

 

この記事でも書いているように科研費を獲得しているラボに入るメリットはたくさんあります。そのひとつは「お金がたくさんある」ことです。理系学部ほどではないですが,心理学の研究にもお金って大事です。

心理系の学部でも大学・研究室によってお金のあるなしには大きな差があるのです。それはもう埋めようがないほど...

POINT大学の研究室における研究費格差と、お金のある研究室の見抜き方を解説しています。

 

お金のある研究室の場合

私は大学1年生のころ、所属とは別の大学の研究室で海外(確か東欧系の方でした)からの博士課程学生の研究のお手伝いをする,というアルバイトをしていました。

その中でも、彼女が使う論文(分野的に日本語論文が多かった)について英語で説明をしてあげたり、論文の最後にある先行研究の情報を並べ替えたり...内容自体はとても基本的なもの。

そのラボでしばらく働いているうちにこんなことに気づいたのです。

このラボすごい金持ちなのでは...

どんなところがリッチだったのか、自分なりに思い出してみると...

  • 秘書が2人いた
  • 予備実験でも現金での謝礼があった
  • 私のようなアルバイトを3人雇っていた
  • 教授・准教授が1人ずつと任期なしの教員が複数いた。


彼女が帰国するタイミングで私はこのラボから去ることになったのですが、このラボが噛んでいる研究について少し調べてみました。

その結果、「科研費」は途切れることなく確実に取得できているだけでなく「財団からの受託研究」も複数持っていて、さらに官公庁紐づきのプロジェクトに参加しているということがわかりました。

そのラボのお金の使い方を見てみると、関係する学会誌は(英語雑誌含め)ほぼすべて取り揃えている、コピーは無限に取り放題、結構高額なコンピュータを単独で利用している、という感じで心理学の研究室としては非常に恵まれていたのです。

私の研究室も心理学の中では恵まれているほうですが、アルバイトを雇えるほどのお金はありません。面倒なデータ分析も学生自らで行います。

お金のない研究室の場合

以前ある学生がしていた卒論を書くための調査に協力した際のお話です。この方がいた大学は決して無名大学ではなく、国内でも有名大学の1つとされている大学でした。

この方にお願いされて調査に協力したのですが、その際の謝礼1000円は学生の自己負担とされていました。この方は1時間のインタビューを20人行う必要があったため、謝礼だけで20,000円かかることになります。

この方の場合、調査に参加する人のもとにわざわざ訪問して調査を行いその交通費も自己負担だったのです。現金の謝礼が研究室から支給される私としては衝撃的...という感じでした。

この方は「自分の研究室の先生は科研費を取れていない。同じ大学でも他の研究室はカネのかかる実験ができる」という話をしていました。

研究室ごとの格差は同じ大学の同じ学部でもあるのです。そしてその格差は簡単には見抜けないのが厄介なところ。

運営費交付金と科研費の解説

ここまで、研究室に入ってくるお金によって、研究環境に大きな差があるよ!という話をしてきました。ではそもそも研究室に入ってくるお金にはどのようなものがあるのでしょうか。

ここでは国立大学でメジャーな運営費交付金と科研費を表にして比較してみました*1

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運営費交付金は学生数に応じて配分されるため、「大きい大学」ほど額が多くなります。国立で大規模な大学と言えば東大や京大などが当てはまりますが、学生1人当たりに置き換えると比較的平等です。

一方科研費は競争によって採択された研究者個人に割り当てられます*2。そのため全員がもらえるわけではありません。多額の科研費が貰える研究室もあれば、1円ももらえない研究室もあります。

先生方の研究費が減るだけならばあまり学生は困りませんが、多くの場合先生の管理下で学部生は研究をするため、先生のお金が減れば学生に提供されるサービスも著しく低下します。

対策~お金のある研究室の見抜き方~

研究室におけるおカネの重要性がわかったところで、どうやっておカネのある研究室を探せばいいのでしょうか?

まずは研究室訪問です。実際に研究室に行って設備を確認したり、既に所属している学生さんに懐事情を聞いてみたりする必要があります。

研究室訪問のやり方はこちらの記事をご覧ください。一応院試向けの記事ですが,学部生がこれから入る研究室を選ぶ際にも参考になる点があるはずです。
でも...研究室訪問をすればいいのはわかるけど、先生に「この研究室はお金がありますか?」と聞くのはかなり難しいですよね。

安心してください。学部時代・院試と多くの研究室を回り、心理学の中では恵まれた研究室にいた私にはこんな秘策があります。

研究室に貼られているカレンダーを見ましょう。そのカレンダーに取引先・共同研究先と思われる企業のロゴがあればその研究室はお金持ちです!*3


お金のある研究室であれば、他の研究機関や企業との共同研究などをしていることが多いです。そしてこういう企業などは年末になるとお付き合いの一環で手帳やらカレンダーやらをたくさん送ってきます。

私のいた研究室では企業からもらいすぎたカレンダーを教授から学生に分配するのが年末の風物詩になっています。

カレンダーだけで見抜けるのは極端だとしても、研究室訪問では先生や学生から話を聞くだけではなく、設備や内装などもしっかりチェックするのが大事だと思います。

まとめ 研究費は大事、しっかり準備でおカネの心配なく研究をしよう

テーマや先生との相性ばかりが重視される研究室選びですが、お金の有無で研究の進めやすさはかなり変わってきます。自分の行きたい研究室がどれくらいお金を持っているのかを知って、安心して研究ができるといいですね。

なお、お金の面では大学よりも企業の方が圧倒的に恵まれています。実際に企業で研究開発する身になって、「お金のメリットって大きい!」と日々感じています。詳しくはこちらの記事から読んでみてくださいね。

*1:私大の場合、運営費交付金はありません。その代わりに入学金や受験料、学費を高めに設定することで大学を維持しています。

*2:間接経費によって30%ほど大学に吸い上げられます

*3:もちろん例外はありますが、心理学であれば的中率は90%近いと思います