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【準備が大事】学部卒で心理職に就くための対策とは?

こんにちは。

このブログでは心理学を活かした仕事への就職法についていろいろと書いてきましたが、何度か「やっぱり院卒がメイン」と書きました。

私がTwitterで質問した結果であるこのグラフからもわかるように、心理職での採用はほとんど大学院卒が必須な状況になっています。

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でも、経済的な事情でやっぱり学部卒で就職したい、お金が欲しい!という人も多いのではないでしょうか。私自身も、経済的な安定性を重視して学部卒での就職を選びました。今は民間企業で心理学の知見を活かした研究開発職についています。


今回は、学部卒で心理職(心理学の専門性を活かした仕事)に採用されるためにすべきことを実際に学部卒で採用された私の目線で書いていきます。
 

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心理学→企業就職の一般的な話を知りたい!という人はまずはこちらを読んでください。

学部卒が問題にならない会社・自治体を選ぶ

さきほどのグラフでも見せたように、学部卒で心理職に採用される人はかなり少ないです。しかし、学部卒でも普通に採用してくれる組織もちゃんとあります。例えば次のようなところです。

  • 民間企業の心理学を活かしたR&D
  • 調査会社の質問紙を作る部署
  • 国家公務員
  • 公認心理師法第7条第2号に規定する認定施設(いわゆる公認心理師「Bルート」の対象施設)

まず民間企業のR&Dは院卒以上がほとんどですが、学部卒でもコネなどがあれば採用されています。

次に調査会社です。例えばマクロミルやインテージには質問紙を作る人がいますから、そういうところであれば心理学の知見をかなり生かすことができます。院卒の比率は民間企業にしては高いですが、私が知る範囲では学部卒の人の方がまだ多いです。

そして一番重要なのが、「Bルート」の対象施設です。Bルートの施設は学部卒で一定の単位を取得したうえで、決まった施設での一定の実務経験を積むことで公認心理師試験の受験資格を得ることができるもの。

これらの施設には少年院や家庭裁判所といった国の施設だけでなく、川崎医科大の附属病院など、一部の病院や社会福祉法人での実務経験も対象になります。

例えばこちらのメンタルクリニック・ダダの場合、週3日の勤務で時給1300円が提供されています。また院内でのケース検討会などもあるようです。


待遇はアルバイトとほぼ変わりませんが、お金を貰いながら勉強できますし、仕事に伴った研修もたくさんあります。修士号にこだわらないなら、むしろこっちの方がいいかもしれません。

アルバイトやインターンで心理学に関係する経験を積み重ねる

心理学に関係する実務を学生時代から積んでおくことの重要性は学部卒で就職するにしても、院卒で就職するにしても同じです。そのことはこの記事でも解説してきました。


しかし、そもそも実務経験をする時間が4年、就活を考えるなら3年しかない学部生にとっては特に意識的に経験を積み重ねる必要があります。

とはいっても学部生でカウンセリングの実務を積むことはほぼ不可能です。だとすれば心理学に関係する領域で学部生でも積める実務経験は例えば次のようなものがあります。

まずは、給料が貰えるアルバイト的なものを挙げてみました。

  • 発達障害の子供を専門的に扱う塾の講師
  • マーケティングリサーチを行う企業で質問紙を作るお手伝い
  • 大学の研究室(心理学や精神医学)の研究補助アルバイト

最初の2つは東京や大阪のような大都市にしかないかもしれませんが、大学のアルバイトは作業ではあるものの実験の手伝いができますし、研究の一端を垣間見ることができるかもしれません。 次に給料が出ない実習やボランティア活動を紹介しておきます。いずれも国の組織に関係しているものです。

  • BBS会
  • 法務省・人間科学系インターン/家庭裁判所調査官のインターン

このうち、BBS会は様々な問題を抱える少年たちの遊び相手となりながら彼らの成長を見守るものです。基本的には少年院に収容されなかった、あるいは出院後の少年たちが相手になると思います。

そして公安系ではおそらく唯一といえる法務省・人間科学系インターンです。私自身も参加しましたが、行って初めてわかる少年院の課題も多く学びが本当に多かったです。

詳しいことはこちらの記事を読んでみてくださいね。


ここまで5種類の経験を紹介しましたが、質問紙・実験・発達 ・司法と探せば様々な領域の経験を積むチャンスがあります。将来進みたい進路に向けて早いうちからいろいろと経験を積むことは、学部卒の場合特に大事です。

大学の授業を大事に、予習復習、教科書を読む

私のような、民間企業で心理学の研究開発をする人はまだまだごく一部。多くの場合は公務員心理職を目指すはずです。その場合、心理学の筆記試験を受けて通過する必要があります。

民間企業の心理系R&Dの場合、心理学の筆記試験はほぼありません。


大学院には行かない、やっぱり学部卒で心理職に就きたい!という考えに至るのは就活直前の3年生の夏以降になりがち。就職にせよ大学院進学にせよ直前での進路変更は大きなリスクと負担を伴います。

そしてライバルとなる大学院生は2年以上「心理職として採用される」ことを目標に努力を積み重ねています。ライバルとの差を少しでも埋めるために学部の1/2年生のうちから教科書を買って読み込んだり、ただ授業を受けるのではなく予習復習を怠らないことは本当に大事です。

あまり心理学の勉強をしていなかったため、民間企業しか受けられなかった私としては、本当に早いうちからの勉強は大事だと何度でも言っておきます。

まとめ

最初に書いた通り、心理職として採用されるためにはほぼ修士号は必須です。しかし、心理学を「活かして」働けるならOKであったり、最初の数年間は給料が安くてもいいのであれば学部卒でもできる対策はあります。

私自身も学部卒で心理職(というよりも実際は心理学を活かしたR&Dですが)として働けてやっぱり幸せです。自分の関心のある領域でお金がもらえることは本当に貴重だと思います。

ですので、学部卒だから、大学院に行けないから…ということで目標を諦めず可能性を模索してもらえれば幸いです。応援しています。

【企業研究】就活向けに「技報」が役立つ理由

こんにちは。

心理学を活かして企業に就職したいけど、各社の「今」の研究内容を知らないと難しい...という人も多いのではないでしょうか。

そんな人におススメしたいのが各社が発行している「技報」です。今回は「技報」とは何か?を解説するとともに、心理学専攻の人を採用してくれそうな企業の「技報」を紹介してみたいと思います。

 

技報(テクニカルレビュー)とは

主に民間企業が発行している自社の研究成果を広報するための学術雑誌です。研究成果を宣伝するために企業はいろいろな方法を使いますが、あくまでも技術的なところに焦点を当てているため技術的な用語がドンドン出てきますし、学術雑誌なので一部の企業はJ-STAGE経由で見ることもできます。発行頻度は企業によって年1回~年2回の発行が通常です。

多くの場合執筆者は社員になっていますが、パナソニックのように招待論文という形で外部の研究者も記事を書いているケースがあります。


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なぜ技報が重要なのか?

企業研究のためにいろいろなサイトをみたりインターンに行ったりすることはあると思いますが、どうして技報が大事なのでしょうか?

まず近年アツかった研究開発の内容を扱っているからです。多くの会社の技報では、その年に発売あるいは公開された実際の商品に採用された研究成果を扱っています。そのため、実際に実用化された研究成果について知ることができるのです。

学会誌に掲載されている研究成果は、いろいろな事情によって実用化を諦めたものもあるので実用化にこだわりを持つ人にとってはとても参考になる資料といえます。

 注意

会社にもよりますが、技報に載っている研究成果は数年前から研究していたというケースもあるので、入社時にその研究をしているかはわかりません。



次に、自社がなぜこの研究開発に挑んだのか?がかなり細かく書かれているからです。学会誌にある論文の序論にも研究の動機は書いてありますが、技報では具体的な製品を意識しいるため、なぜその製品を改善しないといけないのか?という観点が書かれています。そして研究成果といっても学会誌のような基礎研究だけではなく、加工技術などの量産化までのプロセスや「今回の開発ではここを工夫した!」というような社員の熱意みたいなところも書いてある企業もあります。こういう企業の研究開発方針が垣間見えるのは技報の大きな魅力です。

最後に、どの事業部がどのような研究をしているかがわかるからです。社員が学会誌に論文を投稿する場合、所属が会社までになっているケースも多くあります。しかし技報の場合ほぼ全ての企業でこの社員はどの事業部にいるのか?場合によってはどの部署にいるのか?というレベルで所属が書かれています。

所属がわかるとどんなメリットがあるの?と思うかもしれませんが、就活の面接・内定後の配属先選びでかなり役立つのです。特に職種別採用の企業であれば、技報に書かれている××の研究開発をしたいので、××を研究した社員が所属している○○部志望ですと言えば説得力が増します。

私は総合職採用ですが、配属面談のときに○○という学会誌(結構最近の研究だった)に書かれている××というテーマをやりたいので、その研究をしている社員がいる△△事業部に行きたい!と伝え、実際その事業部に配属されています。こういう例からみても、企業の研究成果をちゃんと追いかけてから就職し部署の志望をすることはとても大事です。

実際に技報を紹介

メーカーを中心に多くの企業が技報を発行しています。ただ、技報を出している全ての企業が心理学出身者を採用してくれるわけではありません。というわけで、心理学専攻の人が採用されているのを見たことがある、あるいは採用されそうな企業をピックアップしました。その中でも人間の研究に関係している研究を紹介してみることにします。

三菱電機

言わずと知れた大手電機メーカー。家電メーカーのイメージが強いかもしれませんが、重電システム・産業メカトロニクスで売り上げの5割を稼ぎだし、家電の売り上げは全体の2割程度になっています。なお新卒採用は総合職(事務系/技術系)採用となっています。

かなり技報を積極的に出す企業の1つで、「三菱電機技報」の名前で毎月特集する内容を変えて発行しています。ちなみに毎年1月号は「技術の進歩」として総覧的なものになっています。

今回紹介するのは、小型掃除機を利用するときの身体的な負荷を生理計測を用いて検討し実際の開発に生かしたケースです。

JR東日本

首都東京を走る鉄道でおなじみ、近年は北陸新幹線や北海道新幹線といった新幹線の強化を行っています。新卒採用は総合職とエリア職に分かれています。

心理系人材が応募する場合、どの区分*1で応募すべきかは不明です。ただ、過去にはインターンで「安全・HMI」を研究開発テーマの一つとして募集していたことがあり、何らかの形でそういう人材のニーズはあると思われます。

「JR EAST Technical Review」の名前で発行していますが、年ごとに発行回数は異なっています。

発刊の目的の1つとして「弊社の現在抱えている技術的課題を社外の皆さまに理解していただき、優れた技術シーズを持った技術企業や研究機関と連携することにより、新しい時代に相応しい技術やサービスを生み出していきたい」とあるので、自社の研究成果を広報するというよりも、自社の現状を粛々と報告する方針なのかもしれません。

今回はJR東日本内の安全研究所の研究成果のうち、会社が起こした事故などについて、事故後乗客はどのように認知しているのか?をアンケート調査を使って調べたものを紹介します。

鉄道総研

国鉄分割時にJR○○とは別に創設された研究所で、都内に研究所を持っています。研究職と事務職の職種別採用になっていて、心理学専攻であれば人間科学の研究職扱いで学部卒から新卒応募可能です。ただし、人間科学研究部は学部卒のシェアが3%しかないことに要注意。半分近くが修士卒採用になっています。

毎年夏と冬にインターンを募集しており、これには心理学専攻の人も応募可能となっています。

「鉄道総研報告」という名前で毎月1回発行しており、2020年と2019年は1月号を「人間科学」の特集として発行しており、大学以外では日本でトップクラスに人間研究に熱を上げている組織の1つだと思います。

今回紹介する論文は、事故などで長時間停車になったときに分配されるいろいろな資源に対し、乗客はどのような感情を抱くのか?ということを検討しています。

デンソー

いわゆるトヨタグループの自動車部品メーカーであり、独ボッシュについで世界2位のシェアを誇っています。心理学系専用の採用区分はありませんが、新卒技術系では開発・生産領域ごとに職種別採用と総合職採用を併用しています。

「デンソーテクニカルレビュー」の名前で技報を毎年1回発行しており、直近では2013年にHMIを特集しています。

今回の論文はカーナビなどの操作性を因子分析したものです。引用している文献も有名どころが多く参考になります。

終わりに

ここまで技報を出している会社の紹介をしてきましたが、全ての企業が出しているわけではありません。心理学出身者を比較的積極的に取っている化粧品や食品系はざっと見た限り技報を出している企業は少なく、例えば資生堂や味の素といった企業の技報は見当たりませんでした。

同じく心理系の研究開発職を採用した実績のあるNTT研究所も研究に焦点を当てた技報は出していません。代わりに広報誌的なものを出しています。

技報を出していない企業でも、学会誌に論文を出してはいます。そのあたりを見ていけばその企業が取り組んでいる領域が見えてくるはずです。

そして研究手法も質問紙や行動実験、生理計測と幅広いですし、因子分析を始めとする多様な分析を扱っています。企業に行ってもやっぱりこういうスキルは大事なんだな...と思ってもらえれば嬉しいです。

こちらの記事では生理計測を含め、心理学を活かして企業の研究開発職に採用されるためにやっておいた方が良い経験を紹介したので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

*1:総合職技術系統も複数あります

【理系・心理系向け】企業の研究開発に就職するための筆記試験対策法

 注意

この記事で言う「就活の筆記試験」とは、主に理系の採用で行われる数学や物理、化学の筆記試験を指しています。SPIやTR-WEB、玉手箱の対策については書いていません。


こんにちは。

このサイトでは心理学を活かして企業の研究開発に進みたい!という人向けにいろいろな記事を書いてきました。

例えばこの記事では企業の心理系R&Dを選ぶメリットを解説しています。


そんな心理学出身で理系就職したい!!という人にとって壁になるものはなんでしょうか?もちろん書類や面接も大きな壁です。

しかし、就活の最初の方に行われる筆記試験も想像以上の壁になっています。というわけで今回は筆記試験とは何か?どんな対策をすれば合格しやすいのか?を解説します。

筆記試験とは

メーカー技術系の職種採用時に行われる試験のことです。IT系の企業であればコーディングテストを課す企業が多いですが、一般的なメーカーだと理系科目の筆記試験がメインになっています。

企業によって筆記試験の内容は異なりますが、多くの場合は数学・物理・化学です。食品や化粧品であれば物理に代わって生物が要求されるのかもしれません。問題のレベルとしてはおおむねセンター試験レベルに設定されています。

ちなみに、筆記試験は採用の参考にしか見られていないようです。実際私よりも手ごたえが明らかに良かった人でも早い段階で選考から落とされていました。

そして、同じ企業でも合格ラインは就活生個人によって違うことも。合格ラインを一律平等に決定しなければいけない大学入試や公務員試験と異なり、ぜひ採用したい層や専門外から応募している人にはおおむね筆記試験の合格ラインが引き下げられていたように思います。私のように、基本的に文系出身である心理学専攻はかなり甘めに見てもらえていました。

このように最初の足切りとして使われる筆記試験ですが、心理学専攻の人にとって「何も対策しなくても受かる」ほど甘くはありません。そこで今回はまず何から対策すればいいのか?を解説します。

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数学に重点を置く

多くの場合、数学・物理・化学が出題範囲である筆記試験ですが、どの科目から対策すべきなのでしょうか。

心理学専攻で技術系就職を狙う場合、最も重点を置くべきは数学です。そもそも高校で勉強していないことの多い物理や化学と異なり、数学であれば出題範囲を履修しているはずだからです。

私は複数の企業を技術系で受けましたが、筆記試験があったほとんどの企業でセンター試験レベルが出題範囲になっていました。

理系といっても物理系、生物系では大学でやっている内容が全く異なります。しかし企業は理系を一括で採用しているのが実情です。そのため、理系であれば全員が解ける範囲しか問題に出して基礎学力を見ることになります。


参考までに理系の人が受けるセンター試験の科目を見てみると数学1A&2B、物理、化学となります。つまり、物理化学は学校でやっていなくても、数学については高校時代に履修している*1はず。

企業への応募を決めてから筆記試験当日まで、長く見ても1か月程度でしょう。そんな状況で、一度全範囲を勉強しているというのは非常に大きなアドバンテージ。よほどのことがないとひっくり返せないメリットですし、実際私は数学を武器に今の会社に入っています。

配点面で見ても、物理・化学に比べて問題量的に数学を重視している企業も多くあります。そのため、理系と対等に戦うためにも数学対策は必須です。

では、どこにヤマを張るべきなのでしょうか?就活時の経験からして微積分だと思います。就活でも複数の企業で出ていましたし、時間ごとに区切って考える微分や、面積に落とし込んで考える積分の考え方は就職した今でも使うくらい仕事でも役に立つからです。

物理・化学では「あまり差がつかない」?

きちんと対策すれば文系でも高得点が狙える数学に対して、物理・化学は理系学生でも苦戦することがある科目です。私の同期(もちろん理系出身)に話を聞いても、「全くわからなかった」という人もいます。それだけ差がつきにくいのでしょう。

それでもある程度ヤマを張って対策することは可能です。機械系メーカーを中心に受けえた私の場合、物理では力学、化学では理論化学が重点的に出た企業が多かったように思います。特に化学では暗記がメインになる領域、例えば無機化学などはほとんど出ていませんでした。

そのため、物理では力学、化学では理論化学の領域に絞って、計算をきちんと自分でしながら勉強を進める必要があると思います。理解すれば点数に繋がりやすいこれらの分野に絞り、それがダメなら仕方ないと割り切るくらいがちょうどいいです。

ネットのサイトを使って勉強しよう

高校時代の教科書は捨てている人が多いでしょうし、かといって参考書を新たに買うにもおカネがかかります。おススメはネット上のサイトで勉強することです。

最近はYoutubeをはじめ動画のコンテンツが充実しています。しかし、そもそも面接などで外出が多い*2、就活生にスマホで動画を見ろ!というのは通信容量の観点から厳しいです。というわけで、動画ではなく文章と図で解説してくれているサイトに絞って紹介していきます。

レベルは次の私がサイトを読んだ上で、次の基準で決定しました。
1...完全な初学者。授業でその科目を取っていなかった。
2...習ったけどその科目のことはほとんど覚えていない。受験で使わなかった。
3...センター試験ではその科目を使った。ある程度は内容を覚えている。
4...それ以上。私大や国公立大の2次試験で使った。



科目...物理基礎・物理
レベル...1
特徴...わかりやすい例えや図が多い。微積分を不使用。

高校物理のサイトでは一番わかりやすいサイトです。理論的な解説だけではなく初歩的な問題を実際に解きながら解説してくれています。就活中はもちろん、就職後の今でも読んでいます。内容のわかりやすさもそうですが、なぜ高校ではこういう問題しか出せないのか?ということも説明してあり、それも物理の理解に役立ちます。

また、現行課程になって全員が学習することになった物理の原子分野もきちんと解説されています。まあ、メーカーの筆記試験では問われなそうな内容ですが...

科目...数学(1A~3)/物理基礎・物理/化学基礎・化学
レベル...3~4
特徴...多様な問題の解法を網羅している。問題演習用としてGOOD。

勉強の解説サイトとして長い歴史があるサイト。私も受験生の時から使っていました。各科目のほぼ全範囲をきちんと網羅しており、例題と解説が載っています。改訂が今でも行われているサイトなので信頼性は高いですが、初学者が読むには厳しいかも...。

科目...数学(1A~2B)
レベル...2~3
特徴...各単元のポイントを端的に抑えている。センター試験の過去問と解説あり。

数学は「一応は高校でやった」という人が多いはず。そういうわけで簡潔にポイントを解説しつつ、センター試験レベルに繋がっているサイトを紹介します。解説は簡潔丁寧ですが、数学Bのベクトルは解説されていないことに注意。


科目...化学基礎・化学
レベル...1~2
特徴...一般的なウェブサイトとしては高校化学の網羅性がピカイチ。

高校化学をきちんと網羅しているサイトは意外と少なかったです。その中で全範囲をきちんと網羅しており、解説もかなり初歩のレベルから解説してくれています。

また、化学メディアとしての側面も持っているため、化粧品など化学が重視されそうな領域に行きたい人は、「化学ってこういう風に役立つんだなあ」というイメージができるかもしれません。


まとめ

就活における理系科目の筆記試験は、文系出身が多い心理学専攻の人にとって、確かに壁になるものです。しかし、1か月程度の限られた時間でも、それなりの対策をすることは可能です。今回の記事がその例になっていれば幸いです。

*1:多くの高校の文系コースでは数学1Aと数学2Bを履修することになっています

*2:今年はコロナでそうじゃないかもしれませんが

【メーカー】就活に役立つ?心理学研究者のバックグラウンド4選

こんにちは。

私は学生時代に心理学を専攻し、メーカーに来て心理学を活かした研究開発業務をしている、日本ではまだまだ珍しいタイプの社員です。

今の職場の同僚や上司を見ると、「学生時代心理学をしていた人はほとんどおらず、むしろ心理学を全くやっていないのに心理学を活かした研究開発をしている方が多い!」とすごくビックリしました。

というわけで、心理学を活かして働きたいけど一緒に働く人はどんな人なの?という疑問を持つ人に向けてこの記事を書いていきます。

新卒や若手の心理学人材は心理学のスキルを活かして人間のいろいろを研究開発することが期待されている、という考えから心理学に限らず人間に関わる幅広い研究をこの記事では扱います。

 

そもそも心理学の研究開発を大学ではなく企業でする社員側のメリットについて知りたい!という方はこちらの記事をご覧ください。

 

大きく4種類に分けられる

分け方はいろいろあると思いますが、今回は「どのようなルートで心理学の研究をする部署に来たのか?」という基準で分けてみました。

業界によって分類ごとの比率は異なりますが、少なくともいろいろなバックグラウンドの人が同じ部署にいることは共通しています。

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①心理学専攻出身者

おそらく企業で心理学を研究している方の1割くらいでしょうか。まだまだ少ないのが実情です。企業にもよりますが、心理学の中でも学習や認知、生理といった領域出身の方が多いように感じます。

臨床系の方は、研究開発ではなく安全衛生や産業カウンセラーとして企業に来ていることが多いです。


年齢的には30歳前後の方が多いです。 学会誌等に出てくる研究者の経歴や企業の求人を見る限り博士卒やポスドクが多く、私のような学部や修士の新卒はほとんどいないはず。

当たり前ではありますが、心理学の研究をやりたい!というモチベーションで会社を選んでいることが多いグループです。

 

②人間を扱う分野の出身者

例えば脳科学や生体工学、心理物理学や感性工学をやっていた人などがここに入ります。私の知る範囲では修士卒くらいの方が多いです。比較的新卒で入ってきた人が多く、大学での専攻を活かした業務をしています。

心理学専攻の人が企業に就職したとき、直属の先輩になる人はこのあたりの出身ではないでしょうか。 分野の違いはあっても学生時代から人間を扱っていて、専門の機器の扱い方の知見が深かったり、積極的に論文を出されている方が多いように感じます。

心理学専攻とは異なり、就活時に自分の専攻を活かして就職しやすいです。そのため、心理学や人間には興味あるけれど、それ以外の理由も含めて本人が今いる会社を選んだ人が多いように感じます。

 
時々所属先が企業になっている研究者がいますが、こういった人に学会のポスター会場で話を聞いてみると、この立ち位置の方が多い気がします。

③他分野出身

化学とか天文学、素粒子など分野はいろいろですが心理学や人間とはかなり離れた領域の出身者がここに入ります。企業に来て初めて人間を扱う研究を始めたという人が多いです。割合的には全体の半分くらいで、部署の中では一番多いタイプです。

その会社が心理学や人間の研究開発を始めてからずっと心理学などの研究をしていることも多く、会社としてどのような研究成果を出したいのか?といった立ち位置も意識しておられます。

 

年齢的にも30代くらいの方が多く、第一線の研究開発者として引っ張りだこの方が多いです。年齢層だけで考えれば新入社員の直属の上司になる世代であり、大学で言えば専任講師*1のイメージで考えてもらえばいいでしょう。年齢的にもこのあたりの方が社会人博士を狙うのではないでしょうか。

社会人であり一定の実務経験があれば、学部・修士課程をスキップしていきなり博士課程に入学することも認められています。

 

④管理職

この層の人は、自分がテーマの主担当として研究をすることは少ないです。 心理学や人間の研究を長年やっている企業でなければ、「この部署に来て初めて人間の研究開発をする」というケースも多いです。

管理職という名前の通りマネジメントがメインの仕事です。そのため、予算を獲得してきたり社内での研究テーマ決定権を持っていたりします。また個別の研究テーマの成否だけでなく、部署として限られた資源をいかにうまく回すか、今後この部署はどのような仕事をしていくべきなのか?を考えています。 組織の運営という意味では大学の教授に近い立ち位置です。

 

就活生側の目線で言えば、一次面接でたまたま心理学を始めとする人間の研究をしている人に当たらない限り、面接で会うのはこの管理職層が多いです。

就活生側としてどう対策すべきか?

出来るだけいろいろな層の社員と話をすることが大事だと思います。

良し悪しは別として、心理学専攻の人を新卒で採用し、育成するだけの余裕があるのは日系の大手メーカー、はやりの言葉で言えばJTCが多いです。

文系の採用と異なりジョブローテーションを前提としていない、ある程度専門性を重視したうえで採用育成を行う企業もあります。これは職種別採用を行う企業、心理系人材を採る企業で名前を上げれば資生堂のような企業だけではなく、あくまでも技術系の総合職として採用する企業も同様です*2*3

とすれば、基本的にはある程度長い目で働いてくれる人を会社として採用したいでしょうし、就活生側も長期的に自分の専門性が活かされそうか?という観点で企業選びをする必要があると思います。

また、社員の方に質問をするときには、「この人はどういうバックグラウンドで仕事をしているのだろう?」ということを意識したうえで質問をしないと、自分には全く役に立たない回答が返ってくることになります。まずは目の前にいる心理学を研究する社員が、ここで書いた①~④のどれに当たる方なのかを掴みましょう。

ここでは詳細な面接の対策については書きませんが、興味のある方はこちらの記事を読んでみてください。



例えば、相手が若手、本記事でいう①や②の人であれば「自社を選んだ決め手」や「どのような育成、サポートがあったか?」を聞けば、今後数年の自分の仕事が予測できます。

 注意

研修を始めとする人材育成の方針は、様々な事情で突然変わることがあります。それだけを当てにして会社を選ぶと痛い目にあうかも。


逆に④の管理職層が相手であれば、オープンになっている会社の戦略に対して、心理学や人間研究をする部署がどのように貢献していくつもりなのか?あるいは心理学人材に何を期待しているのか?といったことを聞ければ有用な回答が得られるかもしれません*4

 

 注意

会社の経営戦略に直接リンクするところなので、工夫して質問をしないと回答を拒否されたりはぐらかされたりします。


心理学を活かして企業に行きたい方は、たとえ同じ部署の人でもバックグラウンドによって聞ける話が全く違うことを意識して面接対策をするといいのではないでしょうか。この記事が少しでも役に立てれば幸いです。

*1:助教の1つ上の職位

*2:部署移動はありますが、それは定期的に行うものではなく業務上の必要から臨時に行うものとなっているということを意味しています

*3:とはいえ、いわゆる「配属リスク」は存在します

*4:株主向けの情報であるIR情報を参考にすると、会社の経営戦略が見えてきます

発達障害者の就活、勤務地のことちゃんと考えて!

こんにちは。

このブログでは発達障害を持つ学生の新卒就活を一つのテーマとして書いてきました。
今回は就活をする際に考えたほうが良さそうなこととして勤務地について書いてみます。

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給料や会社の知名度に引っ張られて新卒就活時(特にクローズ・一般枠で就活する場合)に忘れがちな内容です。しかし状況の変化等でストレスを感じやすい発達障害の人は特にちゃんと考える必要があります。

ちなみに1口に勤務地といってもいろいろありますよね。
・転勤族(銀行のように数年ごとの転勤が前提になっている)
・首都圏
・大阪・名古屋とその通勤圏内
・政令市(福岡や札幌・仙台・広島などを想定)
・そのほかの地域

転勤の多さは業界ごとにおおむね決まっていますが,同じ業界でも転勤が極端に少ない企業もあったりします。しっかりと調べることが大事です。

転勤族は環境の変化に弱い*1発達障害の人には向かない気がしますね。

障害者枠の場合は転勤ナシという形で考慮してくれるケースもありますが,クローズ就労の場合基本的に勤務地は考慮されません。東京の本社勤務希望だったのに,実際の配属先は電車が1日数本しか走っていないど田舎というケースも多々あります。

 注意

「勤務地は社員の希望を最大限考慮します!」と言っていたにも関わらず、数10人単位の新入社員を全く希望しない勤務地に配属した会社を知っています。なので就活時の先輩社員の甘い言葉に騙されないでください。


特に拠点が複数ある企業の場合,最初の配属地が入社するまでどこになるかわかりません。ですから配属されうるすべての地域・拠点について下の条件を満たしているかをチェックするのが大事です。

 

マイカーレス通勤(公共交通機関での通勤)が可能であること

発達障害による困りごとは個人によって差があります。しかし,注意欠陥やこだわり傾向などがあって困るのが車の運転です。

私も車の運転はとても苦手...自動車教習所の卒業検定で何回も落ちたくらい苦手です。
そういう人がマイカー通勤しないといけない地域で働くと,当然を事故を起こすリスクは高くなります。

また,地域にもよりますがマイカーを持つと,保険料や税金,駐車場やローンなどを含めると月々3~4万円が追加でかかることも(都市部で車を所持するとさらにお金がかかります)あります。精神科やカウンセリングルームにそれなりのお金を割く人にとって,このお金を負担するのは困難です。

ということで,公共交通機関で通勤可能な地域で働くことをおススメします。

では具体的にどの程度公共交通機関が充実してれば公共交通機関で通勤できるのか?ですが就活中の経験から私は次のように考えていました。

特に高校まで地方にいた方,「高校時代なんとかなったから、就職後も1時間に電車が1本でも通勤できる!」と甘く見ていると後悔するかもしれません。
  • 特急を除いて通勤時間帯(行き帰り)で20分に1本以上
  • 特急を除いて日中の時間帯で30分に1本以上

首都圏・近畿圏に住んでいる人なら「こんなの当たり前でしょ!」と思うかもしれませんが,全国レベルで見ると,この条件を満たしていない地域はたくさんあります。

人口50万人を下回るような県庁所在地に向かう電車(例えば鳥取市・松江市)では電車が1時間に1本しかないのは主要路線(鳥取・松江市の場合は山陰本線)でもよくあるという状況です。

またその他の県庁所在地に向かう電車でも、閑散路線であれば通勤時間帯でも2時間に1本というケースもあります。

田舎ならバスもそれなりに使えるしそれでいいじゃん!と思う方も多いでしょう。もちろん鹿島神宮ー東京間のように高速バスが充実している地域もあります。
 

しかしバスの場合,土日は極端に本数が少なかったり,最終のバスが早いことが多いため,あまりあてにしないほうがいいと思います。

しかもバスの本数は電車よりも簡単に減ってしまいます。例えば私は本が好きで図書館によく行くのですが,最近図書館に向かうバスが大幅減便になって困ったことになっています...

安心して通える精神科がある

特に発達障害をクローズにして就職する場合,障害に対するケアは全て自己責任で行う必要があります。会社の産業医にオープンにするのは難しいもの*2。私の場合会社に来ているカウンセラーさんにもとても話せません。

そのためクローズで働く場合,勤務時間外に自分で探した病院に行く必要があります。

それだけでも大変ですが,就職を機に引っ越す場合,安心して通える精神科を就職した地域で新しく探す必要があるということです。

当たり前ですが田舎であればあるほど精神科の数も少ないもの。

自分が勤務する可能性のある地域に,安心して通える病院が本当にあるのか?は就職前に確認しておきましょう。ネットで検索すればある程度はわかるはずです。

最終的には医師・カウンセラーとの相性もありますが,ある程度は病院の評判を調べることも可能です。ここなら信用できそう!という病院があるかないかで安心感は大きく変わってきます。

障害者枠で応募できる企業が多い

これから就活をする人にとっては残酷ですが,就職したはいいけど一般枠では定着できる見込みがなかった...こともありえます。というか私もそういう方を多く見てきました。

そうなると障害者枠での転職を考える必要がありますが,私が調べた限り障害者枠の仕事は地方では極端に少ないです。

あくまで新卒に限定してざっと調べた範囲ですが,東京23区での求人数を100とすると,地方の政令市では10あるかないかという感じでしょうか。そしてその中には薬剤師など特殊な資格が必要なケースも含まれています。

終身雇用がかなり維持されている(正規の)公務員は魅力的ですが、精神は実質お断りというケースもあるらしいので当てにしすぎないようにしましょう!

 

そういう観点から、まず自分が就職したい!と考えている地域に障害者雇用で応募できる企業がどれくらいあるのか?は調べておくのが大事。

いざとなれば転職すれば大丈夫!というのはメンタルを安定させるためにとても役に立ちます。

まとめ

就職する前から「もしものときのこと」を考えないといけないの??と思う方もおおいでしょう。しかし早いうちから就職後の生活をイメージして用意をすることで,こころの健康を守ることができます。

あくまで私個人の考えなので参考程度にしてもらえれば幸いです。大学のカウンセラーさんなどいろいろな方に相談し,決めてもらえればと思います。

*1:もちろん人によります

*2:産業医経由で上司に筒抜けになったケースを聞いたことがあります

【後悔】心理学を生かした企業就職に向けた「ガクチカ」の話【実体験】

こんにちは。

現在私は、民間企業の心理系技術職として仕事をしていますが、今になって考えると「就活前にこんな準備をすればもっと満足度の高い就活ができたかも...」というものがいくつかあります。

今後「ジョブ型雇用」が新卒にも適用されるため、就活前の段階である程度のスキルを要求されると思います。というわけでこんなことができるといいかも...ということを書いていきますね。

 

POINTこの記事は心理系技術職としての就職を目指すときに、あるといい経験・スキルを解説しています。

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心理学→企業就職の一般的な話を知りたい!という人はまずはこちらを読んでください。

学位

専門を生かさない文系就職であれば学部卒で就職するメリットが大きいです。しかし、カウンセリングなど臨床系の心理職やエンジニアとして採用される心理系技術職の場合学位は重要だと思います。

どこの大学を卒業したか?といった学校歴(就活でよく言われる学歴)も大事ですが,学部卒なのか修士なのかはそれと同程度,あるいはそれ以上に重要なケースもあります


理系など専門を生かした就職の場合,学部卒と院卒(修士)によって初任給が異なりますし、そもそも心理系の人材を積極的に採用する公務員の心理職やメーカー大企業の技術職は採用の大部分が院卒(修士・博士)です。

民間企業でも、JREC-INなどに出てくるような心理学の求人だと修士以上を明記してくるケースもありました。

もちろん公務員の心理職は制度上学部卒でもなれますし、法務教官のように学部卒でも実際に採用されやすい職種はあります。しかし、特に基礎・実験心理学の専門を生かした科警研や実際に政策立案を行う厚労省といったポストでは,実際に採用されている方の多くが院卒です。


公務員について詳しくはこちらをどうぞ。


民間企業に目を向けても、採用されてこなかった博士卒の学生が積極的に採用されるようになってきたこともあり学部卒での採用枠は縮小傾向にあります。心理学を生かして就職したいのであれば院進学はほぼ必須と考えたほうが良いでしょう。

HPなどのアウトプットを作る

いわゆるUXデザインのお話です。近年のコモディティ化に対抗していくため、消費者の体験に注目する企業が増えてきました。その過程で従来からデザイナーを自前で採用していた企業だけではなく、新規でデザインができる人材を新卒で採用する企業もあります。

このUXデザインの中では様々な心理学の理論が適用されたり、質問紙を含む様々な手法での計測が行われ心理学の専門性を生かしやすいのではないでしょうか。

しかもこの中にはIT企業も多く、初任給高め(概ね23万円程度)、勤務地が東京近辺or大阪などメーカー技術職に比べて魅力的な数字が並んでいます*1

私もそう考えて「よし応募するぞ!」と思いいろいろな大企業のサイトを見てみたはいいものの...

ほぼ全ての企業でポートフォリオ提出という課題が新卒にも課されていました。ポートフォリオとは自分の過去の作品をまとめた資料のことで,これを使って書類審査が行われます。しかし工学部系のインダストリアルデザインや専門学校ならまだしも、心理学系の研究室で作品を意識的に作ってきた研究室はなかなかないのではないでしょうか?

結果として私はこれらの企業に応募しませんでした。

心理学を生かした就職のチャンスを少しでも広げたい、できれば大都市勤務がいいな...と言う方は「プログラミングでHPを作ったり,何らかの形でモノをデザインする経験を積む」ことを強く勧めます。アルバイトやインターンなどでそれらの企業を選ぶとお金をもらいつつポートフォリオに使えるモノを作れるはずです。

こういった実績はUXデザインの就職だけではなく、それ以外の就職にもきっと役に立つはずです。

もちろん、RやPython、Excel VBAといったプログラミングで解析等ができるという意味のアウトプットも大事です。こういったスキルは間接的に企業でも役に立っています。

物理・化学の勉強

心理系技術職として企業に応募する場合、SPIやTG-WEBといったウェブテストとは別に筆記試験を要求されるケースが多くあります。

もちろん筆記試験の結果だけで採用が決まるわけではありませんが、最低限の基準を満たさない人を不合格にするために使われている側面もあるようです。

心理学専攻の人だと,高校でも学んだし、大学でも生理心理学を勉強するタイミングで勉強したから生物はわかるけど、物理と化学はさっぱり...という方も多いのではないでしょうか。

大学レベルの物理・化学まで勉強する時間はないでしょうし、筆記試験の段階でそこまで要求する企業は決して多くありません。

それよりも現行課程*2の高校レベルの物理・化学を勉強しておくと、貴重なチャンスを逃さずに済みます。

私のように,入社試験前の数日で0から化学を勉強することにならないでくださいね。

動物実験の経験

就職に直接役に立つとは思いませんが、動物実験の経験はあったほうが良いと思います。というのも、企業で扱う研究テーマの中には生理に関連するものが多くあるからです。業界にもよりますが特に化粧品や食品系では多いはずです。

直接生理的な指標を扱わない人でも、研究テーマを理解するために論文を読んだとき、脳波など生理の領域がわかりにくいということもあります。もちろん教科書をしっかりと読んで学習することも大事です。しかしこういった生理のことをよく理解するために、動物実験で脳の一部を刺激する、あるいは組織の破壊を行うなどの経験はとても役に立つと思います。

その一方で、企業ではサルやマウスといった実験動物を用意するお金が大学に比べて乏しいのが実情です。また労働時間の管理にシビアな企業の場合、人間と生活する時間が異なる動物を世話することの難しさもあります。

動物実験を比較的重視する化粧品業界などでも、近年は動物愛護や企業倫理の観点が強く求められるようになっています。こういった事情で、年々動物実験はなるべくしなくても済むように、他の方法で代替できる方法を模索しているのが実情です。

とはいえいろいろな方に聞く限り動物実験はとても大変なようです。そのため研究テーマの一環で動物実験を選ぶほど必須だとは思いません。ただ大学内でのアルバイトだったりなんらかの実習などの機会を活用して動物の操作を体験しておくことは就職、そして就職後も役に立つと思います。

アンケート調査の経験

実験やケースのみで卒論を書く人もいますが、私は質問紙(アンケート)を使った研究を勧めたいです。それも、既にある尺度を流用するのではなく、可能であればアンケートを自作する経験があったほうがいいと思います。

というのも、アンケートに関するスキルは実験系のスキルと違って活用できるチャンスが企業においても多いからです。ほとんど実験はしないけど、アンケート調査はする、でもそのアンケートの質は...というケースも残念ながら散見されます。

アンケートを使った研究をしない場合は、アンケートを使った業務をしている企業、例えば人材やマーケティングリサーチといった会社でアルバイトやインターンの経験を積んでおくといいでしょう。

実際に会社で使われているアンケートを見たり分析する中で、企業に入ってからの仕事に生かせるスキルが身につくはずです。

まとめ

大学時代は就職のことはあまり考えたくない、という気持ちは私にもよくわかります。そもそもガクチカのために学生時代の経験を選ぶ姿勢が望ましいとは思いません。

とはいえ採用枠が非常に少なく、理系の人とも競合しがちな分野である以上、何の戦略もなく企業で心理学の業務ができるとは思えません。先輩方を見ても、研究室選びあるいはそれ以前から戦略的に実績を積んだり、大学での学びを深めることが心理学を生かした就職につながっているように感じます。

この記事を参考に、低学年のうちからいろいろ考えて実績づくりに挑んでもらえればと思います。

*1:メーカー企業の魅力は、労組によって守られたワークライフバランスや独身寮などあまり数字に出てこない部分なんですよね...

*2:2015年3月以降に高校を卒業する人が勉強していた課程

【新卒・発達障害】一般枠/障害者枠?選ぶためにやってよかったこと教えます

こんにちは。

ひと昔前に比べて、発達障害を持った人が大学に進学することも珍しくなくなりました。その一方で「出口」である就職についてはまだまだ「こうすればいい」という答えがあまり出ていません。

「お客さん」だった学生から、利益を出さないといけない会社員になるためにどうすればいいの?と悩む人も多いはず。

そして発達障害の人にとって最大の悩みが「一般枠で行くのか、障害者枠で就職を目指すのか」ということ。

この記事では、当事者でありながら一般枠(クローズ)で就職した私が、一般枠で就活すると決めるまでにやってよかったことを解説します。 

 

 

そもそも一般枠と障害者枠,自分にはどっちが合うんだろう?と悩んでいる方はこちらをどうぞ。私がクローズの一般枠を選んだ理由を解説しています。

関連記事【新卒】発達障害当事者がクローズ就活を選択した理由

発達障害者の就職形態とは

障害者の就職といえば「障害者枠」がメインです。しかし発達障害者の場合、障害が見えにくいこともあり一般枠(クローズ就労)や一般枠(オープン就労)の選択肢があるのが特徴。今回はそれぞれの違いを、仕事内容と配慮の有無に着目して説明していきます。 

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一般枠(クローズ就労)

健常者と同様に普通に就活をして企業からの内定を目指すパターンです。障害によって区別や差別を受けない代わりに採用後の配慮等もないのが通常です。大企業であれば転勤や海外出張も要求されるケースもあります。
 

一般枠(オープン就労)

大企業を中心にダイバーシティを確保する観点からこのパターンが増えてきました。応募段階では一般枠と同じ形で応募しますが、ESの最後などに「障害による配慮」を希望することで選考や採用後の配慮を受けるパターンです。

 

一般枠の一部なので仕事の内容は原則として健常者と同じということになっています。募集要項の段階では初任給はもちろん何年たったらいくら上がるかを示す給料表は健常者と共通であることが多かったです。

実際私が相談をしたいくつかの企業でも「待遇は原則として健常者と共通」としている企業が多かったです。

 

ただし、あくまでも障害者として就職するため障害者手帳は必須となります。

障害者枠

障害者の就職として一番メジャーな仕組みがこれ。募集の段階から一般枠とは別になっているパターンです。会社の採用サイトに載っている一般枠とは異なる募集要項が作られています。

仕事内容が限定されたり、一般枠で就職すると避けられない転勤を回避できるのが大きなメリットです。これは環境の変化に弱いASDの人にはありがたいですよね。また、通院のための早退を認めてもらえたりするのもメリットです。

ただし、いろいろな配慮を受けられる分一般枠よりも初任給が低いケースがほとんど。 雇用形態が正社員ではなく契約社員になっているケースもありました。

一般的なオフィスに障害者向けの配慮ができる上司のもとに配属されるケースが多いです*1

ちなみに私自身は本格的な就活解禁を迎える3月より前の障害学生向けの就職イベントで、発達障害の採用実績はありますか?と聞くと「発達障害を含む精神はとらない」と言われたこともあります。

やっぱり障害者枠を取るなら、比較的計算のしやすい身体から埋めたいのでしょうか…

 

特例子会社

上に書いた障害者枠は、多くの健常者が働いている職場で障害者と健常者がともに働くというものです。

しかし、企業によっては「障害者にやってもらう仕事がないけど、法定雇用率はクリアしたい」という考えのもと障害者を1つのオフィスに集めて集中的に雇用する特例子会社という制度を導入している企業もあります。

エレベータや障害者向けトイレや物理的なサポートが必要な人にはメリットが大きいですね。また、障害者をサポートする専門スタッフが駐在しているケースもあります。

ただし、仕事の内容が「障害者がするために切り分けたもの」になっているため、社内に送る資料の分類や、車内清掃などの作業が多いようです。

こういった事情で、発達障害者にとって特例子会社は好き嫌いが分かれます。応募を考えている企業ごとに実態を確認すべきです。

 

何をすればよいのか 

新卒発達障害者の就活にもいろいろなパターンがあるというのはわかったと思います。
選択肢が多い分悩みますよね。もちろん一般の就活と同様に自己分析や業界研究も必須です。

ここからは、やることが多い発達障害を持つ学生の就活で私がやってよかったことを書いていきます。 

なるべく早いうちに発達障害の診断を受ける

まず、障害者枠での就職をするためには障害者手帳が必要です。しかしそのためには医師の診断書が必要になってきます。明らかに症状が出ていて、かつ確定診断を受けていないならば早めに診断を受けたほうが良いです。

ちなみに近年発達障害を診察できる医師に対して、患者さんの数が極端に多くなっています。そのため初診までに3か月待ちというケースも多々あるようです。実際私自身予約から初診まで2か月待たされました。

障碍者手帳を取るまでにも時間がかかるため、大学3年生になって「やっぱり一般枠はムリ」となって手帳取得を狙っても既に手遅れになるかも


発達障害の確定診断を受けてからもやることが多いので、診断を受けるのはできれば高校生、遅くても大学1~2年生までに受けておくことを強くお勧めします。 

障害者手帳を取得する

医師の診断が下りたら障害者手帳を申請しましょう。知的な遅れを伴う場合は療育手帳*2を申請しましょう。逆に知的な障害を伴わない場合は精神障害者保健福祉手帳を申請します。

 

申請から2~3か月ほどで審査結果がもらえます。手帳の取得が認められた場合、手帳をゲットすることができます*3

 

なお精神障害者保健福祉手帳は2年ごとに更新するというルールがあり、更新を希望する場合は毎回申請する必要があります。症状によっては更新が認められないケースもあるようです。


なるべく早いうちの手帳取得をおススメしているのは、障碍者手帳が有効な2年間のうちに障害者枠での就労体験をできる限り積むことで自分の将来を判断するためです。

 

就労体験を積む

高校生や大学生になってから確定診断をもらう人、あるいは親の教育方針で「可能ならば健常者とできるだけ同じ生活を」という環境で育った人ならば、今までもそれなりにはやっていけていたはずです。もちろん自主性と計画性が重視される大学でついていけなくなった人もいますが…

ただし就職する際には乗り越えないといけない2つの課題があり、その壁は想像以上に高いです*4

具体的に2つの課題というのは

  • 就活を乗り越えて採用されること
  • 採用された企業に定着すること

ということです。シンプルですが結構難しいのが実情。採用しても大丈夫だと思わせる能力とそれを裏切らない実力どっちも必要と言うのは普通の人でもなかなか難しいものです。

これだけ難しいなら、今までは健常者として生活してきたけど、このタイミングで障害者としての人生設計を考えたいとなるケースは少なからずあると思います。自分にはどのような就労形態*5が望ましいのかを考えるために就労体験は必須です。

ここでいう就労体験というのは、行政が管理する就労移行支援や作業所だけではありません。ちょっとしたアルバイトやインターンなど、様々な形で企業や役所などで働くことを指しています。別に障害者枠でない一般枠でもOK。とりあえずお金をもらって労働する経験が大事です。

  

なお、就活が解禁される3月以降のイベントは原則として障害者手帳が必須ですが、いわゆるインターンシップの段階では手帳を持っていなくても受け入れてくれるケースがあります*6

 

障害者向けの説明会に参加する

近年の就活前倒しの影響を受けてか(?)3年生の段階から企業が説明会をするケースが増えました。

3月以降になれば障害者向けの就活イベントも高等裁判所があるような主要都市*7で行われています。

短期のインターンは行っていなかったけど新卒障害者を採用したい企業もあるので、一般枠での就活とは別に応募してみるとチャンスが広がります。


ちなみに、マイナビやリクナビのイベントの障害者イベントには大企業たくさん出展していますが、それは「障害者枠なら大手にもラクに入れる」という意味では全くありません*8

まとめ

新卒の発達障害者の場合、障害者枠と一般枠両方の選択肢があります。それぞれメリットデメリットがあり、全員におススメできる選択はありません。

しかし、実際に就職した今振り返ってみると、早い段階からの試行錯誤が将来的な心と経済的な安定につながるのだと痛感します。

この記事が、発達障害を持つ人の進路選択に少しでも参考になれば幸いです。

*1:少なくとも健常者と障害者の共生という理念としてはそうなっています

*2:各自治体によって手帳の名称は異なります。例えば東京都と横浜市は「愛の手帳」です。

*3:審査が行われるということは、逆にいうと手帳取得が認められないケースがあるということです

*4:私の知っている範囲でも、メンタルヘルスで休職している人がいます

*5:場合によっては作業になる可能性もあります

*6:大学を通したインターンはこの点柔軟でありおススメです

*7:具体的には札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・高松・広島・福岡といったレベルの都市

*8:「納付金を免れるために1人採用が必要」というタイプの中小企業が説明会に参加するお金を払えないだけだと思います

大学院進学と就活の並行方法(3年秋からの早めの準備が大事)

こんにちは。

大学3年生の秋ごろになると,進学するのか学部卒で就職するかを強制的に考えることになります。

で,私含めて多くの人は「就活と院試は並行可能だから大丈夫」などと言うのですが,具体的にどうやればいいのかはブログ等見てもなかなか書いていません...

どういう根拠で大丈夫って言ってるんだ!

 

ということで実際に並行して進めた私が書きます

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私自身は学部卒就活と院試を並行して進めた結果,最終的に就職に決めたので院試のところはあまり参考にならないかもしれません。

心理学を生かした就職活動の全体像をつかみたい方はまずこちらの記事をどうぞ!

 

両立せざるを得ない理由と学部卒就活の目的を明確にする 

そもそもなぜ院試と学部就活を並行で進める必要があるのでしょう?
いろいろ理由はあると思いますが私の場合は次のような感じでした。

  • 心理学関連の研究を深めたい
  • 基礎研究よりも基礎を生かした製品開発や社会実装に関心があった
  • 就活がオリンピック後になれば就職氷河期になりそう。自分の能力で就職できるとは思えない。

という事情から就活と院試(大学院進学)のどちらを選ぶかとても悩みました。最終的には就活と院試を並行して対策せざるを得なくなりました。

まずは大学院(修士)卒ではなく学部卒で就活を行う場合の目標を明確にしてみました。

本気で内定をねらう
→本命として絞る企業職種に学部卒で採用されたならさっさと入りましょう。売り手市場である21卒であれば,通常では修士以上しか採用しない企業が学部卒にも門戸を開くケースがあります。

 

院生を採用する業界との相性を探る
→現実問題として、文系院卒を採用する・しないは企業と業界によってある程度傾向があります*1

 

詳しくはこちらをどうぞ

 

私が受けた中で文系院卒を比較的採用する業界といえばコンサル・Sier、大学職員・政府系研究所の総合職がありました。

あとは受けてはいませんが文系院卒といえばニトリでしょうか...

  

おすすめスケジュール(私の体験含む)

この内容は16-22卒の3月広報解禁、6月本選考をイメージしています。形骸化しているとはいえこの影響を受けて選考は行われますし,23卒以降も多少の前倒しはありつつも概ね維持されると予想しています。

 

学部3年の春まで

他学部履修などを活用して少しでも多くの卒業要件単位を取得しましょう。他学部の単位制度は調べないとわかりませんが,大学によっては20単位(10コマ分)前倒しで単位取得が可能です。

 

単位が足りないと研究室訪問やインターンといった試行錯誤の時間がありません。逆に時間とお金さえあれば就活はある程度なんとでもなってしまいます。

 

夏(3年7~9月)

企業・大学院ともにいろいろなチャンスを活用して訪問していきましょう。この段階ではきちんと絞り込む!というよりも関心のある業界,研究分野を探すのが目的です。私の場合,なんとなく興味がある業界でも十分と考えいろいろな業界を回りました。

 

就職対策は長期インターン2社、短期インターン3社参加を目的にインターンを応募し業界への適性を考えられれば十分。

 

院試対策としては日本心理学会をはじめ,自分の分野の大規模な学会に参加しましょう。学会発表を回る中で興味のある分野を明確にするといいでしょう。可能ならば進学を考えている研究室の学生や教員とも接触したいところです。

また、就活をするのであれば実績をアピールできる実績を積む最後のチャンスです。アルバイトなどを活用して経験を積んでいきましょう。お勧めできそうなアルバイトや経験はこちらに書いておきました。

 

秋(3年10~11月)

夏に回れなかった業界、研究分野を回りましょう。1,2社で良いのでインターンに参加しておくと,早期に業界を絞り込むことができます。

特に地方の大学に在学している場合に当てはまりますが,インターンの移動のついでに研究室訪問を2研究室以上周るようにすれば,交通費を節約しつつ院試対策ができます。*2


研究室訪問のやり方はこちらのページを参考にしてください。


 

また3年生のこの時期のうちに卒業要件の確認をしておきましょうね...

院試の時期を把握する

そして,秋のうちにやっておきたい一番重要なことがあります。それは院試一本に絞るタイムリミットを決めることです。

院試の出願締め切りは想像以上に早く、東大の教育学研究科のように6月半ばにしている大学も少なからずあります。またNAISTのように出願が早い大学は5月に出願締め切りを迎える大学も。

私の場合、GW前には就活は止めて院試に進路変更することにしました。

 

冬(12月から2月)

12~1月までは,比較的勉強に集中できる期間です。一部企業が選考を始めていますが,進学を考えるならばそれらは後回しにしてもよいでしょう*3

研究室配属が早い大学なら,この時期に学会発表目指して実験や調査を行うといいでしょう。学部生なら業績があるだけでかなり気持ちの面で楽です。*4

 

外資系などで本気で行きたい!と思える企業があるなら早期選考を受けても良いでしょう。進学前提でも本選考を受けるのは大事です。

 

2月になり春休みが始まれば、外部の大学院を受ける場合,受験対策を始める必要があります。

志望の研究室を絞り込み3-5研究室に絞り、心理学概論や数学などどこの大学でも使う科目から手を付けていきましょう。

 

春(3年2月~4年4月)

学部卒で入社したいと思える企業10社程度に絞って受けました。できればGWには就活に区切りをつけて院試に絞りたいところです。

私の場合,全滅したら進学すればいいやと考えてNTT研究所や鉄道総研の研究職、理研の総合職といった修士以上をメインにする企業でも積極的に受けていきました。絶対に今年で就職を決めないといけない状況なら絶対エントリーできなかったですね。

本選考のタイミングで研究室訪問を行い相性を再確認、交通費も浮かせつつ併願(冬院試でも受験可能な大学院)先を探していきましょう。


私の場合最低限の業績を付け加えるため.本選考直前のタイミングで学会発表の予定を入れました。大きな効果があったかは疑問ですが,多少は効果があった気がします。(発表が決まっていればESに書けます)

 

出願締め切りに注意したうえで、早めに出願していきましょう。私も受験はしなかったもののNAISTなど一部の大学は出願しました。

 

ちなみに、心理系の大学院進学を目指すならとりあえず国家公務員総合職(人間科学区分)は受けるのをおすすめします。多くの大学の院試範囲と重複していますし,修士取得後の就活が楽になります*5

 

受験に合格することを意識した研究室選びの基準

内部進学する場合は問題ないですが、外部の大学院を受ける場合それ相応の準備が必要になります。ただ現実にはまともに準備している時間がないのがほとんど。ということでなるべく少ない負担で院試に合格するために、どういう基準で研究室を選ぶべきなのか?を考えてみたいと思います。

 

院試が終わったら研究室についていくための勉強をしっかりしましょう。合格後も手を抜いていいという意味ではありません。

専門の心理学科目だけで受験可能な大学院を選ぶ

院試に避ける勉強時間が短いので,なるべく科目が少ない大学院を選びましょう。心理学を研究できる研究室でも学際・情報系なら科目負担が少ないです。

 

また大学院しかないNAIST*6やJAISTはTOEICと面接試験のみで受験可能です。

 

TOEICで受験できる大学院を選ぶ

就活と両立するため、TOEICで受験できる大学院がおススメ。TOEFLや個別の英語筆記に比べて英語対策にかける時間を減らすことができます。

もちろん市販の参考書もTOEFLに比べて多いのも魅力です。


情報系・学際系の大学院ではほとんどTOEICでの受験が可能となっており,私には負担が小さかったです。*7
 

文学部や教育学部系の心理学研究室ではTOEICではなく個別の筆記試験orTOEFLが要求されるケースが多いです。

 

冬院試で受験可能か?

年度にもよりますが、就活が終わってから夏院試の対策を行うのは正直時間がないです。私もそれなりに苦戦を強いられました。ということで最初から冬院試があることを明記している大学院は非常におススメできます。

東北大や名大などの有力大学でも冬院試を行っていることが多いです。さすがに東大は夏のみの研究科がほとんどですが... 

 

臨床系の研究室は例年人気なため、大学院全体では冬院試を行うが臨床系は夏院試のみ出願可能となっているケースを見たことがあるので臨床心理学の研究室を目指している方は要注意。

 

一方で内部進学の場合は、就活に一区切りついた6月からでも十分間に合っている方が多いです。*8

 

まとめ

院試と就活を同時に進めるのは大変ですが、早め早めの準備があればなんとか両立できるはずです。少しでも参考になれば幸いです。



*1:主観値ですが四季報などにもそれなりのデータはあります

*2:インターンでは交通費を支給してくれる企業も多いです

*3:こういう企業にエントリーする層は優秀層であり,彼らに勝って内定を得るのは難しい

*4:サポートが手厚く業績の出しやすいテーマを選ぶのがここで効いてきます

*5:総合職の場合、合格は3年間有効です。そのため修士修了見込みのタイミングで官庁訪問を行うことが可能です

*6:高校数学における数3相当の数学に関する口頭試問があります

*7:ただし700点以上スコアが要求されます

*8:理系と異なり,臨床以外のラボはほぼ定員割れを起こしているため

心理職(研究系)の求人はどう探すのか?学会サイトからコネまで4選

こんにちは。

 
このブログでは「心理学専攻の人が専門を生かした就職をするために何をすればいいのか?」ということについて記事を書いてきました。


今回は、実際に心理系研究開発職で採用された私(筆頭業績0)がどうやって求人を探したのか?をなんと全て!書いてみたいと思います。

そもそも心理学を生かした民間企業就職ってどうやるの?どんな企業があるの?という方はこちらのページを参考にしてください。



POINT本記事は「企業の心理職」を狙う人向けに求人の探し方を解説しています

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基礎知識

学部卒・修士と、博士以上で大きく傾向が異なっています。というのも基本的に新卒者としてしか就活できない学部卒・修士と異なり、博士以上は中途採用の求人に応募することが可能だからです。そのため、民間企業であっても博士以上の方が選択肢が多くあります。

私は学部卒で実績がほぼ0のため、新卒枠・学部卒以上で応募できる企業に絞って応募しました。オープンな求人はほとんどなく、これから紹介するようなサイトや方法で企業を探しました。

そして概して中途のほうが職種確約・配属地固定など条件が良いことが多いように見えます。(例外は多数あります)


企業・官公庁(競争試験タイプ)の求人でアカポス*1と異なる特徴として、「博士の学位が不要」というケースが多くあることが挙げられます。

そんなこともあり、修士卒位でも自分から応募すれば意外と採用してくれるのではないでしょうか。

製薬研究職では「博士限定」の研究職採用が増えつつあります。心理系でも遠くないうちに「博士限定」求人が多数になるかも。検討されている方は早めに動かれるといいと思います。

心理学ワールド

「心理学ワールド」とは日本心理学会が年4回発行している一般向けの心理学情報誌です。 日本心理学会のサイトから無料で読むことができます。

いわゆる査読論文は掲載されておらず、その代わりに心理学の読み物や新しく発売された心理学書籍の紹介などが行われています。

そしてこの本の中には「ここにも生きてる心理学」というコーナーがあり、心理学を生かした仕事ってどんな感じ?ということを解説しているページがあります。ここには公務員を始めとする臨床系だけではなく、民間企業の研究職も含まれていました。

 

ここで掲載されている企業名を挙げてみると

  • 花王
  • 資生堂
  • イデアラボ
  • ヤマハ発動機

などがあります。いずれも心理系では有名な企業さんばかりですね... この記事では紹介されている個人の経歴が公開されているため、いろいろなことが分かります。

例えばこの企業が心理系研究職として採用するのは新卒/ポスドクのどちらなのか、大学はどこ出身なのか?がわかります。学歴で見るとやはり博士卒が多いですが、修士卒もちらほらいる感じです。

 

心理系研究職はほとんどがクローズで募集されているため、特定の業界や企業に行きたい!というのが決まっている場合、よく採用されている大学はどこか?を少しでも知っておくといいでしょう。そのために心理学ワールドはとても参考になります。


私の場合、掲載されていた企業のうち学部卒で応募できる企業には全て応募しました。

他の学会誌にも似たような記事が掲載されていることがあり、例えば基礎心理学研究には企業就職についての記事がありました。自分の専門分野の学会誌を見てみると就活の役に立つ記事があるかもしれません。

JREC-IN

JREC-INとは文科省系独法であるJST(科学技術振興機構)が運営する、研究者向け求人サイトのことです。研究者を欲しい!という組織の多くはこのサイトに求人を掲載しています。

大学教員の求人が大部分を占めていますが、企業の求人も掲載されていることがあります。

私が見たときには、

  • センタン
  • トヨタ紡織

の2社が心理系人材を技術者として募集していました。一般の就職サイト(リクナビやマイナビ)とは異なり、JREC-INは研究者向け求人サイトになっています。そのためか求人のほぼ全てが中途採用or博士のみを対象にしているのが特徴です。

ただし、心理学が生かせる企業の総合職(技術系)や大学の技術補佐員・URA(大学における研究支援の専門職)など一部の職種であれば修士以下の新卒でも応募できることがあります。

学会公式サイト

多くの学会公式サイトには、求人が登録されている公募情報が掲載されたページがあります。

心理学でメジャーな日本心理学会の場合,公開されている求人はほぼすべて大学教員ですが、比較的企業求人の多い人間工学会の場合、ヤマハ発動機などいろいろな求人が見られました。

分野を絞って求人が出ているためか、JREC-INなどには書かれていない求人も多いのがメリット。

 
学会公式サイトの求人は応募要件の中に「博士の学位を有すること」が条件になっていることがほとんどです。また学会公式サイトの求人は大部分が中途採用であり、新卒でも応募可能なものはほぼなかったと思います。

過去には日本心理学会の求人で、防衛省研究職(心理)の公募がされていました。

特定の企業が毎年同じ時期に求人を出すケースも散見されるため、今は応募を受け付けていない企業もリストアップしておくと後でタイミングが合ったときに応募しやすくなります。

私の場合,修士になったら応募しよう!と思ってそれらの企業はエントリー用のリストに入れておきました。*2

学会参加時に企業研究者に聞く

工学系は知りませんが心理学の学会にはまだまだ企業の研究者が少ないように思います。ということもあって学会に来ている=心理学の研究をしている(?)のヒントにはなるはず。とすれば彼らと話せば何らかの情報がもらえるかもしれません。

学会参加時に聞くべきことについて、詳しくはこちらのページを参考にしてください。意外と応募を受け付けてくれる企業もありました。

大学/教授のコネを活用する

なんだかんだで一番使えます。やはり自大学に来ている求人(特に推薦応募)は採用率が圧倒的に高いです。自由応募の研究職でも、自大学に求人が着ているものなら採用率10%はあるのではないでしょうか。

私も一般的な就職活動で大苦戦していたところを先生に押し込んでもらったという感じなので迷ったら先生のコネ!は経験面でも正しい気がします。詳しくは下の記事をどうぞ。

大学の非常勤講師や臨床系の人向けの非常勤カウンセラーは前任者からの紹介でほぼほぼ決まるという話を聞いたのですが、果たして本当なのでしょうか...?


上でも書きましたが、心理学ワールドにあるような企業さんでも実質的に特定の研究室からしか取らないとなっていることは多いように感じます。*3

一切就活をせずに進学を決めるのもいいですが,「就職もありかも?」と思うならば学部の就職担当に相談して「いい求人あります?」と聞いてみましょう。自大学の強力なコネがある求人を紹介してくれるはずです。私の大学でも「この企業が心理系を技術職で取るの!?」というような求人が複数あり驚いたのを覚えています。

まとめ

心理系求人(特に企業)は見つけにくいもの。ただ工夫すれば意外とあるものです。本記事をきっかけに心理系人材を採用している企業さんを見つけられるといいですね。

*1:言うまでもなく博士号がほぼ必須です

*2:企業に入って転職する際にどういう企業があるのか?を調べることも可能です

*3:あくまでも私の観測範囲ですが

【企業の本気を感じる】京大サマーデザインスクールの魅力

みなさんこんにちは。

先日まで行われていた「京都大学サマーデザインスクール(SDS)」に参加してきました!(下はイベントの立て看板です)

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それほど調査して参加したわけではなかったのですが,最高!な科学イベントだったので早速紹介していきますね。

心理学でもデザイン研究をしている人は一定数いるので,心理学界隈にも役に立つはずです。

 

京大サマーデザインスクールとは?

京都大学が運営する「デザインコンソーシアム」という団体が行うイベントの1つ。
毎年夏に3日間で,各企業/大学が抱える課題について,学生・社会人が本気で施策を考えるイベントです。例年京都大学吉田キャンパス時計台で行われています。

今年度のテーマは

  • MaaSの京都市への実装
  • 共感消費の調査
  • 統計サービスの社会実装ソフト開発
  • 5Gを用いた新規事業開発
  • 京都市内のコインパーキングの有効活用

など10以上ありました。この中から参加者が1つのテーマを選びます。

実際にモノづくりを考えよう!具体的なサービスに落とし込もう!というテーマもあれば,発想法のテストをしよう!というテーマまで個性豊かなテーマたちです。

ちなみに,SDSの参加者の比率は京大生:他大生:社会人=2:1:1くらいでした。
また参加者の専攻もバラバラで私のチームだと心理・工学・生物・経営学と多様。後半になって気づきましたがこの多様性は想像以上にプラスに働きます。

何がすごいの?

実際のところ,こういう社会に実装できるデザインを考えよう!という趣旨のイベントは最近の「デザイン思考」や大学改革の影響で増加傾向にあります。

参加者の質が極めて高い

この「デザイン思考」で何を作るか考えよう!というのは,実は就活のインターンでもやっています。

特にコンサル・マーケティングリサーチではうんざりするほどやらされた…
ただ,学生・社会人ともに有料ということもあり「絶対に何かを学び取って帰る」という高いモチベーションがあるように感じました。

東京や名古屋から泊り込みで来ていた参加者もいました。

実施者が豪華・超本気!

京大サマーデザインスクールには参加者と実施者(テーマをデザインスクールに持ち込む人)がいますが,実施者のほとんどは企業です。それも超豪華。 2019年の企業を挙げると

などなど超有名企業のデザイン系社員がテーマを実施しています。 しかも,実際に今会社が抱えている/今後やりたいと考えていることを持ち込んでくるため,企業としても「何か利益になるものを持ち帰らなければ」とモチベーションは極めて高いです。

 

多くの企業の短期インターンの場合,あくまでも仮想の課題を提示してきました。そのため「採用」という意味を除いてはあまり企業のモチベーションが高くないのも事実。

採用にも関係している?かも…

私はすでに行き先が決まっているので関係ありませんが,学生にとっては企業のデザイン系人材と直接お話できる極めて貴重な機会です…。

しかも参加者の半分は京大生,ほかの学生さんも聞いたら卒倒しそうな有名大学の方ばかり。企業の立場からしても,「コストをかけずに学生と話せる」のは非常に貴重な機会といえます。

SDS委員会が容認していることもあり,実際企業の社員が学生と名刺交換している方をたくさん見ました。もしかしたらここをきっかけに採用に至っているのかもしれません。

 

私は何をしたの?

私の場合,「統計センサスを活用したアプリケーションを構想する」でした。
統計学へのスキルなども求められず,必要なところは講義で説明してくれるので初心者の方も大丈夫!

やったことの用語だけ列挙すると

と実際のソフトウェアを作る時のプロセスをほぼそのまま踏んでいます。*1

ちなみに,ここに書いてある「ペルソナ」というのは,「こういう超具体的なユーザをイメージしてモノづくりしたよ!」というもので,マーケティング界隈では常識らしいです。*2

で,そのときに使った画像がこちら。

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ペルソナの個人名まで考えるのですが,今回は「小林大輔」さんにしました。
彼が働いている阪急阪神ホールディングスの創業者が小林一三であること,彼の生まれた1980年の男の子の名前ランキング1位であった大輔を組み合わせたのです。

 

私の参加グループでは実施者が大学教員でしたが,企業経験のある方でした。
ということもあってか,「実際のユーザはこういう反応をするのでは?」とか「こういうマップを作るとアイデアが浮かびやすい」といった実用的なアドバイスをしてくれました。

このような「ITサービス実装」のための要件定義自体はITコンサルやSierインターンでもよく見ます。しかしそれらのインターンでは「学生主体」になるためどうしても粗さが目立ったりアイデアの質などに難があった気がします。



私自身は大学でUI/UXデザインを少し研究しているのですが,そんな私でも「ビジネスに落とし込むためにはこういうプロセスが必要なのか」と学びが多かったです。

ということで私たちのチーム,ほかのチームの試行錯誤の成果がこちら!

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各チーム3日間できる限り頑張ったのですが,各々のクオリティにはどうしても差があります。
個人的にレベル高いな!と思ったチームはすべて企業さん。彼らは3日間とは別に事前準備をしたり,たくさんのモノを自社から持ち込んだりとその熱のいれようは半端ではなく...

来年以降参加される方で,クオリティにもこだわりたい!ならば企業さんが関与しているチームを選択することをお勧めします。

 

まとめ

設備がボロい,日程がシビア等の課題はありますが,社会実装可能なデザインを3日間本気で考えるのは貴重な経験。
2020年は現段階で8/26-8/28で行われる予定です。心理学を学ぶ方もぜひ参加してみては?


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*1:SierやITでいう「要件定義」のことらしいです。

*2:知らなかった